南アルプス市野牛島の温泉宿泊施設「湧暇李の里 樹園」は、市出身の外交官埴原正直(1876~1934年)を紹介する企画展「駐米大使 埴原正直~排日移民法案阻止に努めた外交官~」を開いている。
埴原は源村(現南アルプス市)出身。大学卒業後に外交官試験に合格、外務次官などを経て22年に駐米特命全権大使を務めた。シベリアの飢餓に苦しむポーランド人孤児の救済に奔走する一方で、日本人の移民を禁止する米国の「排日移民法」の阻止に努め、日米関係の改善に尽力した。
企画展では埴原の生い立ちや、外交官時代の業績などをパネルで解説しているほか、西部高等小学校(現豊小)時代の成績表や、駐米特命全権大使に就任した際の写真などを展示している。弟の弓次郎が埴原に宛てた書簡なども並んでいる。
展示は8月末までの予定で、午前10時~午後9時(木曜休館)。施設の担当者は「地元ゆかりの人物が偉業を成し遂げたことを多くの人に知ってほしい」と話している。
(写真)埴原正直の生涯や功績を紹介する企画展=南アルプス市野牛島
【山梨日日新聞 6月8日掲載】