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南アルプス市は、山梨日日新聞社とタイアップして「南アルプス市ふるさとメール」を発信しています。ふるさとの最新情報や観光情報、山梨日日新聞に掲載された市に関係する記事などをサイトに掲載し、さらに会員登録者にはダイジェスト版メールもお届けします。お楽しみください!

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プロフィール

 山梨県の西側、南アルプス山麓に位置する八田村、白根町、芦安村、若草町、櫛形町、甲西町の4町2村が、2003(平成15)年4月1日に合併して南アルプス市となりました。市の名前の由来となった南アルプスは、日本第2位の高峰である北岳をはじめ、間ノ岳、農鳥岳、仙丈ケ岳、鳳凰三山、甲斐駒ケ岳など3000メートル級の山々が連ります。そのふもとをながれる御勅使川、滝沢川、坪川の3つの水系沿いに市街地が広がっています。サクランボ、桃、スモモ、ぶどう、なし、柿、キウイフルーツ、リンゴといった果樹栽培など、これまでこの地に根づいてきた豊かな風土は、そのまま南アルプス市を印象づけるもうひとつの顔となっています。

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2021年7月

【山梨県内のニュース】

信玄ゆかりの地でスタンプ集め

 武田信玄生誕500年記念事業の実行委員会は17日、県内27市町村にある信玄ゆかりの寺社や観光名所など計64地点を巡るスタンプラリーを始める。スマートフォン上でスタンプを集める形式で、抽選で県内宿泊施設の利用券などが当たる。
 64地点は武田神社(甲府)や大井俣窪八幡神社(山梨)、恵林寺(甲州)といった寺社のほか、各地の道の駅、観光案内所、資料館など。信玄と関わりの深い場所を中心に、全市町村に1~5カ所の対象地点を設けた。
 実行委事務局の県観光資源課によると、対象地点に用意したポスターのQRコードを読み取ると、イベントに参加できる。各地点で信玄にまつわるクイズに挑戦し、正解すると甲州金に見立てたスタンプをもらえる。スタンプを一定数集めるごとに信虎、信玄、勝頼と武田二十四将が一人ずつ仲間になる設定という。
 64地点を制覇すると、抽選で5人に県内宿泊施設のペア宿泊券をプレゼント。このほか、先着順でスタンプ数に応じて特製のイラストやエコバッグ、クリアファイルなどを数量限定で贈る。
 イベントは12月19日まで。同課担当者は「子どもにも楽しんでもらえるはず。各地を巡りながら、武田家の歴史を学んでほしい」と話している。

【山梨日日新聞 7月16日掲載】

【ふるさとニュース】

南アルプス市産スモモの販売会 甲府・岡島

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 甲府・岡島百貨店は15日、1階エントランスコートで、南アルプス市産のスモモ「貴陽」と桃の販売会を始めた=写真。18日まで。
 山梨、静岡両県の地域経済交流事業「バイ・ふじのくに」の一環で、JA南アルプス市が販売している。貴陽は約230グラム(3Lサイズ)の2個入りパックや9個入りのギフト用のほか、高級果物店に卸している約300グラムの大玉を用意。桃は「白鳳」を販売している。
 百貨店の担当者は「大きいスモモはなかなか手に入らない。この機会に県民の皆さんに知ってもらい、楽しんでほしい」と話している。

【山梨日日新聞 7月16日掲載】

【季節の便り】

南アルプス市ふるさと文化伝承館
テーマ展「戦争とにしごおりの人々」

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 南アルプス市の人々は、アジア太平洋戦争とどうのように向き合い、どのように生きていったのか。ふるさと○○博物館事業で収蔵した資料から紐解きます。

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期 間]令和3年7月2日(金)~令和3年9月29日(水)木曜休館
時 間]9時30分~16時30分
場 所]ふるさと文化伝承館(南アルプス市野牛島2727)
入館料]無料
 
詳しくは、ふるさと文化伝承館のホームページをご覧ください。

※ 新型コロナウイルス感染拡大予防対策として、検温、体調確認、手指消毒、マスクの着用にご協力ください。

お問い合せ
ふるさと文化伝承館 TEL 055-282-7408

 

桃狩りの季節になりました

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 南アルプス市内では、ピンクに色づいた桃が食べ頃を迎えています。生産者が手塩にかけて育てた採れたての自然の恵みをご賞味ください。市内の農園では8月中旬まで、南アルプスの麓で育った甘く瑞々しい食感の桃が楽しめます。

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詳しくは、南アルプス市観光協会ホームページをご覧ください。

お問い合せ
南アルプス市観光協会 TEL 055-284-4204

[南アルプス市役所 秘書課]
「広報 南アルプス」はこちらから

【連載 今、南アルプスが面白い】

明治29年大水害の記録
その1~水害タイムライン~

 雨が降り続く梅雨も終わりを迎え、来週には関東でも梅雨明けとなりそうです。近年地球温暖化による気候変動が原因で、日本各地で極端な豪雨による災害が毎年起きています。かつて山梨県は洪水に悩まされた地域の一つで、明治時代には水害が頻発しました。特に明治40年・43年の大水害はその惨状から詳細な記録が残され、被害状況も広く知られています。一方明治29年9月に山梨県内各地で発生した水害は上記と比べ記録が限られ一般的に知られていませんが、南アルプス市域や甲府盆地中央部の歴史を大きく変えた水害の一つです。
 今回および来月号のふるさとメールでは、これまで知られている行政資料とともに、この水害を伝えた『山梨日日新聞』と『甲府新聞』の記事を参照し、その実態にせまってみたいと思います。なお、この水害については、2008年10月15日号でもその概要を取り上げました。

2008年10月15日(水)近代水害の記憶 明治29年の大水害と前御勅使川の終焉

 

1.明治29年水害の概要
降 雨 日 9月6~12日
総 雨 量 399.8mm(『釜無川の水害』より)
死  者 33人
流失破損 約500戸
浸  水 4,729戸
堤防決壊 329箇所 延長8,655間(15.7km)
堤防破損 2,445箇所 延長120,493間(約219km)
概  要 御勅使川が旧源村で氾濫、前御勅使川に入り、洪水流が旧御影村・田ノ岡村を襲いました。中でも下高砂は御勅使川、前御勅使川、釜無川の洪水流で集落や田畑が流され、多大な被害を受けました。増水した前御勅使川は釜無川を衝いて龍王二番堤など対岸の堤防を破り、釜無川左岸の龍王村や玉幡村など諸村にも被害を及ぼしました。この他大和川、滝沢川、荒川、富士川など多くの地域で洪水が発生しました。

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【甲府新聞 明治29年9月15日付 水害被災地図】

 

2.水害タイムライン
 今回は御勅使川とそれに合流する釜無川の流域を中心とした被害状況を下記の資料を基に整理し、タイムラインとしてまとめてみました。
菊島信清 1981『釜無川の水害』
白根町誌編纂委員会 編 1969『白根町誌』
八田村編 2003『八田村誌』
早川文太郎・須田宇十 1911『山梨県水害史』
山梨県 1997 「明治元年より二十九年までの釜無川筋水害の状況」(『山梨県史 資料編14 近現代1 政治行政1』第99号文書)
『明治廿九年度 水害関係書 御影村外一ヶ村組合役場』(南アルプス市蔵)
『山梨日日新聞』
『甲府新聞』


※以下「」はマイクロフィルムから判読不能の文字を表しています。
〇明治29年水害タイムライン
9月4日 降水量1.8mm
9月5日 降水量3.8mm
9月6日 降水量4.8mm
9月7日 降水量17.7mm
9月8日 降水量102.4mm 水害の発生
 「〇県下出水彙報
 御勅使川字三番五番石腹延長拾五間決潰 枠、牛共流失す。 同川野牛島大聖寺前急施工事危険水防中 高砂一番続枠二三流失 鼻の方危険(『山梨日日新聞』明治29年9月9日)」
 山梨日日新聞9月9日に「県下出水彙報」の項目が加わり、この前日9月8日の102.4mmを記録する豪雨を経て本格的な水害が発生したことがわかります。上記のように御勅使川扇状地扇頂部に位置する源村有野の石積出三番・五番堤が決壊し、ここから御勅使川、前御勅使川の洪水が発生したと考えられます。
 「御勅使川決堤 中巨摩郡御勅使川增水五六尺に及仝郡源村へ切込んとするより日々水防人夫千五六百人にて防御したるも其効なく遂に矢崎孝太郎氏家屋の裏手より切れ込み千俵地以上の田を流失したり 此の防水中同地近?に田畠を有する同郡在家塚村齋藤博氏百田村竹内甚兵衛氏等は日々十数俵宛の米を水防人夫の粮米として仕送りたるよし(『山梨日日新聞』明治29年9月17日)」
 上記の記事には堤防の決壊を防ぐため、1500?1600人もの人々が水防活動を行なっていたとあります。これは有野村だけでなく下流の村々の人々を含めたでしょう。なぜなら石積出が決壊すると下流の村々へ洪水流が押し寄せ、御勅使川扇状地に立地するさまざまな地域で大きな被害が出るからです。江戸時代から有野村水下21ヶ村の人々が石積出の水防活動を担っており、その伝統が明治時代にも姿を変えて反映されていたと考えられます。実際に石積出三番・五番が決壊した後、一番から字裏田堤まで堤防が流失し、洪水流は有野行善寺付近から入り、前御勅使川沿いの百田村、下流の曲輪田新田、桃園にも被害が発生しました。一方で釜無川沿いでも河川が増水し枠などの水制が流失する中、必死の水防活動が続けられていました。

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【明治29年9月有野行善寺付近水害写真 『白根町誌』より】

2007年12月29日(土)御勅使川扇状地の生命線 石積出(いしつみだし)

9月9日 降水量40.5mm 浅原橋の落橋
 午前3時 浅原橋が釜無川の増水によって落橋。
 「中巨摩郡の出水 中略 田の岡村二番堤防は過日取水の際欠壊(『山梨日日新聞』明治29年9月9日)」
 ここで御勅使川と前御勅使川の洪水を伝える明治29年9月15日付の記事に注目してみます。
 「〇県下出水彙報
 田ノ岡及御影の水害 中巨摩郡出水況の全躰は未だ知るを得ざるも其一班を聞くに同郡田之岡村は四番より五番までの間改修堤防凡そ四百間破壊し堤内田畠十五六歩押流したり 又前御勅使川堤防破壊箇所無数にして田之岡村榎原組は田畠全部押流され人家擧て浸水す 下高砂組は五戸を除き他は悉く浸水したり 又御影村は前御勅使川の堤防無数破潰し該村中央を横断し上高砂組に注ぎ同組は縦横に浸水を被り田畠人家の被害夥しく丁年者は防水に■夜忙はしく老少は狼狽號泣する躰目も當てられず加ふるに野牛嶋六科組の貧民は食料の欠乏を告げ居れり
 前御勅使川の水害 同川筋に於ける御影田之岡両村の被害状況は別項に記載したるが尚ほ聞く所に拠れば同川筋は百田村の内百々の堤防四箇所上八田堤防ニ箇所御影村にて都合十六箇所の堤防を決潰したり 此の堤防の間数都合二千百廿二間して外に欠損せし處千七百四十間ありと(山梨日日新聞明治29年9月15日)」
 この記事の出来事の正確な日時は不明ですが、9月8日に有野の石積出が一部決壊したことを考えれば、その洪水流が前御勅使川に流れ、両岸の堤防を壊し少なくともこの日に上八田村や百田村、御影村、田ノ岡村に大きな被害が発生したと推測されます。さらに山梨日日新聞9月19日の記事を参照してみましょう。
 「〇県下出水彙報
 御影水害 今回の出水にて被害最も惨烈なりしは中巨摩郡御影村なるが尚ほ出水当時の状況を聞くに同村の内野牛嶋上高砂の両組へ御勅使川及び釜無川数箇所の堤防一時に決潰し濁流混々として渦捲き注ぎ入りたるは恰も夜半頃なりしを以て何れの人家にても避難の要意をなしたる衰なく水音の凄まじきに驚き慌てて駆出し四邊の樹木に■登りて僅かに危険を避けたる者多かりし 是等の人々は大聲を挙げて救助を求むるも水量五尺餘に達し■らさは暗■も危険言ふばかりなければ救助に赴く者なく何れも樹上にて夜を明かし翌朝に至り辛くも浸水せざる地方に避難したりといふ昨今の調査に縁れば土砂押入りなるため埋没したる家屋十四戸目下家屋内を通水 傾斜せるもの七戸土砂押入り傾斜せるもの三十二戸田畑凡そ三十九町歩■は浸水のため概ね数獲■見込なし其他道路橋梁の流失破壊等は枚■するに遑らずといふ(『山梨日日新聞』9月19日)」
 このように御影村の上高砂では夜堤防が決壊し、慌てて外の樹木の上に避難して夜を明かし、翌日救助され避難できた危機的な状況であったことがわかります。家や田畑は土砂で埋没しました。

9月10日 降水量56.7mm
 「〇県下出水彙報
 釜無川二番堤の危険 中巨摩郡龍王村部内釜無川の一番堤を防御し居る中昨日午前に至り二番堤防危険となり玉幡龍王の両村内警鐘を乱打して各戸人民の出張を促し水防に尽力せり(『山梨日日新聞』明治29年9月11日)」
 9月11日の新聞記事では、御勅使川下流の御影村や釜無川左岸を守る堤防の欠壊は報告されていません。御影村の水害については被災直後で交通が寸断され、正確な情報が伝わっていなかったことが原因と考えられます。一方御勅使川、前御勅使川から大量の土砂、水が釜無川に流れ込み、増水によって釜無川左岸の堤防決壊が目前に迫る中、龍王村や玉幡村でも多くの人々が必死の水防を行なっていたことがわかります。

11日 降水量141.7mm
 午後2時頃から雷鳴も加わって、釜無川の水量は一丈二尺(3.6m)に達する。
 午後11時頃、下流の村々の人々が数日間かけて水防に尽力したが、釜無川左岸の玉幡村分の字十二番改修堤が欠壊、12日までに百六十間(290.9m)流失。小井川村分七十間余(127.2m)欠壊。
 「〇県下出水彙報
 同上龍王発電 釜無川玉穂村地内にて危険な場所あり今暁来益す危し目下全村にて水防中
 同上龍王発電 釜無川龍王村二番堤凡そ廿間餘決潰辛ふして防止せり 他にも危険の個所あり(『山梨日日新聞』明治29年9月12日)」
 さらに甲府新聞では「出水続報」に詳しくこの時の状況が書かれています。
「一昨日(11日)午後少しく降り止み夕方に至りて日光を洩らしてるより安心せし處 午后八時前後に至り釜無川玉幡村の改修堤防危険の急報ありて全村民は数百人孰れも必死となり 奔走至らざるなかりしも午前三時玉幡村の堤防百二十間余を欠壊したり されば前日来■湧し来れる濁浪は非常の猛省を以って破壊の箇所より侵入し來りて 折しも篠を束ねたる如き雨はいとど烈しく男女の■■は怒涛の響と相和し凄まじさ云ふ斗りなく見る 近傍各村へ押し寄せ來りてうの逆流は奔馬の如き勢を以って家屋を押し流し惨状非常に甚しく 宛然一大湖を現したるが如し 又た十時に至りて龍王二番堤凡そ百五十間斗り破壊し濁浪は非常の勢を以って押し寄せ来り 信玄堤に突き当り怒れる水勢ハ彼方に逆流して玉穂決潰の浸水と合し一層猛威を悉にし人家の浸水するもの無数にて死傷未だ知るを得ず(『甲府新聞』明治29年9月13日)」
 このように昨日一度弱まった雨が再び豪雨となり、11日の夜ついに釜無川左岸の玉幡村字十二番が決壊し、甲府盆地中央部に大きな被害が発生しました。

12日 降水量30.4mm
 午前10時頃 龍王村分字二番改修堤崩壊。龍王村の民家を衝き、戸数108戸と土蔵を合わせ290棟は数日間浸水。罹災者中一時救助を受けた人、男性108人、女性262人。
洪水流は常永村に入り、常永川と合流、常永川通字信玄堤(龍王の信玄堤ではない)に衝突。防御活動の甲斐なく欠壊。飯喰分一ヶ所十七間、河西分二ヶ所四十二間(76.3m)欠壊。河ノ西組は島状に孤立し、上河東はほとんど全組浸水する。

 「〇県下出水彙報 
 昨十二日■龍王玉幡村急報 八幡村第十二号堤防以下凡百二十間昨夜十二時頃より漸々上越をなし防御の術全く無き 三時頃切込み目下常永川堤防にて防御中
 同上龍王村急報 二番堤瀬■のため衝突 防具二箇所流出防御中
 同上午前九時急報 二番堤長七八間今朝より欠始専ら防御中
 同上午前9時半急報 二番堤決潰の際居合わせたる人夫十二名行方不明となれり
 同上午前10時龍王急報(『山梨日日新聞』明治29年9月13日)」

 上記の記事から昨日夜玉幡村の堤防が決壊した後、常永村および龍王村では必死の水防活動が続けられましたが、常永川堤防、龍王村二番堤が決壊、甲府盆地中央部に大きな被害がもたらされました。

9月15日
 雨が上がり、各地の被害の状況が徐々に明らかになってきました。『山梨日日新聞』、『甲府新聞』ともに山梨県内の被害状況をまとめる記事を掲載しています。今回お伝えした他の地域および災害後の状況については次号でご紹介します。

【南アルプス市教育委員会文化財課】

【ふるさとニュース】

高級スモモ「貴陽」販売

 JA南アルプス市は15~18日、甲府・岡島百貨店で、市産のスモモ「貴陽」の販売会を開く。
 JAによると、貴陽は糖度18度前後で、甘みと酸味のバランスが良いのが特徴の高級品種。
 販売会では、1個280グラム以上の5Lサイズの大玉(1200円)、約200グラムの3Lサイズが2個入ったパックなどを販売する。桃の販売も予定している。山梨フルーツレディーも来場し、市産果物をPRする。
 JAの担当者は「コロナ禍で外出が難しい状況だが、家庭で初夏の味を楽しんでほしい」と話している。

【山梨日日新聞 7月14日掲載】

【市役所便り・イベント情報】

地域の戦争知って ふるさと文化伝承館で企画展

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 南アルプス市野牛島のふるさと文化伝承館は、企画展「戦争とにしごおりの人々」を開催している。戦争を体験した市民の証言や記憶、市内の戦争遺跡を紹介している。
 会場には、飛行場の設計技師として従軍した同市下今井出身の志村太郎さん(1984年死去)の生涯を紹介するコーナーを設置。家族から寄贈された軍服や従軍日誌、写真など約50点を展示しながら、陸軍航空本部に雇われアリューシャン列島などに赴いた足跡を振り返っている。
 このほか陸軍主力戦闘機だった「隼」の機体の一部や、45年7月の荊沢空襲で生徒が犠牲になったことを記した大明国民学校(現大明小)の学校日誌など、市民からの寄贈品や市の収蔵品など約50点も展示。戦意高揚のために使用された「国策紙芝居」や、「ロタコ(御勅使河原飛行場)」建設に参加した市民が当時の様子を証言した動画も公開している。
 館長は「地域の戦争を知り、戦争と平和を考えるきっかけにしてほしい」と話している。展示は9月29日まで。午前9時半~午後4時半、木曜日休館。入場無料。

(写真)戦時中の様子を紹介する企画展=南アルプス・ふるさと文化伝承館

【山梨日日新聞 7月9日掲載】

【ふるさとニュース】

北杜市と「ノース・フェイス」登山客増へタクシー運行
小淵沢駅と南ア、八ヶ岳結ぶ

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 北杜市と、スポーツ衣料の製造販売などを手がける「ゴールドウイン」(東京都)が展開するアウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」は、登山客向けタクシーの運行をスタートした。JR小淵沢駅から南アルプス、八ケ岳方面を結び、登山客の増加につなげる。

 市などによると、2020年1月に両者が締結した登山客の増加や観光促進などで協力する包括連携協定の一環で企画。市内事業者が最大6人が乗れるタクシーを用意する。車体には八ケ岳などの等高線や市章、ザ・ノース・フェイスのロゴマークがデザインされている。
 タクシーは小淵沢駅(午前9時発)と南アルプス山麓の尾白川渓谷駐車場(午後4時発)を結ぶ便と、同駅(午前10時発)と八ケ岳山麓の観音平登山口(午後3時発)を往復する便がある。11月初旬まで月、金、土、日曜日と祝日に運行予定。前日午後5時までに専用サイトで予約する。料金は片道千円。
 6月26日に市役所でタクシーの除幕式が行われ、上村英司市長や同社の森光常務執行役員、市ふるさと親善大使の登山家花谷泰広さんらが出席。上村市長は「市の山の魅力の発信につなげたい」とあいさつし、森常務執行役員は「登山へのアクセスが便利になり、登山者の増加につなげたい」と述べた。

(写真)等高線などがデザインされたタクシー=北杜市役所

【山梨日日新聞 7月8日掲載】

【ふるさとニュース】

経営60年企業を表彰へ 南ア市商工会が募集

 南アルプス市商工会は、商工会法施行60周年の記念事業として、市内で60年以上経営を続けている企業を募集し、表彰する。長年にわたって地域社会や経済の発展に寄与した企業をたたえ、ブランド力を高めようと初企画した。
 募集対象は商工会員で、市内で創業、あるいは支店や工場を開設した企業や事業所。2021年3月末時点で60年以上事業を営んでいることが分かる資料(写真含む)を所持していることが条件となる。申請方法は商工会ホームページ(HP)で申請書をダウンロードし、必要事項を記入、関係資料を添付して商工会に提出する。8月10日まで。
 商工会は、表彰を受けた企業に認定プレートを贈呈し、企業を紹介する冊子を作成する。表彰式も予定している。担当者は「地域社会の発展や雇用の確保など、長年地域に貢献した企業に感謝の気持ちを表したい」と話している。
 問い合わせは商工会HP。電話055(280)3730。

【山梨日日新聞 7月8日掲載】

【山梨県内のニュース】

「駿州往還」中部横断道が結ぶ

 国土交通省甲府河川国道事務所は、中部横断自動車道山梨-静岡区間の今年9月の全線開通を前に、ホームページ内に山梨、静岡両県の流通の歴史などをまとめた特設サイトを立ち上げた。
 「駿州往還 やまなし&しずおか中部横断自動車道への道」と題し、「山梨の歴史をかたちづくった『甲斐九筋』」や「江戸時代、身延山詣でにぎわう甲斐の国」など7章を設けた。
 江戸時代に富士川舟運が開通し、鰍沢河岸(富士川町)が流通の拠点になったことや、武田信玄が駿河侵攻時に駿州往還を使ったことなどを紹介している。
 同事務所によると、中部横断道は山梨と静岡をつなぐ古道「駿州往還」に沿ったルートを進む。担当者は「山梨と静岡は昔から流通などでつながりがあった。歴史をきっかけに、中部横断道にも興味を持ってもらい、開通後の利用促進につなげたい」と話している。

【山梨日日新聞 7月7日掲載】

【ふるさとニュース】

短冊や七夕人形に願い込め 安藤家住宅に飾り展示

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 七夕の節句(7月7日)に合わせ、南アルプス市西南湖の重要文化財・安藤家住宅は山梨独自の「七夕人形」やササ飾りを展示している。
 市教委文化財課によると、七夕人形は和紙で作られた人形で、峡西地域では袖が長く、峡東地域では裾が長い人形が確認されている。七夕の後は「お留守居さん」と呼ばれ、畑や蔵に飾り、泥棒よけのお守りとして使われた。住宅では、伝統の技法を再現して作った人形6体がつるされている。
 市民や来場者の願い事を書いた短冊を飾る7本のササ飾りもある。茶室には市発祥の「小笠原流礼法」師範と門下による七夕の節句飾りが並んでいる。
 6月28日には櫛形北小3年生27人が校外学習で訪れ、「野球選手になりたい」「歌がうまくなりたい」などと書いた短冊を取り付けた。
 展示は9日まで。火曜日休館、午前9時~午後4時半。入館料は大人300円、小中高生100円。問い合わせは安藤家住宅、電話055(284)4448。

(写真)重要文化財・安藤家住宅に飾られた山梨独自の節句飾り「七夕人形」=南アルプス市西南湖

【山梨日日新聞 7月3日掲載】