ロッククライミングの名所、南アルプス・北岳の山頂東側のバットレス(大岩壁)で起きた大規模な岩盤崩落で、県警など関係機関は14日、バットレスへの入山中止を呼び掛ける活動を本格化させた。
県警は同日、岩盤崩落による山岳遭難が多発しているとして、ホームページ(HP)で当分の間バットレスへのアタックを中止するよう呼び掛けた。南アルプス署も近日中に広河原などに看板を設置するほか、週末には署員が広河原で登山者に注意を促す。
日本山岳協会はHPで、バットレスへの登山中止を呼び掛ける緊急勧告を出した。南アルプスで山岳救助に当たる大久保基金の会も南アルプス芦安山岳館や広河原山荘などに危険を知らせるチラシを配布した。南アルプス市は落石が確認されている大樺沢ルートの左俣を利用しないように促している。
バットレスでの岩盤崩落は10日に起きたとみられ、少なくとも2万4千立方メートルの岩盤が崩れた。ロッククライミングの人気ルートの一部が消失し、崩落が影響した死亡事故や遭難が発生している。
(写真)北岳バットレスの一部崩壊を知らせるチラシを掲示するスタッフ=南アルプス芦安山岳館
【山梨日日新聞社 10月15日掲載】