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 山梨県の西側、南アルプス山麓に位置する八田村、白根町、芦安村、若草町、櫛形町、甲西町の4町2村が、2003(平成15)年4月1日に合併して南アルプス市となりました。市の名前の由来となった南アルプスは、日本第2位の高峰である北岳をはじめ、間ノ岳、農鳥岳、仙丈ケ岳、鳳凰三山、甲斐駒ケ岳など3000メートル級の山々が連ります。そのふもとをながれる御勅使川、滝沢川、坪川の3つの水系沿いに市街地が広がっています。サクランボ、桃、スモモ、ぶどう、なし、柿、キウイフルーツ、リンゴといった果樹栽培など、これまでこの地に根づいてきた豊かな風土は、そのまま南アルプス市を印象づけるもうひとつの顔となっています。

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【連載 今、南アルプスが面白い】

橋は世につれ世は橋につれ(4)

郷土の英雄の名を冠した「信玄橋」

 山と川に画された南アルプス市と外の世界をつなぐ橋たち。今回ご紹介するのは甲府から国道52号線(美術館通り)を経て、南アルプスのやまやまへつなぐ県道20号甲斐・芦安線に架けられた「信玄橋」です。

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【写真】現在の信玄橋

 この場所も、近代に至るまでは渡し船や仮橋によって結ばれており、釜無川左岸の竜王村と右岸の下高砂村を結ぶことから「高砂渡し(たかすなわたし)」と呼ばれてきました。この渡し場については、今も当時の料金表や人々を乗せて運んだ「釣台」が残されていて、「南アルプス市ふるさと文化伝承館」ホームページはこちらから)で見ることができます。

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【写真】高砂渡しの仮橋と渡し船 大正10年(1921)頃

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【写真】橋梁渡船賃銭表と釣台 南アルプス市ふるさと文化伝承館
 
 賃銭表は高砂渡しの料金を示す高札。橋梁と渡し船の部に分かれ、渡し船料金は釜無川の水量の増減によって4段階の料金が設定された。大正7年(1918)。
 この釣台は高砂渡しで使用されたもの。前後に2本の坊を通して担ぎ、人を乗せて歩いて川を渡った。明治30年(1897)制作。

 信玄橋の架橋は、明治31年(1898)に締め切られた前御勅使川の旧河道敷の払い下げが昭和の初め頃から始まり、後の県道甲斐・芦安線となる「四間道路(しけんどうろ)」が昭和5年(1930)に整備されたことに連動しています。

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【写真】信玄橋西詰から400mほど西にある「四間道路」の道標 昭和4年(1939)

 昭和7年(1932)に竣工した初代信玄橋は、はじめからコンクリート製永久橋として計画され、総長455.5m、有効幅員5.45m。総工費約12万円のうち、5万円を当地にゆかりの国会議員穴水要七が拠出しています。また、後に取り外されましたが、建築当初は写真にあるとおり親柱頭部に橋灯が灯り、夜間に通行する人々をあたたかく照らしました。

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【写真】昭和7年竣工の初代信玄橋

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【写真】同竣工記念式

 橋の名称は、郷土の英雄武田信玄にあやかったのか、対岸の信玄堤にちなむのか、定かではありませんが、現在の信玄橋には、武田信玄にまつわる意匠をそこかしこにみることができます。また、昭和7年竣工の旧信玄橋の欄干の鉄格子も竣工当時(戦時中に供出されコンクリート製に代わる前)は武田菱が描かれており、当時から「信玄」を強く意識したデザインであったことがわかります。

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【写真左】現在の信玄橋 武将をモチーフにしたレリーフなどがつけられる
【写真右】現在の信玄橋 両側の歩道にも武田菱(武田家の家紋)が!

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【写真】昭和7年竣工の信玄橋(写真・同竣工記念式の一部) 欄干の格子が武田菱となっている

 その後、橋は昭和41年(1966)の台風4号によって、橋脚2桁が沈下し通行不能となるなどしましたが修復され、旧信玄橋は平成4年(1992)、2代目となる現在の橋の竣工をみるまで使われました。そして信玄橋は、現在でも日々の通勤・通学や物流、ひいては、市の主要な観光資源である南アルプス登山への玄関口として、その重要性が増しています。

 なお、昭和7年竣工の旧信玄橋の親柱は県道甲斐・芦安線沿いの八田児童館の敷地内に移されており、自由に見学できるようになっています。

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【写真】旧信玄橋の親柱


 

【南アルプス市教育委員会文化財課】

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