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 山梨県の西側、南アルプス山麓に位置する八田村、白根町、芦安村、若草町、櫛形町、甲西町の4町2村が、2003(平成15)年4月1日に合併して南アルプス市となりました。市の名前の由来となった南アルプスは、日本第2位の高峰である北岳をはじめ、間ノ岳、農鳥岳、仙丈ケ岳、鳳凰三山、甲斐駒ケ岳など3000メートル級の山々が連ります。そのふもとをながれる御勅使川、滝沢川、坪川の3つの水系沿いに市街地が広がっています。サクランボ、桃、スモモ、ぶどう、なし、柿、キウイフルーツ、リンゴといった果樹栽培など、これまでこの地に根づいてきた豊かな風土は、そのまま南アルプス市を印象づけるもうひとつの顔となっています。

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【連載 今、南アルプスが面白い】

唯一の市指定文化財名勝 懸腰山

 現在南アルプス市内の指定・登録文化財はその数約150ありますが、一口に「文化財」と言っても、古民家や寺社に代表される「建造物」、仏像や神像に代表される「彫刻」、動植物等に代表される「天然記念物」等、様々な種類があります。その中でも、「名勝」という種類があるのをご存知でしょうか?
 「名勝」とは、芸術上または鑑賞上価値が高い土地について、国や地方公共団体が指定を行ったものです。広く知られているものとして、日本三景として名高い松島、天橋立、厳島、山梨県内では富士山、御嶽昇仙峡、恵林寺庭園等が挙げられます。
 南アルプス市にも唯一、名勝で市指定文化財となっている場所があります。それは甲西地区湯沢にある懸腰山です。当時の甲西町において最もすぐれた風光明媚な場所であったことから、昭和44年11月13日に町指定文化財になり今日に至ります。
 
 
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【写真】懸腰山
 
 懸腰山は、文永11年(1274年)、甲斐国内を巡錫中の日蓮上人がこの地を通りかかった際、道端の松の木に袈裟を掛け、巨石に腰を下ろし、西側に山を見渡せ、東南には眼下に広がる奥深く静寂あふれる景色を楽しみつつ休まれたという言い伝えが残っており、そのことからこの地を懸腰山と命名したと言われています。正中年間に直弟子日了証人がこの旧跡を残そうと碑を建立し、さらに江戸時代初期、日運上人が日蓮上人をしのび約30年の年月をかけ堂宇を建立しています。
 
 
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【写真】現在の懸腰山から望む眺望(1) 晴れていれば富士山も望める
 
 
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【写真】現在の懸腰山から望む眺望(2)
 
 
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【写真】懸腰山から花のころの甲西町(甲西町誌より)
 
 
 昭和48年発行の甲西町誌によると、懸腰山の鐘の音は甲府盆地に響き渡り、小学校児童の遠足は懸腰山と決められていたであるとか、明治45年の春、桃の花の中を100台近くのガタ馬車を連ねて懸腰山へ登っていった甲府からの花見客があったとの記述があり、地域周辺の人々に大変親しまれていたと考えられます。
 また、懸腰山の名を持つやはり甲西地区湯沢にある本清寺は懸腰山から車で行くと5分もかからず下った場所に建立されており、敷地内のカヤの木も懸腰山と同日に当時の甲西町指定文化財となり今日に至ります。
 
 
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【写真】本清寺
 
 
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【写真】本清寺のカヤの木
 
 
 長い年月が流れ、近代的な建造物も見受けられる中でも眼下に広がる景色は今現在も変わらず人々の心に深い印象を刻んでいます。日蓮宗を広めるための道中この地に赴いた日蓮上人や日蓮上人の思いを形にした日了証人と日運上人に思いを馳せながら、懸腰山に訪れてみてはいかがでしょうか。
 
 

【南アルプス市教育委員会文化財課】

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