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南アルプス市は、山梨日日新聞社とタイアップして「南アルプス市ふるさとメール」を発信しています。ふるさとの最新情報や観光情報、山梨日日新聞に掲載された市に関係する記事などをサイトに掲載し、さらに会員登録者にはダイジェスト版メールもお届けします。お楽しみください!

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プロフィール

 山梨県の西側、南アルプス山麓に位置する八田村、白根町、芦安村、若草町、櫛形町、甲西町の4町2村が、2003(平成15)年4月1日に合併して南アルプス市となりました。市の名前の由来となった南アルプスは、日本第2位の高峰である北岳をはじめ、間ノ岳、農鳥岳、仙丈ケ岳、鳳凰三山、甲斐駒ケ岳など3000メートル級の山々が連ります。そのふもとをながれる御勅使川、滝沢川、坪川の3つの水系沿いに市街地が広がっています。サクランボ、桃、スモモ、ぶどう、なし、柿、キウイフルーツ、リンゴといった果樹栽培など、これまでこの地に根づいてきた豊かな風土は、そのまま南アルプス市を印象づけるもうひとつの顔となっています。

お知らせ

 南アルプス市ふるさとメールは、2023年3月末をもって配信を終了しました。今後は、南アルプス市ホームページやLINEなどで、最新情報や観光情報などを随時発信していきます。

【連載 今、南アルプスが面白い】

近代和風建築に命を吹き込む(2) ~デイサービスセンタースマイル~

 前回のふるさとメールでは、保存活用されている近代和風建築の一例として白根桃源美術館をご紹介しました。今回も引き続き、市内の保存活用されている近代和風建築をご紹介したいと思います。
 南アルプス市沢登地区。甲西バイパスを折れて進むと、それまでの喧騒(けんそう)から逃れ、静かでのどかな雰囲気が広がる中に、広い庭や蔵を持つ古民家を利用し運営しているスマイルデイサービスセンターがあります。

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【写真】スマイルデイサービスセンター

 この古民家は、大正から昭和初期頃に建てられたといわれる、旧豊村第18・19代村長を務めた斉藤松兵衛氏の住居でした。昭和40年頃に斉藤松兵衛氏のご家族が東京へ転居して以降は、時折短期間の仮住まいとして使われた以外は無人の状態が長かったようで、青森から出稼ぎに来ていた人の住居として使われていたこともあったそうです。現在は流し台のある台所や浴室も設置されており、時代の流れに即して一部改装していると考えられます。
 スマイルデイサービスセンターを開設するにあたり、桔梗信玄餅で知られる「ききょうや」のテレビCMのような、昔懐かしい家庭的なイメージの古民家を探していたところ、こちらを紹介されたとのことです。
 所有者の方からは、手を加えず現状を維持して利用して欲しいという要望があり、バリアフリーにするなどの改装は一切していないそうです。室内を見学させてもらった限りでは特別大きい段差はありませんでしたが、足腰が弱い利用者の方にとっては負担になる可能性もあり、利用するにあたってマイナスになるのではないかと少し心配しましたが、センターによれば、職員が利用者の方に介助などで関わることで良好なコミュニケーションが図れ、多少の段差があることで心身ともに注意して動き、それが足腰のトレーニングにもなるとのことでした。土間へ下りて浴室に行く際には、段差が大きいため、車椅子の人でも通れるような手作りのスロープを取り付けて利用者の安全を図る工夫をしています。

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【写真左】大戸の残る出入口、【写真中】室内の様子、【写真右】浴室へ移動するためのスロープ

 また、土間を上がった場所にある階段を上ると、屋根裏部屋といった感じの2階部分が広がります。現在は倉庫や洗濯物を干す場所として使っているそうですが、昔は養蚕で使っていたと聞いたことがあると、職員の方から伺いました。

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【写真】2階部分へ続く階段

 古民家を活用することによって、利用者の方が昔を懐かしみ、若かりし頃を思い出す回想法をとり入れており、核家族化が進んだ現代には少なくなった大家族的な雰囲気は、利用者の方から好評を得ているそうです。
 すべてを昔のままに守り伝えていくのは、現在の状況から難しい面もありますが、それらに新たな命を吹き込むのは、やはり今現在を生きる人々の思いなのだと、今回のふるさとメール作成を通して感じました。今後も多くの人々の思いに寄り添いながら保存活用されていくよう願わずにいられません。
 

【南アルプス市教育委員会文化財課】

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