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南アルプス市は、山梨日日新聞社とタイアップして「南アルプス市ふるさとメール」を発信しています。ふるさとの最新情報や観光情報、山梨日日新聞に掲載された市に関係する記事などをサイトに掲載し、さらに会員登録者にはダイジェスト版メールもお届けします。お楽しみください!

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プロフィール

 山梨県の西側、南アルプス山麓に位置する八田村、白根町、芦安村、若草町、櫛形町、甲西町の4町2村が、2003(平成15)年4月1日に合併して南アルプス市となりました。市の名前の由来となった南アルプスは、日本第2位の高峰である北岳をはじめ、間ノ岳、農鳥岳、仙丈ケ岳、鳳凰三山、甲斐駒ケ岳など3000メートル級の山々が連ります。そのふもとをながれる御勅使川、滝沢川、坪川の3つの水系沿いに市街地が広がっています。サクランボ、桃、スモモ、ぶどう、なし、柿、キウイフルーツ、リンゴといった果樹栽培など、これまでこの地に根づいてきた豊かな風土は、そのまま南アルプス市を印象づけるもうひとつの顔となっています。

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2022年10月

【山梨県内のニュース】

信玄公祭りで花火700発

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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止が続いた第49回信玄公祭りが28日、約3年半ぶりに開幕し、甲府・舞鶴城公園から花火が打ち上げられた。
 8月に市川三郷町で開かれた「神明の花火」とのコラボレーション。約700発の花火が打ち上げられ、29日に予定されている祭りのメインイベント・甲州軍団出陣を前に「のろし」を上げた。
 甲府市中心部の秋の夜空を彩り、集まった多くの観衆が動画を撮影していた。

(写真)信玄公祭りの前夜祭で打ち上げられた花火を眺める観客=甲府・舞鶴城公園

【山梨日日新聞 10月29日掲載】

【市役所便り・イベント情報】

移転の芦安駐在所、関係者ら開所祝う 南アルプス署

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 南アルプス署は、南アルプス市芦安安通に新築移転した芦安駐在所で、開所式を行った=写真。
 署によると、新たな駐在所は木造2階建てで、延べ床面積約87平方メートル。来訪者用の駐車スペースを確保し、外壁には「POLICE」と表記し、外国人にも配慮した。
 旧駐在所の開所から30年以上が経過し、駐車場もなかったことから、約70メートル南東に新築移転した。9月13日から運用している。
 10月19日に行われた式には金丸一元市長や地元県議、市議らが出席。石部署長は「豊かな自然と地域に溶け込み、地域住民や登山者らの安心安全を守る拠点にしたい」とあいさつ、駐在員は「誰もが気軽に寄れる場所にしたい」と話した。テープカットを行い開所を祝った。

【山梨日日新聞 10月29日掲載】

【ふるさとニュース】

切子六角堂に奉納、神仏・漫画など53点 南ア・沢登

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 南アルプス市沢登の伝統行事「沢登六角堂切子祭典」が開かれ、技巧を凝らした切り紙細工「切子」が沢登六角堂に奉納された。
 13日、地元住民でつくる「切子保存会」のメンバーや豊小切子クラブの児童、巨摩高の生徒、地元消防団員などが制作した53点を奉納。神仏や動物、人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」のキャラクターなどさまざまな作品が堂内の明かりで浮かび上がり、幻想的な雰囲気となっていた。展示した切子は、護符として各家庭に配布される。
 祭典は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年に引き続き神事と切子の展示のみを実施した。
 切子は和紙を重ねて「つきのみ」と呼ばれる刃物で図柄や模様を彫った伝統工芸で、300年以上前から伝わるという。保存会では講習会を開くなど伝統技術の継承に努めているが、近年では高齢化などにより切子に取り組む住民も減っている。保存会の名取会長は「若い世代にも切子について知ってもらいたい」と話している。

(写真)沢登六角堂に奉納された切子=南アルプス市沢登

【山梨日日新聞 10月29日掲載】

【市役所便り・イベント情報】

南アに「お試し住宅」 移住希望者が生活体験

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 南アルプス市は10月から、市内への移住・定住を考えている人に市を深く知ってもらうため、住居を提供し、一定期間居住してもらう取り組み「お試し住宅」をスタートした。利用者の希望に応じて最大6カ月間、市内で生活することができる。
 市ふるさと振興課によると、市は本年度、同市芦安芦倉にある木造2階建て市営住宅を、お試し住宅専用の戸建てとして整備。テレビや洗濯機、冷蔵庫などの家電、食器、寝具などをそろえ、インターネット通信が可能なWi-Fi(ワイファイ)環境も整えた。利用者は希望に応じて1~6カ月間住宅を借りることができ、料金は月額2万1千円(光熱費を含む)。このほか、長期滞在する場合は、地区に組費を納めることを推奨している。
 対象は市への移住・定住を考える市外在住者で、1人または家族連れ。週末移住など2拠点居住の場としても利用できる。
 利用希望者は市のホームページから移住相談登録シートをダウンロードし、市に提出。利用1カ月前までに使用許可申請書を提出し、市の担当者と面談、利用が開始される。
 取り組みは、市の魅力を県内外に発信するシティプロモーション事業の一環。担当者は「市での生活を体験することで、市の良さを感じてもらい、移住・定住の促進につなげたい」としている。
 このほか、市は移住・定住を目的に市を訪れた場合にかかった宿泊費やレンタカー代の一部を助成する取り組みも実施している。問い合わせは、市ふるさと振興課、電話055(282)6073。

(写真)「お試し住宅」のキッチンと居間=南アルプス市芦安芦倉

【山梨日日新聞 10月27日掲載】

【ふるさとニュース】

高峰、白く

 秋雨が上がった25日、県内で雪化粧した高山の姿が各地で見られた。
 甲府地方気象台によると、24日午後から県内各地は雨雲に覆われ、標高の高い場所で雪となった。甲斐駒ケ岳で初冠雪を観測したほか、富士山も裾野付近まで雪に覆われ、八ケ岳や三ツ峠も冠雪した。
 気象台によると、県内上空に寒気が入り込んだ影響で、県内各所で冷え込み、25日の最高気温は甲府13.5度、河口湖8.5度などで、12月上旬~中旬並み。最低気温は甲府9.0度、河口湖3.5度などで11月上旬並みの冷え込みだった。

八ヶ岳

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山頂から中腹くらいまでうっすらと雪をかぶった八ケ岳。季節の移り変わりを告げる八ケ岳の冠雪に、同市高根町内では残った稲の収穫を急ぐ農家もいた

甲斐駒ヶ岳

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中腹まで雪に覆われ、冬の訪れを告げた甲斐駒ケ岳。北杜市武川町や長坂町などで雪化粧した山容を見ることができた

【山梨日日新聞 10月26日掲載】

【市役所便り・イベント情報】

シャガール 色彩豊かな版画 南ア市立美術館

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 20世紀を代表する画家マルク・シャガール(1887~1985年)は油彩画やステンドグラスなどさまざまな分野で活躍したが、若い頃から手掛けた版画はライフワークともいえるもので、銅版画やリトグラフなど約2千点の作品を残した。南アルプス市立美術館で開かれている開館30周年記念展「愛と平和への祈り シャガール展-8つの版画集より」は「ダフニスとクロエ」や「サーカス」など、八つの版画集をテーマに、色彩豊かに表現された約280点の作品を紹介している。
 展示は11月27日まで。開館30周年記念として、南アルプス市内在住の小中学生は無料で入館できる。月曜日、11月4、24の両日休館。問い合わせは同館、電話055(282)6600。

(写真)黒インク一色のモノクロームでありながら、色を感じる「バイブル」の作品群=南アルプス市立美術館

【山梨日日新聞 10月21日掲載】

【ふるさとニュース】

「ボロ電」軌跡たどる 廃線60年、昭和のバスでツアー

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 「ボロ電」の愛称で親しまれた山梨交通電車線の廃線60年を記念し、山梨交通は19日、ボロ電の軌跡をたどるバスツアーを行った。参加者は旧駅に建てられた記念碑などに立ち寄りながら、甲府駅前駅-甲斐青柳駅(富士川町)間の片道約20キロの道のりを往復した。

 県内外から電車・バス愛好家ら10人が参加。甲府駅前駅跡に建てられた記念碑を見学後、雨宮社長らとともに、1970~80年代に活躍したレトロな風合いの「モノコックバス」に乗り込んだ。
 ボロ電は30年に運行を開始。全28駅で、甲府と峡中南地域を結ぶ地域住民の足として活躍したが、自動車の普及などで62年に廃線となった。
 バスはボロ電が通った通称・廃軌道などを走り、参加者は貢川駅跡に復元された線路や、富士川・利根川公園に残る車両などを見学。昼食後には、雨宮社長がボロ電の歴史を語る講演会も開かれた。

(写真)ボロ電が通った通称・廃軌道を走るモノコックバス=甲府市富竹1丁目

【山梨日日新聞 10月20日掲載】

【ふるさとニュース】

農地貸借へ情報掲示板 JA南ア市

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 JA南アルプス市は、農地の貸し借りに関する情報を載せる掲示板を市内のJA関連施設に配置し、遊休農地解消に活用している。農地を貸したい人と借りたい人をJAが仲介することで、両者に安心して利用してもらうことが狙い。2年間で190区画の農地で賃借契約が成立した。担当者は「利用者からは互いに顔を見てやりとりできるので安心という声が多い」と話している。
 高齢化や後継者不足などに伴い、市内で増加する遊休農地の解消に役立てようと、職員の発案で2020年6月から開始。現在はJAの本所や支所、市内のAコープなどに掲示板を設置している。
 JAの職員が農地を貸したい人から、土地の住所や現状、面積、貸し付けたい期間などの情報を聞き取り、現地調査した後、個人票を作成して掲示板に貼り付ける。掲示板を見た人から依頼があれば、一緒に現地を訪れて土地の状態を確認し、借りたい意思があった場合は、土地所有者との面談を設けている。
 JAによると、取り組みによりこれまでで約60人、190区画の農地で契約が成立している。「農地を借りる人の中には新規就農者も多く、借りた後も農業のアドバイスなどもできる」(担当者)という。
 今年9月からは、農機具の貸し借り情報も掲載。営農指導部の室長は「今後もJAだからこそできる両者に寄り添ったサポートで、市内の遊休農地問題に取り組んでいきたい」と話している。

(写真)市内で農地を貸したい人の情報を貼り出す掲示板=南アルプス市小笠原

【山梨日日新聞 10月19日掲載】

【季節の便り】

お試し住宅利用者募集中

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 南アルプス市では、南アルプス市に移住を検討する方が、市内で住居を探したり、周辺地域の自然環境や歴史文化、地域とのふれあいなど南アルプス市がどんなところか体験するための活動の拠点となるお試し住宅を提供します。

 移住の準備で何度も本市へ訪れる必要がある方はもちろん、中長期滞在して地域性や生活の利便性、気候や風土などに実際に触れてみたい方は、ぜひご利用ください。
 基本的な家具、家電、Wi-Fi通信環境も備え付けてあります。

 詳しくは、南アルプス市役所ホームページをご覧ください。

お問い合せ
南アルプス市ふるさと振興課 TEL 055-282-6073

 

市民活動フェスタ2022

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 3年ぶりに市民活動フェスタを開催します。
 市民団体やNPOなどが協力し開催するイベントです。
 和太鼓の演奏、陶器の展示販売や体験コーナー、飲食販売、この他楽しいイベントをご用意しています。

日 時]10月29日(土) 10:00~15:00
場 所]市民活動センター 前庭 (小笠原572-9)
 
お問い合せ
南アルプス市市民活動センター TEL 055-282-7325

[南アルプス市役所 秘書課]
「広報 南アルプス」はこちらから

【連載 今、南アルプスが面白い】

桝形堤防史跡整備の歩み
その2~水の世紀を生きる道標~

1.発掘調査 

 桝形堤防の存在自体が地域で忘れられていた中、南アルプス市教育委員会は桝形堤防を保存し、多くの人に知ってもらうために、堤防の周囲の一部を発掘する試掘・確認調査(以下試掘調査)を2009年度から開始しました。2022年現在まで大きく3回調査を実施しています。
 第1次調査:平成21年度(2009)
 第2次調査:平成23・24年度(2011-2012)
 第3次調査:平成30~令和3年度(2018-2021)

 試掘調査で明らかにすべき目的は次の点です。
 (1)現在残されている堤防が造られた年代と遺構の範囲
 (2)堤防の特長
 (3)桝形堤防と徳島堰御勅使川暗渠および後田水門の歴史的変遷


2.用語解説

 桝形堤防の調査結果を紹介する前に専門用語を解説しておきます。御勅使川の水流が堤防に直接当たる面を「川表(かわおもて)」、直接当たらない面を「川裏(かわうら)」と呼びます。堤防の上部で平らな部分を「馬踏(まふみ)」、基礎部分を基底部、その基底部を水流から保護する構造物を「根固め(ねがため)」と呼んでいます。調査の結果、桝形堤防の根固めには「木工沈床(もっこうちんしょう)」という工法が使われていました。堤防の石積の一番下の石を「根石(ねいし)」、石積がばらばらに沈むのを防ぐため根石の下に敷かれた木材を「胴木(どうぎ)」と呼びます。
 また、発掘調査にあたり将棋の駒の形をした桝形堤防の北側を北堤、南側を南堤、北堤の東側に付け足された堤防を北東堤と名付けました。

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【図】桝形堤防用語解説


3.第1次・第2次試掘調査

 平成21年度(2009年)第1次調査は北堤と北東堤の川表側、平成23・24年度(2011・2012)第2次調査は南堤の川表側を主に調査しました。

1)ハリエンジュ(ニセアカシヤ)の伐採
 調査にあたり、堤防上や周囲に自生していたハリエンジュの伐採を行いました。北米原産のハリエンジュは明治時代初期から砂防や荒廃地緑化の目的で日本に導入されましたが、繁殖力が強く急速に分布範囲を広げ、現在では外来種として駆除・管理が必要とされています。桝形堤防でも石積上にも繁茂し、その根が石積の崩落を進めており、また大量の落ち葉は堤防上に堆積し、腐葉土化して雑草繁茂を招いていました。ハリエンジュと雑草に覆われたことによって石積が隠され、桝形堤防が地域の記憶から失われていったのです。

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【写真】平成21年の桝形堤防 除草後の状況だがハリエンジュが繁茂している

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【写真】平成23年度 第2次調査前

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【写真】第2次発掘調査とともに自生したハリエンジュの伐採作業。ハリエンジュは根が石積を崩し、大量の落ち葉が石積上に堆積し、雑草繁茂の原因となっていた

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【写真】第2次調査 ハリエンジュ伐採作業

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【写真】第2次調査 ハリエンジュ伐採後の桝形堤防

2)木工沈床の発見
 桝形堤防の北堤、南堤の川表側を地表から約1m掘り下げると、石が平らに敷き詰められた遺構が現れ、この石敷には幅20~30㎝の空洞が格子状にみつかりました。さらにこの空洞が格子状に交差する辺りから鉄製のボルトと地中に差し込まれた鉄筋が発見されました。ボルトをよく観察すると、木質部分が残されています。
 調査の結果、この遺構は木工沈床と呼ばれる明治期以降施工された根固めであることがわかりました。木工沈床とは松の丸太を井桁状に組み、3~5段積み上げ、その枠の中に河原石を詰め堤防基底部を守る根固めとして考案された工法です。木材同士は水平に鉄のボルトで固定され、3段の丸太は丸鋼と呼ばれる鉄筋を通して連結されていました。

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【写真】北堤川表調査。地表から約1mほど掘り進めると、石を平らに敷き詰めた木工沈床が現れた

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【写真(北から)】北堤川表の木工沈床。丸太を水平に連結するボルトと縦方向に繋ぐ丸鋼が見られる

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【写真】北堤川表 木工沈床調査風景。使用された丸太は腐食して空洞となっている

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【図】木工沈床模式図

 試掘調査で発見された木工沈床は堤体から南北に3列に区画され、南北は1列目が約1.5m(5尺)、2列目が約1.8m(6尺=1間)、3列目が約2.1m(7尺)と尺を単位に川側に向かって幅が広く造られていました。川側をより強固にしたのでしょう。一方東西の区画はちょうど1間です。この木工沈床を含めるとおよそ3間約5.4m堤防の規模が広がります。北堤にはこの木工沈床の北側にさらに蛇籠が敷設されていた可能性があります。このように試掘調査によって、桝形堤防の本来の規模が明らかとなりました。地表には桝形堤防の一部分しか現れていなかったのです。

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【写真】南堤川表 木工沈床調査風景。丸太が腐食した空洞がみられる。木工沈床の上には御勅使川による砂礫が堆積している

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【写真】南堤川表 空洞部分には2本の丸太がボルトで連結されていた。鉄筋は縦方向に丸太を連結する丸鋼。ボルトと丸鋼には木材の痕跡がわずかに残されている

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【写真】南堤川表 発見された木工沈床。3段丸太が積まれている

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【写真】南堤川表 発見された木工沈床。丸太が配置された場所は半透明の茶色で表示した

3)桝形堤防の築堤年代
 木工沈床の技術の歴史を繙くと、堤防の築堤年代が明らかとなってきました。木工沈床の特許資料を調べた結果、この工法は明治26年長野県飯田土木出張所の小西龍之介氏によって考案された工法で、天竜川で施工され、明治32年特許が取得されています。南アルプス市に残された行政文書では、木工沈床の施工は御勅使川や釜無川では明治42年が最も古い資料です。この時期有野地区に大きな被害を及ぼした水害の記録は明治39年と明治40年があり、とりわけ明治39年には「徳島堰ノ被リシ今般ノ大破壊ハ空前ノ被害ニシテ就中御勅使川ノ如キ」(『明治三九、四十年分 土木地理関係書 文書第六号 御影村外一ヶ村組合役場』)とあることから、この時の洪水で流失し、新たに築堤されたのが現在の桝形堤防である可能性が高いと考えられます。

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【写真】「申請書」『明治三九、四十年分 土木地理関係書 文書第六号 御影村外一ヶ村組合役場』

4)徳島堰御勅使川暗渠の改修
 御勅使川の下を通水する徳島堰の暗渠は「御勅使川暗渠」と呼ばれ、埋樋(うめどい)から石製の甲蓋(こうぶた)、明治時代終わりから大正時代にコンクリートを用いた粗石拱形眼鏡工法に作り変えられてきたことが関係資料からわかっています。つまり、大正時代、暗渠を粗石拱形眼鏡工法に変えるために、明治39年から40年頃に改築されたと考えられる桝形堤防の一部が掘り返されていることになります。実際暗渠上の石積は他の区域と比べて20~30㎝の小振りな石が用いられており、積み直されたことが明らかです。
 試掘調査の結果、北堤の調査では、コンクリートで河原石が固定されたかまぼこ状の御勅使川暗渠天井部が発見されました。さらにこの上に北東堤の石積が施工されていたことから、北東堤が暗渠改修時もしくはそれ以後に築堤されたことが明らかになりました。

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【図】徳島堰御勅使川暗渠の変遷

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【写真】粗石拱形眼鏡工法へ御勅使川暗渠改築時(明治時代末から大正9年)の石積修復推定区域

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 一方南堤の調査では、同様の暗渠の天井部が発見されるとともに、暗渠の西側の木工沈床が壊されている状況が確認されました。暗渠改修時、木工沈床を壊し、その石材を粗石拱形眼鏡工法に利用したことがうかがえます。

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【写真】北堤および北東堤川表と徳島堰の御勅使川暗渠の調査。この調査によって、北堤の堤体の一部が一度掘削され、御勅使川暗渠が甲蓋から改築されたコンクリートを使った粗石拱形眼鏡工法の天井部が発見された

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【写真(北東から)】北東堤川表には木工沈床が発見されていない。北東堤は御勅使川暗渠の粗石拱形眼鏡工法改築以後に築堤されたことが明らかとなった

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【写真(南東から)】南堤および徳島堰御勅使川暗渠天井部。コンクリートを使った粗石拱形眼鏡工法の天井部の西側の木工沈床が壊され石材が失われている状況がわかる


4.国指定史跡へ

 こうした発掘調査と文献調査を積重ね、桝形堤防の時期、範囲、構造、歴史的変遷など本質的な価値を明らかにした上で、平成25年文化庁に国指定史跡御勅使川旧堤防(将棋頭・石積出)へ追加指定の意見具申を行い、平成26年10月6日、官報告示され史跡への追加指定が決定されました。

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【写真】南アルプス市広報平成26年11月号掲載

【南アルプス市教育委員会文化財課】