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圃場データ

標高
350メートル
栽培
ヴィニュロンズクラブ
栽培品種 メルロー(約900本)
栽培面積
17アール
台木
5BB、3309、101-14
植樹
2008年3月22日
栽培品種 シャルドネ(約900本)
栽培面積
20アール
台木
101-14
クローン
95番、96番、277番
植樹
2012年6月16日
栽培品種  シャルドネ(約490本)
栽培面積
17アール
台木
101-14
植樹
2013年3月31日

ブログ担当 プロフィール

古畑昌利
山日YBSグループ勤務。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート・エクセレンス、SAKE DIPLOMA。米国ワインエデュケーター協会認定ワインスペシャリスト(CSW)

9月の天候

 気象予報士でヴィニュロンズクラブメンバーの保坂悟さんの協力で、先月の天候をまとめました。今年の天候まとめは今回でいったん終了。ブドウの生育期間となる来春、あらためてスタートしたいと思います(写真は10月4日)。

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9月は前半と後半で天気の様相が大きく変わり、特に下旬にかけての気温低下が目立ちました。前半は太平洋低気圧に覆われて晴れた日が多く、厳しい残暑が続きました。しかし後半になると前線や台風13号の影響で曇りや雨の日が増え、天気はぐずつきました。特に29日は、日中の気温が上がらず、韮崎や勝沼、古関(甲府市古関町)では、最高気温が9月としては低い方から3番目(1978年の観測開始以来)となり、11月上旬から中旬の気温となりました。降水量は後半に前線や台風で雨の日が増えましたが、月合計では平年を下回りました。(以下はブドウ畑に近い甲府の観測データを基にまとめてあります)

気 温
平均気温は上旬で25.6度と平年より1.2度も高く、厳しい残暑が続きました。中旬も23.0度と平年よ0.7度高く推移しました。下旬になると一転して19.8度と平年を0.2度下回りました。下旬は、上旬に比べ6度近く気温が下がり、遅れていた季節の歩みが一気に進みました。月平均では22.8度とやや高い状況でした(平年比0.6度高)。日最高気温は月平均では27.8度と平年を0.5度上回っただけでしたが、上旬は32.1度と30度を超えていました。一方、日最低気温の月平均は19.1度と平年に比べて0.6度ほど高い状況でした。最高気温35度以上の猛暑日はありませんでしたが、同30度以上の真夏日は13日と、平年より4日多くありました。夜間の気温が25度を下回らない熱帯夜はありせんでした。

降水量
上旬は晴れの日が多く、降水量は14ミリと少なかったのですが、後半になりぐずついた天気が多くなり、中旬の降水量は80.5ミリ、下旬は57ミリと平年並みの降水量となりました。月合計では151.5ミリ(平年比79%)でした。14日は31ミリのまとまった雨となり、日最大10分間降水量15ミリを観測、9月としては2番目に強い雨を記録しました。

日照時間
月合計は144.9時間で平年比108%と、月全体としては十分な日照時間でした。しかし、下旬は前線や台風の影響で曇りや雨の日が増え23.7時間と平年の60%程度でした。(参考:甲府地方気象台、9月の山梨県の気象・地震概況)

2008年10月23日|個別ページ

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芝の芽が出た!

ブドウ畑も秋の気配が漂い始めました。ただ、ブドウ樹の方は来年に向けた養分の蓄積時期と言われ、目にこそつきませんが、越冬準備に忙しくしているようです。

そんな中、先日種をまいた芝生(ケンタッキーブルーグラス)の芽が出てきました。

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よく見るとたくさん出ています!!

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全体を見渡すと、雑草もちらほら。草取りなど、シーズンオフに入っても結構、仕事があるものですね。紅葉に向かう時期に、緑色の芽がコントラストをなしそうです。

2008年10月21日|個別ページ

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種をまく人

山梨県が誇るミレー・コレクションの「種をまく人」(県立美術館所蔵)にあやかってタイトル付けしました。4日に全体作業があり、芝生(ケンタッキーブルーグラス)の種をまきました。トラクターによる耕土、ローラーがけと、早野組様に絶大なご協力をいただきました。ありがとうございました。

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耕土の後、一畝(うね)当たりにまく種を計量しました。

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種と無肥料焼成土をよく混ぜ、準備完了。

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文字通り「種をまく人」です。

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その後、畝間をローラーが何度も往復。乗車タイプではないので、この作業は重労働です。

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地面はきれいにフラットになりました。あとは無事に芽吹くことを祈るだけです!

ところで、「今年のブドウはどうなったの?」と聞かれることもありますので、この場を借りてご報告です。今年、実を付けた木は全体の3割ほど、房の大きさも通常の5分の1程度でした。ベレーゾン以降、ほとんどが鳥のえさになってしまったとみられます。この日の作業まで残っている果実はなく、今年の収穫はありません。木の負担軽減のためには良かったかもと、ポジティブにとらえて来期につなげたいと思います。

2008年10月07日|個別ページ

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甲州種ワインの仕込み

甲州市勝沼町で、日本古来の品種で山梨特産の甲州種ブドウを使ったワインの仕込みが始まっています。丸藤葡萄酒工業(株)の作業を見学させていただきました。

20081002_1この日はワイナリーに集まった約9トンのブドウを仕込みます。
同社の代表銘柄である「甲州シュールリー」などになります。

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果梗を取り除く(除梗)前に、ベルトコンベアの上でオーナーの大村春夫さんが厳しいチェックで選果。未熟果などを手際よくはじいていきます。

20081002_4ブドウの圧搾が進む一方で、機械のわきには取り除かれた梗が山積みされていきます。

20081002_5圧搾機は、2006年の仕込みから、やわらかい果汁が得られる風船タイプのスッター(スイス製)だけを使っているそうです。果汁はその後、デブルバージュ(不純物の沈殿)させ、上澄み部分の果汁に酵母を加えて発酵が始まります。

20081002_606年からは、これまでの軽く圧搾した「フリーラン果汁」だけでなく、強く搾った「プレス果汁」も少量戻すという新たな試みを始めています。果皮の部分にあるうまみを加える狙いがあり、より厚みのある辛口ワインを追い求めているとのことです。

2008年10月02日|個別ページ

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8月の天候

気象予報士でヴィニュロンズクラブメンバーの保坂悟さんの協力で、先月の天候をまとめました(写真は8月31日)。

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8月は蒸し暑さ、不安定な天気、短時間大雨、雷がキーワードとなった1カ月でした。前半は太平洋高気圧に覆われて晴れて暑くなりましたが、前線の通過や南からの湿った空気、上空の寒気の影響で大気が不安定となり雷雨が多発しました。特に4日から7日にかけて県内の広い地域で雷を伴う激しい雨となりました。下旬になると、オホーツク海高気圧や寒気の南下によって曇りや雨の日が多く、天気がぐずつき気温も上中旬とは一転して低下しました。雷日数は10日に上り、平年の3.8日に比べ3倍近い多さとなりました。落雷により県内ほぼ全域に及ぶ停電もおきました。(以下はブドウ畑に近い甲府の観測データを基にまとめてあります)

気 温
平均気温は上旬で27.6度と平年より1.0度高く、中旬も27.9度と平年を1.5度上回りさらに暑さが厳しくなりました。下旬は一転して23.8度と平年を2.0度も下回り、気温はかなり低くなりました。月平均では26.3度とほぼ平年並み(平年比0.1度高)でした。上中旬と下旬の気温の変化がとても大きかったのが特徴です。日最高気温は月平均では32.3度と平年を0.3度上回っただけでしたが、上旬は35.1度、中旬も34.1度とかなり暑い日が続きました。一方、日最低気温の月平均は22.8度と平年に比べて0.4度高い程度でしたが、上旬は23.8度、中旬は24.1度と夜間の気温も高い傾向でした。最高気温35度以上の猛暑日は平年のほぼ2倍となる7日を数え、同30度以上の真夏日も25日ありました。夜間の気温が25度を下回らない熱帯夜は8日あり、寝苦しい日が多くありました。

降水量
一日のうちで雨がまったく降らなかった日は10日しかなく、特に下旬は26日を除き連日、雨を記録しました。期間を通じての降水量は平年の110%にあたる159.5ミリとなりましたが、その7割以上は下旬に集中してふりました。25日と30、31日はまとまった雨となりました。

日照時間
月合計は187.2時間で平年比99%と、ほぼ平年並みの日照となりました。しかし、上旬が72.3時間、中旬が77.7時間と平年を上回る日照だったのに対して、下旬は37.2時間と平年の半分近くまで少なくなり、それまでと一転しての日照不足となりました。(参考:甲府地方気象台、8月の山梨県の気象・地震概況)

2008年09月19日|個別ページ

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メルシャンの「城の平」畑

先日、メルシャン勝沼ワイナリーの斎藤浩工場長の案内で、同社の「城の平農場」(甲州市勝沼町)を見学してきました。仏ボルドー系の赤ワイン用品種カベルネ・ソーヴィニヨン(CS)を産する畑として知られていますが、メルローなどの栽培にも取り組んでいます。

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たわわに実ったメルロー。標高は580メートル。9月中・下旬での収穫を予定していて、収量は10アール当たり500キロ程度だと言うことです。

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垣根造りはギュヨー方式(シングル)が大半を占め、1新梢1房が基本だそうです。

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ブドウの成熟度を見分ける方法を教わりました。枝と房の結合部に注目して見ると、写真左は木質化していますが、右は緑色のまま。木質化している方がブドウの成熟が進んでいるとのことです。

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写真のようにまだ青さが残る種ですが、成熟が進むと褐色に変わっていくそうです。

同じくボルドー系赤品種のカベルネ・フラン(CF)。今年が初収穫だそうです。

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葉の形から、CSとCFの見分け方も教わりました。

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葉のギザギザがノコギリの歯のような上の方がCF。その下のCSの葉は同じギザギザでも、やや丸みを帯びているのが特徴とのことでした。

2008年09月12日|個別ページ

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ラインガウ甲州2007

日本固有の品種である甲州種ブドウが、ドイツの中でもワインの有力産地ラインガウで栽培されています。収穫3年目の2007年ヴィンテージを試飲する機会がありました。

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このほど、甲府市桜井町のレストラン・ボルドーで開かれた「ラインガウ甲州ワインの夕べ」に参加しました。「ラインガウ甲州」の06年、07年の比較がメーンです。

ワイナリー関係者も多く参加していましたが、そのコメントからは07年の人気が高く、個人的にも同様に思いました。07年はバランスのとれた「辛口」ですが、トロピカルフルーツなど06年よりも際だった香りや、完熟したブドウの味わいなどに特徴があるように感じました。

醸造元ショーンレーバーさんも「過去最高の出来栄え」とコメントしています。

07年の収穫は、例年よりも2週間遅い11月16日(気温は朝マイナス5度、収穫時0度)。収穫ブドウの糖度はブリックスで21.5度ということです。

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2007年1月、ドイツ・ラインガウに取材に行った時の写真です。甲州種ブドウの畑は、ライン川を望む傾斜地の特級畑の一画にあり、いわゆる“VIP待遇”です。

2008年09月11日|個別ページ

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芝張りの準備

6日に全体作業がありました。
畝(うね)間に芝生を張ることになり、そのための準備に追われました。

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除草剤をまくことができない木の下は手作業で、念入りに草刈りをしました。

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この間、成長の遅い木は誘引、樹勢の強い木は摘心など、垣根を整えました。
畑にいると、雑草の伸びるピークが過ぎるなど、どことなく秋の気配を感じます。

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仕上げに細心の注意を払いながら、畝間に除草剤を散布しました。
芝のケンタッキーブルーグラスを植える予定です。これで来夏は草刈り作業が少しは軽減できるといいのですが…

ケンタッキーブルーグラスというと、昨年、ワインの取材で訪れた北海道を思い出します。

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写真は2007年8月、余市町。全国でも数少ない醸造用ブドウ栽培の専業農家の畑です。きれいに手の行き届いた芝が印象的でした。

2008年09月10日|個別ページ

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身を隠すようにひっそりと

8月下旬にしとしと雨が続きました。べと病が懸念されるため、晴れ間をぬって青空の広がった30日に急きょボルドー液を散布しました。

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ブドウの生育を楽しみに畑に行ってみると…

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なんと、茎の先にあるはずの果粒がありません。
作業をしていた中村一政専務(山梨放送)と腕組みをしながら、無残に残った梗だけの部分を見つめました。「きれいに鳥にやられたな」と中村専務。2人で深いため息をつきました。

今年は収穫する予定はないのですが、畑の大半が被害に遭っていました。来年からはベレーゾン以降、何らかの手だてを講じる必要がありそうです。

そんな中、ひっそりと隠れるように成熟しているブドウを見つけました。

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先日の除葉を免れて、葉に隠れていたため、鳥も気が付かなかったのかもしれません。

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葉を持ち上げてみると、色味がぐんと増しています。
メルローですから、本来はここからまだ約1カ月間、成熟を続けての収穫になります。ワイナリーや農家のみなさんにとっては、緊張の続くますます多忙なシーズンです。そのうちこのクラブもそうなるのでしょう。

2008年09月02日|個別ページ

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“事件”

それは17日の畑作業時に起きました。以下は、先の記事で触れました“事件”の経緯です。

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はじまりは、1本の枯死したブドウ樹でした。

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その日の参加メンバーが怪訝な顔で、木の周りに集まりました。よく見ると、幹の根元に小さな穴を発見しました。木を引き抜いての原因究明が始まりました。

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幹を切り刻んだところ、害虫被害が明らかになりました。それも警戒していたはずのコウモリガの幼虫でした。一様に大きなショックを受けました。すかさず根元の一斉点検です。

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残念なことに、さらに他の1本に被害の兆候が見られました。食入口が糞(ふん)で覆われるのが特徴のようで、この木には応急処置を施しました。

マンズワインの中山さんからは後日、「被害が少ないときは穴に針金を差し込んで防除する」などのアドバイスがありました。

木を枯らしてしまうほどの被害ですから気になって、県内ワイナリーの栽培担当者らに話を聞いてみたところ、幼木は狙われやすいとのことでした。聞いた範囲では、どこでも被害の経験があるようです。「コウモリガは6月ごろ、空爆のように卵をまき散らす」というので、やはり対策としては幼虫が伝わりやすい根元周辺の草をこまめに取り除くことが大切だということでした。

それにしても、害虫の怖さを思い知らされた出来事でした。

2008年08月28日|個別ページ

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