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プロフィール

 山梨県の西側、南アルプス山麓に位置する八田村、白根町、芦安村、若草町、櫛形町、甲西町の4町2村が、2003(平成15)年4月1日に合併して南アルプス市となりました。市の名前の由来となった南アルプスは、日本第2位の高峰である北岳をはじめ、間ノ岳、農鳥岳、仙丈ケ岳、鳳凰三山、甲斐駒ケ岳など3000メートル級の山々が連ります。そのふもとをながれる御勅使川、滝沢川、坪川の3つの水系沿いに市街地が広がっています。サクランボ、桃、スモモ、ぶどう、なし、柿、キウイフルーツ、リンゴといった果樹栽培など、これまでこの地に根づいてきた豊かな風土は、そのまま南アルプス市を印象づけるもうひとつの顔となっています。

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2007年3月

【季節の便り】

いよいよ春ですね、でもね

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 いよいよ春ですね。
 胡蝶蘭を栽培し、販売している市内の方からたくさんの胡蝶蘭の切花をいただきました。中元や歳暮といった大きな出荷のピークはありますが、年間を通じ販売しています。南アルプス市はくだものばかりでなく、ハウスでの花卉(かき)栽培もあります。

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 ハウスといえば、市内唯一のハウス苺(イチゴ)はちょっと一息といったところでしょうか。ハウスの外には、ホトケノザのピンク色、スモモの蕾(つぼみ)は膨らみ、花の色がわかるようになりました。
 今年は「冬来たりなば春遠からじ」というような思いで冬を過ごした気がしません。三寒四温ということばも今年の冬にはあまりあてはまらなかったようです。気象の異常は、農家には心配のたねになるようです。

【連載 今、南アルプスが面白い】

竪穴住居址から雁股のヤジリ
武士の時代の芽生え― 平安時代末期

 今回は、雁股(狩股=かりまた)と呼ばれるヤジリに注目したいと思います。雁股は、先が二股に開き、その内側に刃のあるヤジリです。現在でも流鏑馬(やぶさめ)などで使われるので見たことのある人も多いかもしれません。
 もともとは、飛ぶ鳥や走っている獣の足を射切るなど、主として狩猟用に開発されたようですが、後には鏑矢(かぶらや=音の出る矢)につけて、合戦の始まりの第一矢(嚆矢=こうし)や祭祀など特別な用途にも用いられるようになりました。

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鏑矢につけられた雁股のヤジリ

 このヤジリは、発掘調査をしていると、たまに発見されることがあります
 南アルプス市内ではこれまで4件の出土例があります。いずれも11世紀後半から12世紀に用いられたものと考えられます。
 11世紀後半から12世紀といえば平安時代の終わり頃。貴族の時代から武士の時代へ時代が大きく動きつつあったころです。南アルプス市で発見されたヤジリも当時の武士の持ち物だったのかもしれません。

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市内で発見された雁股のヤジリ
(左)寺部村附第6遺跡(若草地区)
(右)一の出し遺跡(櫛形地区)

 この他に、白根大嵐地区の善応寺の裏山から1点経筒と共に発見されています。
 最新の発掘事例では、平成18年秋から平成19年2月にかけて実施されていた、八田地区の野牛島西ノ久保(やごしまにしのくぼ)遺跡において、竪穴住居址の中から1点発見されています。

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野牛島西ノ久保遺跡から発見された竪穴住居址と雁股のヤジリ

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野牛島西ノ久保遺跡

 山梨県内では少なくとも、武士の勃興期まで人々が竪穴住居址に暮らしていたことが確認されています。この住居址が武士の家であったかどうか、発見された雁股のヤジリが、純粋な武器であるか、祭祀の道具であるかはわかりません。しかし、「武士の道具」として定着する雁股のヤジリの発見は、南アルプス市において、続く武士の時代の芽生えを感じさせる遺物ということができます。

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アヤメフェアでの小笠原流流鏑馬

 南アルプス市では、毎年ゴールデンウィーク前後に開催されるアヤメフェアにおいて、当地ゆかりの小笠原流流鏑馬(やぶさめ)を見ることができます。今年は4月30日に開催予定です。みなさまも、疾走する人馬の圧倒的迫力に、武士の駆け抜けた鎌倉時代の息吹を感じてみてはいかがでしょうか?

 

【南アルプス市教育委員会文化財課】