オフフレーバー
山梨県ワイン酒造組合の「若手醸造家・農家研究会」(武井千周代表)がこのほど山梨大甲府キャンパスで開いた、ワインの官能評価勉強会に参加しました。
テーマは「ワイン中のオフフレーバー(異臭・異味)」。甲州市勝沼町のワイナリー、中央葡萄酒の三沢彩奈さんが講師を務めました。
オフフレーバーの原因別に種類が分類され、大変分かりやすい講義でした。9種類の水溶液を実際に使って、においをかぎ分ける実習もありました。
以下、オフフレーバーを紹介します。
▽ブドウの熟度不足
・ヘキサナール(ハーブ、野菜臭)
・メトキシピラジン(ピーマン臭)
▽微生物汚染・醸造管理
・酢酸(お酢)
・酢酸エチル(セメダイン)
・アルデヒド(青リンゴ様)
・ジオスミン(カビ、土臭)
・TCA(コルク、カビ臭=※ブショネ)
▽揮発性硫黄化合物(原因:残留農薬、SO2、窒素・酸素不足)
・メチオノール(キャベツ、カリフラワー臭)
・エタンチオール(タマネギ、ニンニク臭)
三沢さんは「メトキシピラジンは畑での努力でなくしていけるにおい」「TCAは不衛生だと増え、醸造家のモラルの問題」「醸造家がオフフレーバーを認識するのは大事だが、目的ではない」と解説。武井代表は「においの苦手な分野を知るのは大切」と話していました。
※ブショネ コルク製造時に漂白に使われる塩素がもとでトリクロロフェノールが作られ、この物質がカビと結合すると、トリクロロアニソール(TCA)が発生する。コルクのカビのようなにおいがワインにも伝染し、味わいにも影響する
(2009年02月03日更新)