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南アルプス市は、山梨日日新聞社とタイアップして「南アルプス市ふるさとメール」を発信しています。ふるさとの最新情報や観光情報、山梨日日新聞に掲載された市に関係する記事などをサイトに掲載し、さらに会員登録者にはダイジェスト版メールもお届けします。お楽しみください!

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プロフィール

 山梨県の西側、南アルプス山麓に位置する八田村、白根町、芦安村、若草町、櫛形町、甲西町の4町2村が、2003(平成15)年4月1日に合併して南アルプス市となりました。市の名前の由来となった南アルプスは、日本第2位の高峰である北岳をはじめ、間ノ岳、農鳥岳、仙丈ケ岳、鳳凰三山、甲斐駒ケ岳など3000メートル級の山々が連ります。そのふもとをながれる御勅使川、滝沢川、坪川の3つの水系沿いに市街地が広がっています。サクランボ、桃、スモモ、ぶどう、なし、柿、キウイフルーツ、リンゴといった果樹栽培など、これまでこの地に根づいてきた豊かな風土は、そのまま南アルプス市を印象づけるもうひとつの顔となっています。

お知らせ

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2023年2月

【山梨県内のニュース】

渓流釣り空前のヒット 全県遊漁券、解禁前に売り切れ

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 山梨県内の主な河川で渓流釣りが解禁される3月1日を前に、年間を通じて県内全域で釣りができる県下共通遊漁承認証(全魚種券)が完売するほど人気となっている。県漁業協同組合連合会(県漁連)によると、発行数十年間でも珍しい現象といい、県漁連には「発行枚数を増やしてほしい」といった要望が殺到。関係者は、新型コロナウイルス禍のアウトドアブームで釣り人が増加したことが背景にあるとみているが、専門団体からは「券を購入せずに釣りをする人や初心者の事故の増加には注意が必要だ」との指摘も出ている。

(写真)県下共通遊漁承認証の売り切れを知らせるポップ。予約開始から2日ほどで売り切れた=昭和町清水新居

【山梨日日新聞 2月26日掲載】

【市役所便り・イベント情報】

十日市だるま、南ア署に寄贈 市商工会

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 南アルプス市商工会は、南アルプス署に「甲州十日市だるま」を寄贈した=写真。
 だるまは高さ約40センチの12号サイズ。署訓の「積極果敢」の文字が書き入れられている。だるまに目を入れ、署の窓口カウンターに設置された。
 13日に新津会長らが署を訪れ、だるまと法善寺での護摩祈祷の様子を収めた写真を石部署長に手渡した。

【山梨日日新聞 2月25日掲載】

【市役所便り・イベント情報】

おすすめの本、ポップで紹介 南アで展示

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 南アルプス市立中央図書館は、市内小中学校の児童生徒が作成した書籍紹介のポップを展示している。
 生徒の読書推進を図ろうと初めて企画し、図書館が市内の小中学校に依頼した。今回は小笠原小、豊小、八田中の図書委員会や創作部の児童生徒の作品56枚を展示している。大小さまざまな大きさの紙に、小説やエッセーなどのタイトルやあらすじ、おすすめする理由、イラストが描かれている。ポップの近くには、選んだ書籍も並べている。
 展示は27日まで。図書館担当者は「子どもたちが紹介する本をぜひ手に取ってみてほしい」と話している。

(写真)市内の児童生徒が作成したポップを紹介するコーナー=南アルプス市立中央図書館

【山梨日日新聞 2月23日掲載】

【山梨県内のニュース】

富士山の日、世界遺産10年

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 富士山の世界文化遺産登録から10年となる2023年の「富士山の日」(23日)を迎えた。長崎幸太郎知事と静岡県の川勝平太知事は山梨日日新聞と静岡新聞のインタビューに応じ、10年間で両県の交流が拡大したとして、経済・産業面や観光分野などで協力関係をさらに深めていく考えで一致した。
 13年6月の遺産登録からの10年間を振り返り、長崎知事は「富士山は国境や世代を超えた世界の宝となり、郷土への誇りや愛着が深まり、保全の意識が高まった」と指摘。川勝知事は「山梨、静岡の『ふじのくに』の一体化が確実にできあがった。静岡側では富士宮市の世界遺産センターを中心とした地域が心洗われる地に変貌した」と述べた。
 20年から「バイ・ふじのくに」と銘打ち観光や物産などの相互交流を開始したほか、21年の中部横断自動車道の山梨-静岡間全線開通は観光・物流面での交流を加速させた。川勝知事は「中部横断道全線開通で人の往来、物流が盛んになった。内陸部の農産物や精密機器などを清水港から輸出できる経済効果は大きい。山梨と静岡の食文化を謳歌する観光とともに、移住でも一緒に協力したい」と話した。
 長崎知事は「両県の物理的、時間的、心理的距離が短縮された」と説明。水素・燃料電池分野での交流や農業分野の脱炭素の取り組みなどを挙げ、「今後も親和性の高い分野でのサプライチェーンの拡大、強靱化、観光推進・文化財交流などで連携を深めていく」とした。
 長崎知事は書面で、川勝知事は対面で、山梨日日新聞と静岡新聞の取材に答えた。

 世界文化遺産登録から10年の節目の年になることから、「富士山の日」に合わせて、きょうの山梨日日新聞本紙の題字に富士山をあしらいました。

(写真)世界文化遺産登録から10年を迎える富士山。手前は河口湖=山日YBSヘリから(9日撮影)

【山梨日日新聞 2月23日掲載】

【山梨県内のニュース】

甲府の梅開花、平年より早く

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 甲府地方気象台は17日、梅の開花を発表した。平年より7日早く、昨年より13日早かった。
 気象台の職員が17日午前10時ごろ、甲府市飯田4丁目の気象台敷地内にある標本木に5、6輪咲いているのを確認し、発表した。
 同市酒折3丁目の「不老園」によると、園内では既に赤や白の梅が3~4割程度咲いていて、17日は写真撮影する来園客も見られた。20日ごろから見頃を迎える見通し。
 17日の最高気温は、南部14・2度、身延・切石12・9度、甲府12・7度、勝沼11・3度、河口湖9・8度など。観測全10地点で平年を4・0~0・3度上回った。

(写真)梅の花を撮影する来園客=甲府・不老園

【山梨日日新聞 2月18日掲載】

【ふるさとニュース】

花曇俳句大会の作品募集 3月15日まで

 南アルプス市出身の俳人福田甲子雄さんをしのぶ第13回「花曇」ふるさと俳句大会(同実行委員会主催、山梨日日新聞社・山梨放送・「今」俳句会・山廬文化振興会共催)が5月20日午前10時半から、同市飯野の桃源文化会館で開かれる。3月15日まで投句作品を募集している。
 投句は当季雑詠2句。同実行委が選句し、入賞句を決める。大会では、山梨県立文学館長で歌人の三枝昻之さんと俳人の西村和子さんが「言葉のちから-短歌のこと 俳句のこと」と題して対談する。
 会費は2千円(作品集、昼食代など)。専用の投句用紙または原稿用紙に、住所、氏名、電話番号を明記し、会費を添えて申し込む。問い合わせ、送付先は事務局の保坂敏子さん。郵便番号400-0213、南アルプス市西野2861の1、電話055(283)1060。
 福田さんは笛吹市出身の俳人飯田蛇笏、龍太さんに師事し、山梨の風土に根付いた作品を残した。大会は福田さんの業績をたたえ、2011年から開催している。

【山梨日日新聞 2月16日掲載】

【季節の便り】

安藤家住宅 ひなまつり

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 国重要文化財の旧家にて、江戸から昭和までの200体以上の雛人形を展示します。主に明治期に製作され、人々に親しまれた山梨独自の雛人形“横沢びな”も登場。湧水の池と松がそびえる庭園もみどころです。安藤家ならではの雰囲気をぜひお楽しみください。

期 間]2023年4月10日(月)まで
休館日]火曜日(3月21日祝日は開館、翌日振替休日)
時 間]9:00~16:30(最終入館16時)
場 所]安藤家住宅(南アルプス西南湖4302)
入館料]大人(大学生以上)300円・小人(小中高生)100円
小学校未就学児の幼児は無料

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※ひなまつり開催期間中、春にちなんだ曲の演奏会を行います。
 箏の美しい音色とひなまつりの風情をお楽しみください。

開催日]2月26日(日)、3月3日(金)、3月12日(日)
時 間]10:00~12:00

 詳しくは、南アルプス市ホームページをご覧ください。

お問い合せ
南アルプス市文化財課 TEL 055-282-7269
安藤家住宅 TEL 055-284-4448

 

南アルプス市ふるさとメールの配信終了のお知らせ

 南アルプス市ふるさとメールは、2023年3月末をもって配信を終了させていただきます。
 今後は、南アルプス市ホームページやLINEなどで、最新情報や観光情報などを随時発信していきます。長い間、ご愛読いただきありがとうございました。

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お問い合せ
南アルプス市秘書課 TEL 055-282-6037

[南アルプス市役所 秘書課]
「広報 南アルプス」はこちらから

【連載 今、南アルプスが面白い】

桝形堤防史跡整備の歩み
その6~水の世紀を生きる道標~

 2月に入り、節分、立春が過ぎ、暦の上では春を迎えました。しかし、2月11日金曜日、山梨県内は2014年(平成26年)以来の大雪に見舞われ、20cm以上の積雪を記録。桝形堤防も一面雪に包まれました。しかし春の陽ざしで雪解けも早く、着々と整備工事が進められています。

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【写真】雪に包まれた桝形堤防

 

1.最新桝形堤防整備工事情報

(1)園路
 舗装と植栽の間にウッドチップが敷き詰められました。ドウダンツツジの植栽を行う予定でしたが、雪解けを待って行う予定です。

(2)木工沈床の展示
 発掘によって発見された木工沈床の一部を展示する区域に転落防止柵が設置され、その内部の保存と整備に着手しました。木工沈床は松丸太を井桁状に組んで中に石を詰める根固めの工法です(その2を参照)。周囲を囲む木材(方格材)は腐食し空洞となっているため、この空洞部分の復元方法が史跡保存整備委員会でも課題となりました。木材が腐食したため、石が移動し空洞が本来より狭くなっている状態のため、新たな木材を設置するためには全面的な石材の解体が必要となり、遺構本来の形状を崩すことになってしまいます。そのため、木工沈床の石が移動しないよう空洞を固定し、かつ現状復旧が可能な方法で、方格材を示すサインの役割を果たす方法を検討した結果、周囲の石材と全く異なる白色の玉石を充填することに決定しました。木材の代わりを玉石を使用することは誤解を招きやすい点については、解説版で説明することとしました。

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【写真】木工沈床で空洞となった方格材痕に玉石を手作業で充填し固定しました。

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【写真】木工沈床整備の完成

 

2.史跡整備の始まり エピソード0

 このように一般公開を目指している桝形堤防の整備工事。現在に至るまで史跡がどのように発見され整備に辿りついたのか、その始まりまで遡ってみたいと思います。

「歴史や文化のないまちづくりなんてありえない」。名執齊一旧白根町長(故人)のこの言葉を、市文化財保護審議会の元会長である谷口一夫(故人)さんはよく覚えていました。当時帝京大学山梨文化財研究所長であった谷口さんは名執町長から依頼され、地域の文化遺産をともに踏査し、藪に囲まれた石積出を再発見したんですよと話されました。今から30年以上前のことです。

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【写真】谷口一夫さん。市の初代史跡保存整備委員長も努め、石積出や将棋頭の発見、調査、指定、そして史跡の保存管理計画の策定に尽力されました

 白根町では1988年(昭和63年)に放送された大河ドラマ「武田信玄」を契機に、歴史を活かした果樹観光に力を入れようとしていました。当時卓見だったのは、単なる地域の宝さがしではなく、学術的な調査が同時に行われ、遺跡の価値が考古学・歴史学の専門家によって検討が行われたことです。とりわけ昭和62・63年、白根町が帝京大学山梨文化財研究所に依頼した将棋頭の発掘調査は、全国でも韮崎市龍岡将棋頭に続く堤防遺跡の発掘調査であり、治水・利水研究史に残るものです。当時発掘調査を担当した宮澤公雄さんは、次のように当時を振り返りました。

「将棋頭は頭だけでていて、ほとんど埋まっていた。研究所に入って2年目で上司の谷口さんから言われて調査に入ったけれど、堤防遺跡は初めてで何が埋まっているかまったくわからず、手探りの調査でした。調査の結果、現在の将棋頭は戦国時代ではなく明治時代に修築されたものであることがわかりました。」

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【写真】昭和62・63年度将棋頭の発掘を担当した宮澤公雄さん(現公益財団法人山梨文化財研究所)

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【写真】昭和62年度将棋頭調査風景

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【写真】広報しらね 1987年(昭和62年)N0.216

 残された将棋頭は武田信玄の時代の遺構ではありませんでしたが、発掘調査や文献調査の成果を基に当時の文化庁服部英雄文化財調査官の現地視察が行われました。谷口一夫さんとともに名執町長から文化財の調査を依頼された前史跡保存整備委員長萩原三雄さん(故人)は当時のことをよく覚えておられました。
「服部調査官が視察に来るということで、町長自ら将棋頭の前で待っていた。今でいうトップセールスだね。」

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【写真】萩原三雄さん 谷口会長に続いて2代目の史跡保存整備委員長を努められ、昭和60年代の史跡の発見から指定、令和の桝形堤防の整備まで長期間に渡り南アルプス市の史跡整備をご指導いただきました

 こうした調査成果や多くの人々の想いによって、国の指定史跡に向けて地域の意見がまとめられ、平成4年5月29日に文部大臣に意見具申が提出され、同年5月29日には国の文化財保護審議会において史跡指定の答申が出されます。それから十年余りの時を経て、平成15年3月25日、南アルプス市が誕生する直前に「御勅使川旧堤防(将棋頭・石積出)」という名称で、御勅使川を治めた堤防が国史跡に指定されました。河川堤防としては全国で2例目の指定であり、文字通り日本の治水・利水を代表する史跡となったのです。

 平成14年には国土交通省と御勅使川・釜無川周辺の町村長や学術専門家らによって組織された「信玄堤懇談会」の調査によって、桝形堤防が発見されました。2002年(平成14年)7月10日付け山梨日日新聞の記事には「徳島堰守った堤防発見」と大きな見出しが掲げられています。当時帝京大学山梨文化財研究所所長だった萩原さんは「貴重な水を守ろうとした当時の人々の強い意思と知恵がうかがえる。甲州の治水・利水技術の歴史を考える上でも貴重」との証言しています。その12年後、この堤防は桝形堤防として国史跡に追加指定されることになりました(その1を参照)。

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3.調査と活用

 平成15年4月1日、芦安村、白根町、八田村、若草町、櫛形町、甲西町の4町2村が合併し、南アルプス市が誕生しました。この当時、合併によりさまざまな文化財行政の調整が必要で、すぐには史跡整備へ入ることができませんでした。その一方、南アルプス市が誕生するに当たり、文化財保護担当が市の文化財のテーマを話し合い、市の骨格の第一と考えられたのが「水」にかかわる歴史と文化でした。このテーマを基に、一歩づつ調査を進め、その成果をマップや史跡めぐり、講座などさまざまな形で多くの人に伝え活用を図る方針も固められました。特に小学校の授業や地域学習の核として石積出や将棋頭、桝形堤防は定番のコースとなっています。次に史跡にかかわるキーポイントとなった活用の事例をご紹介します。

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【写真】遺跡で散歩 御勅使川ゆかりの史跡を歩く。文化財ウォーキングマップの第1号

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【写真】小学校4年生 石積出三番堤社会科見学時、史跡の清掃体験を毎年行っています。

(1)史跡指定10周年記念シンポジウム「てっすげえじゃんけ将棋頭・石積出!」
 2013年(平成25年)には史跡指定10周年記念シンポジウム「てっすげえじゃんけ将棋頭・石積出!」と題し、史跡をはじめ歴史を活かしたまちづくりを市民のみなさんと築いていけるよう、二日間のイベントを行いました。史跡めぐりあり、竹蛇籠体験学習あり、講演あり、市民トークあり、クイズあり、歌あり、笑いあり、涙あり、みんなのわくわくを目指した試みでした。

詳しくは記録集(PDFダウンロード)をご覧ください。


 1日目
 御勅使川旧堤防(将棋頭・石積出)国指定10周年記念
 ~御勅使川ゆかりの史跡を歩く~
 小雨のため、バスで石積出や桝形堤防、将棋頭をめぐりました。
 2日目
 ふれあい情報館を会場に展示スペースを設けました。外ではかつて治水に用いられていた「竹蛇籠」づくりの実演と体験教室、そして史跡を除草してくれているヤギさんとのふれあいコーナーを設けました。
 午後からは会場全員で御勅使川縦断ウルトラクイズ、次に文化庁の佐藤正知主任調査官と山梨県教育委員会の森原明廣さんの講演、さらに文化財担当者二人の掛け合いで「なるほど講座 将棋頭・石積出ってなあに?」、つづいて史跡にかかかわる人々のリレートーク「みんなでかたろう まちづくり劇場」を行いました。

(2) 平成28年度全国史跡整備市町村協議会(全史協)東海地区協議会総会・研修会を南アルプス市で開催!
 東海地区の県や市町村の首長や史跡整備担当者が集まり、研修会を開催。文化庁からは水之江和同調査官に「史跡を活かしたまちづくり」と題してご講演をいただきました。また甲府城や北杜市梅ノ木遺跡など県内の史跡整備先進事例についてそれぞれの担当者の方に発表していただきました。二日目の現地視察では、石積出で白根飯野小6年生が史跡を劇で紹介、将棋頭ではこの堤防で守られてきた水田のお米でにぎられた将棋頭おむすびも味わっていただきました。

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【写真】白根飯野小学校6年生 事前学習で歴史を学び、それを体で表現しました

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【写真】東海地区の文化財担当者を前に胸をはって史跡を解説するこどもたち

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【写真】将棋頭では将棋頭で守られてきた水田で育てられたお米のおむすびをご馳走!五感で史跡を感じてもらいました。海苔の形に注目してください

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【写真】将棋頭おむすびを撮影、味わう参加者。お米は「イセヒカリ」という風水害に強い品種で、食感はもっちりしています

(3)平成30年度第53回全史協甲府市大会エクスカーション
 平成30年10月4日行われた全史協甲府市大会のエクスカーションで石積出と桝形堤防などの現地視察が行われました。全国から集まった市の首長や文化財の担当者を前に、石積出三番堤では、その仕組みや歴史、次世代へつなぐ大切さを地元の白根源小6年生が劇で表現しました。また、桝形堤防では90歳の矢崎静夫さんが水争いの体験談をユーモアをまじえて話されました。53年続く協議会でも、こうした地域の人々によるプレゼンテーションは初めてのことだったかもしれません。

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【写真】白根源小6年生が石積出や守られている村々、洪水流を表現。全史協で披露された劇は、水を求め水を制した歴史を音と映像を交えスケールアップされ、学習発表会で地域の方に披露されました。劇は現代と江戸時代を行き交うフアンタジーで、観客は子どもたちの芝居に惹きこまれていました。学年の最後には学習内容を○博のデジタルアーカイブにアップし、「水の源」を世界へ発信しました

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【写真】史跡を学ぶ側から伝える側へこどもたちが変わった瞬間です

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【写真】桝形堤防では史跡の除草に活躍するヤギも二頭?登場。地元農業NPOと協力して除草を行っている経緯や効果、ヤギによる除草のメリット・デメリットの解説がヤギさんの言葉で解説されました

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【写真】桝形堤防の分水門で昭和30年代まで行われていた地域の水争いを当時90歳になる矢崎静夫さんが会員に説明。方言を交えユーモアに富んだ解説に、みな喜んでいました。現代でも使われつづけている桝形堤防の歴史ならではの証言です


3. 水の世紀を生きる道標(みちしるべ)
 かつて南アルプス市域では日常的に干ばつが起こり、大雨が降ると洪水に襲われました。堤防を整備し、水路を整えては洪水に流され、新たな技術でまた造り直す。この営みを現代まで続けてきた地域です、まさに水とともに生きてきた人々の営みの結晶が石積出や徳島堰と桝形堤防、六科将棋頭などの史跡と言えるでしょう。

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【写真】昭和34年 御勅使川の洪水によって流される芦安中学校

 現代世界そして日本では気候変動や生活様式の変化に伴い、干ばつと洪水が頻発しさらに水資源の争いが増加すると予想されています。その時代を生き抜くため、世界に貢献できる知恵と技術が南アルプス市には残されています。3月にはJICAによるベトナムの人々の砂防・治水の研修で石積出や桝形堤防を訪れることになっています。史跡御勅使川旧堤防(将棋頭・石積出)とそれに関連する地域に残された水の文化や記憶がこれから進むべき道標ともなるのです。

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【写真】石積出三番堤:2023年1月30日重要遺跡発掘調査によって初めて姿を表した石積出三番堤の基底部。径約0.8~1mの巨石が石積に使われている

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【写真】六科将棋頭:中央の水路は桝形堤防で分水された徳島堰の水を運ぶ後田堰

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【写真】空から見た桝形堤防。治水・利水・防災など水にかかわる歴史が積み重なり、現代に続いています

 過去を学ぶだけでなく、過去に学ぶ。多くの人々がつないできた史跡の保存。今、これからの生き方を考える史跡整備を目指しています。

【南アルプス市教育委員会文化財課】

【市役所便り・イベント情報】

鈴木さん講演会、食育の推進訴え 南アルプス・甲西中

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 南アルプス・甲西中は6日、食育の推進をテーマとした講演会を開いた。
 山梨学院短大専任講師の鈴木睦代さんが講師を務め、「勉強とスポーツのための食事と栄養」と題して講演。朝食の効果、カルシウムや鉄分が摂取できる食品などについて説明した。
 講演後、鈴木さんと、同校出身で、陸上男子400メートル障害で2016年リオデジャネイロ五輪に出場した野沢啓佑さんが対談。野沢さんは「常に自分が食べたものを確認し、足りない栄養素を補うことが大切」と語った。
 同校は本年度、中巨摩学校食育推進研究会の研究推進校に指定されており、講演会は公開研究会の一環として実施。1~3年生308人と中巨摩地区の学校関係者らが参加した。

(写真)食育について開かれた講演会=南アルプス・甲西中

【山梨日日新聞 2月7日掲載】

【山梨県内のニュース】

岡島、現店舗85年に幕 3月「ココリ」で再出発

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 甲府市丸の内1丁目の岡島百貨店は14日、85年にわたり続いた店舗での営業を終了した。百貨店を運営する岡島は、店舗を市中心街の再開発ビル「ココリ」に移転し、売り場面積を大幅に縮小して3月3日に営業を再開する。跡地は東京都内の不動産開発会社が取得し、建物を解体して高層マンションと店舗の複合施設を建設する。老舗百貨店は転機を迎え、空洞化が進む市中心街にとっても大きな転換点となる。

 岡島はこの日、閉店時間の午後7時に1階西側のオリオン口でセレモニーを実施。雨宮社長が「長きにわたり、温かい支援をくださったことを心よりお礼申し上げる」と述べ、従業員らと深々と頭を下げながらシャッターを下ろした。
 岡島は1843年に呉服・両替商店から始まり、1938年に現在の店舗で百貨店の営業を開始。長年にわたり最先端の商品や文化を発信しながら、市中心部のにぎわいをけん引したが、郊外への大型商業施設の出店が続き、中心街が空洞化する中で業績が悪化した。現店舗の建物や設備の老朽化も進み、今回の再開発計画を決めた。

(写真)多くのファンが見守る中、1階西側のオリオン口で行われたセレモニー。雨宮社長のあいさつの後シャッターが下ろされ、戦前から続く現店舗での営業を終えた=甲府市丸の内1丁目

【山梨日日新聞 2月15日掲載】