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圃場データ

標高
350メートル
栽培
ヴィニュロンズクラブ
栽培品種 メルロー(約900本)
栽培面積
17アール
台木
5BB、3309、101-14
植樹
2008年3月22日
栽培品種 シャルドネ(約900本)
栽培面積
20アール
台木
101-14
クローン
95番、96番、277番
植樹
2012年6月16日
栽培品種  シャルドネ(約490本)
栽培面積
17アール
台木
101-14
植樹
2013年3月31日

ブログ担当 プロフィール

古畑昌利
山日YBSグループ勤務。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート・エクセレンス、SAKE DIPLOMA。米国ワインエデュケーター協会認定ワインスペシャリスト(CSW)

植物は正直?

畑を回ってみて気が付くのは、北側の木が目立って成長著しいことです。

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撮影は、7月5日。同じ時期に苗木を植えましたが、片方は2メートル近く、もう片方は50センチ程度です。木の特性の違いもあるかもしれませんが、北側はかつて野菜畑だった場所とのことで、まだ肥料が効いているのかもしれません。草むらだった場所の方がゆっくり育っていることを考えると、植物は正直と言えそうです。

生食用と違い、醸造用ブドウの木は成長が良すぎるのも考え物。徒長すると管理が大変ですし、マンズワイン・武井さんは「(配合肥料に含まれている)窒素が多いと着色に好ましくない」と指摘していました。着色は赤ワインにとって、重要な要素です。

さて、7月5日は全体作業の日でした。

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引き続き、誘引と草刈りに汗を流しました。気温が高くなるにつれ、体力消耗も早く、これからは暑さとも戦わなければなりません。

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台木から芽が出ていたので、取り除きました。
台木は2種類使っていますが、木の場所からリパリア種とベルランディエリ種(いずれもアメリカ系)の交配種「5BB」の葉と茎と考えられます。穂木であるメルローはヴィニフェラ種(ヨーロッパ系)。まったく違う雰囲気があります。

2008年07月09日|個別ページ

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雨よけあれこれ

サントリー登美の丘ワイナリー(甲斐市)のブドウ園を6月半ばに見学する機会がありました。

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見晴台(標高600メートル)から撮影しました。もしかしたら、双葉農場も写っているかもしれません。

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登美の丘での雨よけ対策を紹介したいと思います。ビニールを2.3メートルの高さに張ってトンネルをつくっているのが特徴です。葉や房に雨がかからないようにして、雨が原因で感染、伝播する病気に効果があります。

栽培技師長の渡辺直樹さんによると、この高さのメリットは(1)摘心などの機械化作業に適している(2)木の成長点(最上部)の温度が上がらず、ビニール下部の葉が焼けない―とのことです。ただ「トンネルが高いため、横殴りの雨にはどうしても弱い傾向がある」とも。

2005年から始め、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティヴェルドの赤ワイン用ブドウ3品種で取り組んでいるとの説明でした。

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この畑は下草を生やしたままの草生栽培。土から垣根の第1ワイヤーまでが通常よりも高い1メートルあります。渡辺さんは「作業の効率性と風通しの良さを確保している」と話していました。

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フランスの国家資格「エノログ(ワイン醸造士)」を持つ渡辺さんの解説で、サントリーが長野で契約栽培しているメルローをテイスティングする機会もありました。面白かったのが、桔梗ケ原地区と松本今井地区の単一畑のメルローの比較。前者がスパイシー、後者は黒い果実の香りと、同じメルローでも地域で違いがあるのが分かります。

2008年07月03日|個別ページ

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べと発生

前回作業から数日後、マンズワインの武井さんに急ぎ足で畑をみてもらいました。

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ごく短時間ですが、畑の隅々までチェック(注:写真右の左半分は隣の畑です)。武井さんは「全体的に順調に育っています」とのことでしたが…

1本の木から、先のブログでも配信しました「べと病」を発見しました。

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写真は、同じ葉の表と裏です。見つかったのは今のところ、この1カ所のみ。武井さんからは「全体的な広がりは見られず、散布したばかりの殺菌剤も効いているから大丈夫でしょう」とアドバイスがありました。

「醸造用ぶどう栽培指針」(醸造用ぶどう技術情報交換会)によると、べと病が感染する適温は22度前後。5月ごろから見られ真夏には一時止まるが、8月後半から再発するとのこと。条件では、適度に雨が降り、低温で推移すると発生しやすいそうです。

高湿度が続く時期、油断大敵を実感です!

2008年07月02日|個別ページ

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小さな果粒

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花が咲き終わり、果粒をつくり始めました。1年目の木なのでそう多くはありませんが、果粒がつくとさすがブドウの木らしくなってきました。

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6月28日に作業がありました。

今回は、べと病(※)対策として殺菌剤を散布しました。それ以外は、誘引と草刈りです。ただひたすら同じ作業の繰り返し。特に草の刈り取りは、トラクターが入ることのできない根元は手作業となります。半日だけでも、結構な運動になりました。


※べと病 カビ病の一種。葉や房に斑点が現れ、やがてカビが発生する。

2008年07月01日|個別ページ

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5月の天候

気象予報士でヴィニュロンズクラブメンバーの保坂悟さんの協力で、先月の天候をまとめました(写真は6月14日)。

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数日の周期で低気圧が日本付近を通過し、天気は数日の周期で変わり、梅雨の走りのような天候となりました。月間の平均気温は平年並みでしたが、上旬末から中旬と下旬後半に強い寒気が南下するなど、気温の変動が大きかったのが特徴です。31日のうち半分以上の18日で雨が観測される(甲府)など降水量は平年よりかなり多く、日照時間はほとんどの地域で平年を下回りました。(以下はブドウ畑に近い甲府の観測データを基にまとめてあります)

平均気温
上旬は18.6度と平年を1.8度も上回る暖かさでしたが、中旬は季節外れの強い寒気が南下し、16.3度と平年を1.5度も下回り、上旬より冷え込みました。下旬は19.5度(平年比0.3度高)とほぼ平年並みでした。寒暖差が大きかったのですが、月平均では18.1度と平年比0.1度高とほぼ平年並みとなりました。日最高気温は23日に30.7度と今年初の真夏日を記録。夏日(最高気温25度以上30度未満)は14日を数えました。

降水量
期間を通じて平年を上回る降水量となり、月間では138.0ミリ、平年比177%とかなり多く雨が降りました。特に中旬は平年の2倍以上となる67ミリ(同233%)を観測。20日は41ミリのまとまった雨となりました。5回あった土曜日すべてに雨が観測されるなど、週末に天気が崩れる周期となりました。

日照時間
上旬は54.2時間(平年比82%)、中旬は50.3時間(同82%)、下旬は66.4時間(同90%)で、月間では170.9時間(同85%)と、曇りや雨の天気が多かったこともあり、期間を通じて日照時間は少なくなりました。日照時間が10時間を超えた「気持ちよく晴れた一日」は8日しかありませんでした。
(参考:甲府地方気象台、5月の山梨県の気象・地震概況)

2008年06月18日|個別ページ

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農繁期

開花が始まり、1年の中でも特に忙しい時期に入ってきました。農繁期というと農家やワイナリーのみなさんに怒られてしまうかもしれませんが、限られた時間で効率よく作業をするには密度が濃いという理解をしていただけると幸いです。14日に全体の作業がありました。

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ブドウにもいろいろな病気や害虫が発生します。この日は殺菌剤、殺虫剤を散布しました。

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防除の上で木の周りの環境をきれいにすることが大切という考えから、下草刈りもしました。この時期は草が伸びるのが早く、結構大変です。

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ブドウの木もどんどん生長します。伸びる新梢をワイヤに誘引して結びつけるのも、この日のメーンの作業です。誘引器も大活躍でした。

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中には170センチ近い木もありました。それにしても、木によって、結構成長が違うものですね。

2008年06月17日|個別ページ

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初夏の瓶詰め

山梨県と言えば、甲州種ワイン。貴重な日本のオリジナル品種で、ワイン用に適した「ヴィテス・ヴィニフェラ」種に属します。甲州種ワインのトピックスも折に触れて、取り上げていきたいと思います。

県内のワイナリーの多くがこの時期、シュルリー(※)製法で造った甲州種ワインの瓶詰め作業に追われます。初夏、シュルリーのワインが新たに店頭に並び始めます。そんな中、勝沼醸造(甲州市勝沼町)が地区別に仕込んだシュルリーの2007年産甲州種ワインをテイスティングする機会がありました。

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テイスティングしたのは、勝沼町の金山、勝沼、東雲、上岩崎、藤井と、同市大和町の横手の計6地区のワイン(いずれもシュルリー)。上岩崎は花や洋ナシの香り、藤井はグループフルーツや桃の香りなど、それぞれ微妙に異なる特徴がありますが、同社の中核銘柄「アルガブランカ クラレーザ」はそれらのワインをブレンドして造ります。

最後に、6地区のうちのいくつかを使った07年産のクラレーザ(10日発売)も試飲しましたが、ブレンドによってさらにワインが引き立ちます。聞けば、07年産はソムリエの田崎真也さんもブレンドにかかわったそうです。これまでの同社のワインのイメージとは違うと思う人も多いのではないでしょうか。


※シュルリー 発酵が終わってもオリ引きせず、ひと冬ワインとオリを接触させて瓶詰めする方法。白ワインのフレッシュさを保ち、うま味成分を添加する狙いがある。

2008年06月09日|個別ページ

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メルローの花

双葉農場に最も近いワイナリー、サントリー登美の丘ワイナリーでメルローの花が咲き始めていると聞き、梅雨の合間に晴れ渡った6日、ヴィンヤードをのぞいてみました。

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歩いてみると、つぼみをつけた木の中に小さな花を咲かせたものを見つけました。1年目ですから、つぼみをつけていない木もありますが、やはり白い花を見ることができたのはうれしいものです。夢中で写真を撮りました。

開花は「フロレゾン」。畑一面に花が咲き、6月の風に乗ってよい香りを放つ。そんな花見が楽しめるよう、さらに頑張っていきたいと思います。

2008年06月06日|個別ページ

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4月の天候

テロワール(土地固有の個性)を構成する重要な要素である気候。気象予報士でヴィニュロンズクラブメンバーの保坂悟さんの協力で、ヴィンヤードにかかわる情報を記録していきたいと思います(写真は5月24日)。

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【4月の天候】
低気圧や前線が日本の南海上を通過することが多く、県内も天気は周期的に変化した。月初めと下旬は青空が広がる日も多かったが、中旬は曇りや雨の日が目立った。全体的には、気温は高めで降水量も多かったのに加え、日照時間も平年並みにあった。

平均気温
ブドウ畑に最も近い甲府の観測データを項目別に旬ごとにみると、上旬こそ11.3度と平年を0.2度下回ったものの、中旬14.7度(1.2度高)、下旬16.6度(1.0度高)と、ともに平年を1度以上も上回る暖かさ。月平均では14.2度と平年より0.7度高かった。日最高気温は30日に28.8度を記録。夏日はこの日を含め4日を数えた。

降水量
上旬が79.5ミリで平年比239%とかなり多く、中旬も52.0ミリで平年比193%と多かった。しかし、下旬は7.0ミリ、31%と一転して少なくなった。月合計では138.5ミリ、同168%とかなり多かった。10ミリを超すまとまった雨となった日が7日、8日、10日、17日、18日と、5日あった。特に8日には24時間雨量で57.0ミリを記録。4月としては観測史上2番目に多い、まとまった雨となった。

日照時間
上旬73.4時間、平年比120%と多く、中旬44.5時間、同68%と減少。しかし下旬は85.1時間、同128%と持ち直した。月合計では203.0時間、同105%と平年並みだった。

2008年05月27日|個別ページ

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雨の降る前に

24日、久々の全体作業です。この日は午後から雨の予報。午前8時に集合し、作業は急ピッチで行われました。

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先日、マンズワインの中山さんから受けた指導を踏まえ、切り戻し、芽かき、誘引を行いました。

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トラクターやくわなどを使い、下草の刈り込みも行いました。
午前中は晴れ間も出て、順調に作業が進みました。

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途中、マンズの武井さんから直接、指導をいただきました。芽かきで取り残した芽の除去など、細かいチェックが入りました。

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少し見ないうちに、花穂もこんなに大きくなっている木がありました。

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植樹間もなくは「おませさん」と言われ、畑の中でも際立った存在の基準木でしたが、最近は周りの木が追いついてきて「目立たなくなってきた」との声がありました。

2008年05月26日|個別ページ

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