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プロフィール

 山梨県の西側、南アルプス山麓に位置する八田村、白根町、芦安村、若草町、櫛形町、甲西町の4町2村が、2003(平成15)年4月1日に合併して南アルプス市となりました。市の名前の由来となった南アルプスは、日本第2位の高峰である北岳をはじめ、間ノ岳、農鳥岳、仙丈ケ岳、鳳凰三山、甲斐駒ケ岳など3000メートル級の山々が連ります。そのふもとをながれる御勅使川、滝沢川、坪川の3つの水系沿いに市街地が広がっています。サクランボ、桃、スモモ、ぶどう、なし、柿、キウイフルーツ、リンゴといった果樹栽培など、これまでこの地に根づいてきた豊かな風土は、そのまま南アルプス市を印象づけるもうひとつの顔となっています。

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【連載 今、南アルプスが面白い】

「根方」の魅力①~その物語を始める前に~

本連載も2011年のスタートです。
これまで以上に南アルプス市の魅力を、思いをこめて楽しく紹介していけるよう精進していきたいと思います。本年もよろしくお付き合いのほど、お願い申し上げます。

 前回までは主に御勅使川によって造りだされた扇状地や、扇状地で暮らすための知恵、その歩みについて紹介してきました。
 以前にも触れましたが、南アルプス市ではかねてより扇状地一帯のことを別名「原方」と呼んできました。同じように山間部のことを「山方」、山の裾野の一帯を「根方」、氾濫源である水田地帯を「田方」と呼んできました。最近ではこの呼び方があったことさえも忘れられつつあるようですが、南アルプス市周辺地域の地形的な環境の違い、そしてその環境と風土ごとに特徴ある暮らしや文化が育まれてきたことを物語る大切なこの地域特有の呼称だと思います。

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【写真】 南アルプス市の地形区分の概要

 2011年はこれらの中から「根方」に注目し、根方の暮らしやその歩みについて何回かにわたって紹介していきたいと思います。

 「根方」とはその名が示す通り山の根っこの地域を示し、地元ではよく「山つき」と呼んだりもします。地形でいうと山地の裾野一帯や台地、台地の縁辺部と呼ばれる傾斜地などで、山地と低地のちょうど中間の辺りを指します。
 
 根方の中心的な存在が櫛形地域から甲西地域へと広がる市之瀬台地です。市之瀬台地は上市之瀬区の横沢地区にある、かつての櫛形レジャーセンターが建つ辺りを扇の要とみたてると、北は曲輪田地区の大和川によって区切られ、南は秋山地区の秋山川によって区切られるまでの南北4㎞、東は扇状地との境界、比高差約100mもの急な崖や台地斜面部までの東西2.5㎞にも広がり、平面形が扇のような形状をしています。台地の上は標高が500~400mあります。扇状地の標高は市役所のある小笠原付近で標高約290m、台地際の山寺区付近で約320mですからまさに高台といえ、台地の東縁から眺める甲府盆地の景色は絶景です。

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【写真】 市之瀬台地を東南方向から望む

 櫛形山の東斜面を流れる幾筋もの河川は市之瀬台地を削り込みながら低地部へと流れ出ます。幾つもの河川によって運ばれた土砂は台地の裾下に重なるようにたまり、台地の下には扇状地が重なり合いながら造りだされた複合扇状地という地形が形成されます。
 市之瀬台地には北から高室川、塩沢川、深沢川、漆川、市之瀬川、堰野川など東西に流れる幾筋もの河川によって削られることによって深い谷ができ、その谷に挟まれた東西に長い舌状台地が放射状にならんでいます。あたかも指を開いた手のような形といえば分かりやすいでしょうか。

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【写真】 市之瀬台地のイメージ 
幾筋もの舌状台地が指のように並び、甲府盆地にせり出しています。

起伏に富み日当たりも良く、水にも恵まれたこの台地を詳しく見ると色々な足跡に出会うことができて、魅力にあふれた土地であることに気づきます。
 春先、低地から根方一帯を眺めるとサクラやモモ、スモモの花が咲き乱れ、甲府盆地が華やかな色で縁どられる景観に出会えます。特に、妙了寺や伝嗣院などの古刹(こさつ)の桜は見事です。また、遺跡が集中することで、太古から暮らしやすい環境だったことも分かります。この記事が配信される頃にはちょうど小正月の行事が各地で行われると思いますが、根方地域周辺は獅子舞やどんど焼き、道祖神のお飾りなど昔からの伝統が色濃く伝えられている地域だといえます。
以上述べてきたように、南アルプス市の中では昔ながらの「良さ」がしっかり残っているこの「根方」地域、いよいよ次回からはそんな「根方」の魅力を様々な角度から少しずつ紹介していきたいと思います。

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【写真】 どんど焼きの点火とともに道祖神に奉納される下市之瀬の獅子舞

[南アルプス市教育委員会文化財課]

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