南アルプス市荊沢地区の住民グループ「駿信往還 荊沢宿の会」(仙洞田誠会長)は、同地区に伝わってきた藍染めを再現する取り組みを行っている。藍の葉の栽培から始め、葉を発酵させる染料作りにも挑戦。8月25日には深い紺色を出す「本藍染め」の体験会も開き、藍染めの一連の流れを自分たちの手で行うことに成功した。
同会は2018年5月に住民ら8人で結成し、月に1回、コミュニティースペース「くらんく」で地域の歴史や文化などの勉強会を開いてきた。同地区にはかつて染料を作る「藍屋」があり、藍染めをする「紺屋」と取引していたことを踏まえ、地域活性化の一環で藍染めの再現を企画した。
昨年4月から地区内の約150ヘクタールの畑で藍の栽培をスタート。「本藍染め」にも挑戦し、藍の葉を乾燥させた後、昨年10月から約2カ月間発酵させて染料の基となる「すくも」を作った。すくもを保存・流通させるための「藍玉」も作った。
今年8月25日には本藍染めの体験会を開催し、会員ら約20人が参加。すくもから1週間かけて作った染料を使い、綿のハンカチを深みのある紺色に染めていった。
(写真)本藍染めで紺色に染まったハンカチ=南アルプス市荊沢
【山梨日日新聞 9月2日掲載】