初夏の瓶詰め
山梨県と言えば、甲州種ワイン。貴重な日本のオリジナル品種で、ワイン用に適した「ヴィテス・ヴィニフェラ」種に属します。甲州種ワインのトピックスも折に触れて、取り上げていきたいと思います。
県内のワイナリーの多くがこの時期、シュルリー(※)製法で造った甲州種ワインの瓶詰め作業に追われます。初夏、シュルリーのワインが新たに店頭に並び始めます。そんな中、勝沼醸造(甲州市勝沼町)が地区別に仕込んだシュルリーの2007年産甲州種ワインをテイスティングする機会がありました。
テイスティングしたのは、勝沼町の金山、勝沼、東雲、上岩崎、藤井と、同市大和町の横手の計6地区のワイン(いずれもシュルリー)。上岩崎は花や洋ナシの香り、藤井はグループフルーツや桃の香りなど、それぞれ微妙に異なる特徴がありますが、同社の中核銘柄「アルガブランカ クラレーザ」はそれらのワインをブレンドして造ります。
最後に、6地区のうちのいくつかを使った07年産のクラレーザ(10日発売)も試飲しましたが、ブレンドによってさらにワインが引き立ちます。聞けば、07年産はソムリエの田崎真也さんもブレンドにかかわったそうです。これまでの同社のワインのイメージとは違うと思う人も多いのではないでしょうか。
※シュルリー 発酵が終わってもオリ引きせず、ひと冬ワインとオリを接触させて瓶詰めする方法。白ワインのフレッシュさを保ち、うま味成分を添加する狙いがある。
(2008年06月09日更新)