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南アルプス市は、山梨日日新聞社とタイアップして「南アルプス市ふるさとメール」を発信しています。ふるさとの最新情報や観光情報、山梨日日新聞に掲載された市に関係する記事などをサイトに掲載し、さらに会員登録者にはダイジェスト版メールもお届けします。お楽しみください!

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プロフィール

 山梨県の西側、南アルプス山麓に位置する八田村、白根町、芦安村、若草町、櫛形町、甲西町の4町2村が、2003(平成15)年4月1日に合併して南アルプス市となりました。市の名前の由来となった南アルプスは、日本第2位の高峰である北岳をはじめ、間ノ岳、農鳥岳、仙丈ケ岳、鳳凰三山、甲斐駒ケ岳など3000メートル級の山々が連ります。そのふもとをながれる御勅使川、滝沢川、坪川の3つの水系沿いに市街地が広がっています。サクランボ、桃、スモモ、ぶどう、なし、柿、キウイフルーツ、リンゴといった果樹栽培など、これまでこの地に根づいてきた豊かな風土は、そのまま南アルプス市を印象づけるもうひとつの顔となっています。

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【連載 今、南アルプスが面白い】

「ふるさと〇〇(まるまる)博物館」スタートアップ連載
「〇博(まるはく)」への道(7・最終回) 歴史資源を正しく引継ぎ、市民全員が語り部であるまちを目指して

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 〇博のスタートアップシリーズも今回で7回目となり、いよいよ、一旦まとめるときが参りました。これまで、〇博の基本的な考え方から始まり、「掘り起こす」「育む」「伝える」ステップの具体的な取り組み内容などを順番に紹介してきました。

 今回はこれまでを振り返りながらも「ふるさと〇〇博物館」について今一度まとめてみたいと思います。

 はじめて読まれる方はもちろんのこと、連載開始から半年を過ぎていますので、ぜひこれまでの6話分も合わせてお読みください。
 
忘れられていた歴史資源を再び表舞台に出し、ふるさとを誇る心を醸成する
 「ふるさと〇〇博物館~掘り起こし・育み・伝えるプロジェクト~」は、市内のありとあらゆる歴史資源、また歴史資源に集う人々をつないで市全体をミュージアムと見立てるものです。

 地域に潜在する歴史資源の価値を、住民とともに再発見し、専門的立場により正しい価値付けを行い、磨いて磨いて磨きまくって住民自ら発信することで、魅力的な歴史資源が顕在化され、その過程を通して、ふるさとに誇りをもつ魅力的な「人」も育ち、魅力ある地域を築こうというものです。

 つまり「掘り起こし-育み-伝える」プロジェクトであり、「ふるさと〇〇博物館」とは出来上がった「モノ」を言うのではなくて、その過程そのものを指す取り組みなのです。
 

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ふるさと〇〇博物館の概念図
 

まち全体が博物館ということ
 まち全体が博物館という発想は、通常フィールドミュージアムと呼ばれています。博物館でいう展示室にあたるのが市内の各地域などであり、展示資料にあたるのが各地にある文化財や歴史資源といえます。そして展示解説員さんにあたるのが語り部さんといったところでしょうか。先述した通り、本市ではそれらが育まれていく過程を重要視している点が特徴といえます。
 
「掘り起こす」「育む」「伝える」ステップ
 本事業では、ただ有名な史跡や指定文化財をつないだコースを作るというものではなく、普段見慣れて気づかないモノやコト、忘れさられてしまったモノやコトに潜む魅力などを多くの方と共有・共感できる仕組みにしたいと考えています。

 そのためには、そのような意識を持って地域を歩くフィールドワークをおこなったり、地域のことを見つめなおすワークショップを繰り返すことで

(1) 地域に潜む歴史資源を掘り起こす。再発見する(「掘り起こす」)。

(2) その資源をさらに深掘りしたり、深掘りする仲間を募ったりして磨き、育む(「育む」)。

(3) みずから伝える。発信する。活用する(「伝える」)。

というステップを踏みたいのです。
 
「地域力」を高める
 地域の資源を掘り起こすワークショップなどでは、例えば昔の思い出話に花が咲いてみたりと、みなさん目を輝かせながら話してくださいます。そして、見慣れたものでも意外とその意味は知らないことが多いもので、本当の意味や価値を知ることで自分たちの暮らす地域への誇りがますます増してきたという声をよく耳にします。つまり、これらの活動を繰り返すことで地域を誇る「人」がますます増え、さらに「つながり」を強めることで、地域力が高まる効果もあると考えているのです。
 
そもそも歴史資源ってなに
 歴史資源は何も指定文化財のような「お墨付き」の与えられたモノだけをさすのではなく、何気ないモノやコトの中に歴史資源が潜んでいると考えているのです。

 場所や建物、樹木はもとより、道具などのモノや、その道具の使い方や風習、行事など、さらにモノの呼び名も地域の独自性があらわれます。方言、音、香り、景観、雰囲気、そしてそこに暮らす方の記憶などもその地域の歴史資源といえるのです。それらはその風土に根ざしたものであり、その地域のオリジナルの物語を語ってくれます。
 
 

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7月に首都大学東京の渡邉研究室の学生さんとともに、地域資源をどのように発信していくか検討するワークショップをおこないました
 

具体的な取組み
 これまで基本的な考え方を振り返ってみました。

 本年度より具体的な取組みを開始していますが、平成30年秋を目処に、ある程度の内容が備わった段階で、「ふるさと〇〇博物館」のオープンを迎えます。もちろんその後も継続して取り組み続けるのですが、そのためにまずは、昨今急激に失われている分野の歴史資源から順に掘り起こしをおこなっていくこととしています。

 基本的な事業の内容は以下のようになりますが、これらの具体例などはこれまでの連載で紹介していますのでそちらもご覧ください。
 
【悉皆調査(しっかいちょうさ)】
 市内に存在する歴史資源の現状を把握し・正しい価値付けをおこなうための調査を実施します。

 中でも、お蔵の解体とともに廃棄されることの多いもの(古文書・古民具)や建造物、民俗(古民具の他、伝統行事や記憶も含めて)から優先して、年ごとに、芦安・八田地区、白根地区、若草地区、櫛形地区、甲西地区の順で実施します。

※専門的な用語で、対象をすべからく全てを調査する意味です。
 
【調査データの整理・保管・再評価】
 調査・収集した資料や写真データなどを適切に保管し、内容の精査や、新たな知見を加えた再検討を行います。また資料の所在を再確認します。
 
【現物資料の適切な整理・管理・活用】
 収蔵する資・史料を活用しやすく整理し、適切な環境で保管し、公開します。
 使用できる道具類は活用し、史料がもつストーリーも伝えるようにします。
 
【ワークショップの実施と、記憶の記録】
 地域住民のみなさまと資源探しを実施し、地域のことや伝統行事などを掘り起こすとともに、戦争・農業・水害・伝統行事など経験談や記憶を聞き取り、動画撮影などで記録を進めます。年長者の記憶は地域の宝といえ、福祉関係の団体等とも連携することを計画しています。
 
【歴史資源の網羅的に公開】
 整理した歴史資源の情報をなるべく多く、市民のみなさまが使いやすいようWEBサイトとして公開します。
 
【語り部の動画や地域資源のデータをわかりやすく発信】
 被爆者の記憶をデジタルマップ上でつなぐ取組みであるヒロシマアーカイブなどで先進的な取組みをされている首都大学東京の渡邉研究室と共同研究を行い、ワークショップなどで得た歴史資源のデータや人の記憶をマップを介してわかりやすく伝え、未来へつなごうという取組みを行ないます。
 
【住民とともに地域を歩き、資源の再発見】
 地域を実際に歩き、住民自ら地域に眠る歴史資源を掘り起こします(「フィールドワーク」)。地域のつながりで資源にまつわるストーリーを掘り深めることで、さらに地域のコミュニティーが強まり、同時に地域のことを誇る語り部が育成されると考えています。
 
【訪れるエリアの整備】
 テーマや地域ごとにモデル的なエリアを選定し、サインの設置やマップの作成など最低限の環境整備を行います。エリアは調査の進捗に合わせ順次増やしてゆきます。
 

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7月の首都大学東京の渡邉研究室さんは、実際に地域を訪れ、何気ない風景の中で出会える南アルプス市の地域資源に驚いていました。これらを通してどのように伝えていくかのプロジェクトが並行して進んでいます
 


「ふるさと〇〇博物館~掘り起こし・育み・伝えるプロジェクト~」
 以上のように、徐々に取り組み始めているところです。

 地域の語り部さんという言葉を耳にすることもあるかと思いますが、地域全体のお話や詳しいお話ができる少数の語り部さんも大事ですが、ごくごく身近な身の回りのことを語る語り部さんが市内にあふれることも大切だと考えています。近所の木や祠、昔話など、身近なことを目をキラッキラさせながら自慢げに語りあいたいものです。

 「ふるさと〇〇博物館~掘り起こし・育み・伝えるプロジェクト~」は、まさに生まれたての事業です。そのまま同じ事を実施している自治体がほかにあるわけではなくオリジナリティの強い取り組みですので、文化財課としても手探りをしながら進めているところです。

 「ふるさと〇〇博物館」で実施するフィールドワークやイベントでは、以下に示すようなロゴを掲げて、どんどんアピールしていこうと考えています。見かけられましたら、お気軽にお声かけください。

 みなさまのご理解とご協力をよろしくお願い致します。
 

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ロゴは、市内で活躍されているトンボロデザインのデザイナー若岡伸也氏によるものです

【南アルプス市教育委員会文化財課】

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