
災害時の生活を体験する防災キャンプが、南アルプス市百々のNPO法人あんふぁんねっとで開かれた。新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえ、分散避難を想定した非常食作りや家庭でできる備えを学んだ。
防災キャンプは同法人と同市が主催し9回目。従来は避難所生活を宿泊で体験していたが、コロナの影響で車中泊や親族宅への避難などを選ぶケースが出ることを見込み、個別的な対策を体験する内容を企画した。
10月25日に3部制で実施し、計15家族が参加。カセットガスやLPガスなどのさまざまなコンロの使い方を確認し、ビニール袋に米を入れて湯で炊き、おにぎりを作る体験をした。
防災士でもある同法人の軽部妙子代表らが段ボールで作ることができる簡易トイレや、外出時用と避難生活用に分けて用意した防災バッグの中身を紹介。「家庭に合った物を用意してほしい」と呼び掛けた。ストレスがたまるとされる避難生活3日目用に、好きな菓子や本など、家族それぞれがリフレッシュできるグッズをまとめておくことも勧めた。
甲府市の児童は「おにぎり作りが楽しかった。自分でもできそう」と感想。子ども2人と訪れた南アルプス市の女性は「防災用品を用意しなければと思いながらも、何を準備したらいいか分からなかったので参考になった」と話していた。
(写真)ビニール袋での炊飯を体験する参加者=南アルプス・NPO法人あんふぁんねっと
【山梨日日新聞 11月1日掲載】