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南アルプス市は、山梨日日新聞社とタイアップして「南アルプス市ふるさとメール」を発信しています。ふるさとの最新情報や観光情報、山梨日日新聞に掲載された市に関係する記事などをサイトに掲載し、さらに会員登録者にはダイジェスト版メールもお届けします。お楽しみください!

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プロフィール

 山梨県の西側、南アルプス山麓に位置する八田村、白根町、芦安村、若草町、櫛形町、甲西町の4町2村が、2003(平成15)年4月1日に合併して南アルプス市となりました。市の名前の由来となった南アルプスは、日本第2位の高峰である北岳をはじめ、間ノ岳、農鳥岳、仙丈ケ岳、鳳凰三山、甲斐駒ケ岳など3000メートル級の山々が連ります。そのふもとをながれる御勅使川、滝沢川、坪川の3つの水系沿いに市街地が広がっています。サクランボ、桃、スモモ、ぶどう、なし、柿、キウイフルーツ、リンゴといった果樹栽培など、これまでこの地に根づいてきた豊かな風土は、そのまま南アルプス市を印象づけるもうひとつの顔となっています。

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【連載 今、南アルプスが面白い】

女たちの山仕事

 これまで2回芦安地区の山仕事についてお話してきました。今回のふるさとメールは女性にスポットを当てて、山仕事を紹介したいと思います。
 女性は、家の仕事のほかに、山仕事をする男の人に食料や日用品を届けたり、木炭等の生産加工品を村まで運ぶ仕事を分担しました。

 重い荷物やかさばるものを運ぶのに使ったのが背負子です。背負子は2本の縦骨に2本または3本の桟(かけはし)を横に渡した梯子式に作ったもので、下の部分に腰縄を何列も巻き、肩で背負うのに便利なように紐をつけます。
 多いときには50~60kgの荷物を背負って山道を歩きました。途中、休憩を挟みながら歩くのですが、休憩では背負子の下に杖をあてがって立ったまま休んだといいます。重い荷物は一度降ろして座ってしまうと、再び立ち上がるのが大変だからです。

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【写真】=薪を運ぶ女性

 朝は日が昇る前に起き、早く起きた人が近所の人を起こして回ったそうです。天気予報がない時代なので月や星、雲の流れで天気を予測し、朝食を済ませて準備ができると出発しました。家を出ると大石の車地蔵で待ち合わせ、夜叉神峠、桧尾峠などそれぞれグループを作って出発しますが、暗いときは提灯を持って歩いたそうです。

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【写真】=待ち合わせに使用した大石の車地蔵

 歩きながら夢や希望を話し、歌を歌い、上り坂ではゆっくり歩きながら縫い物や編み物を器用にこなしたといいます。
 目的地に着くと、物資の受け渡しや打ち合わせをして帰途に着きます。大石山之神まで帰ってくるとゆっくり休んで、明日の打ち合わせなどをして家路を急ぎました。
 女性たちは一日の仕事が終わると、夜は「夜なべ」をして針仕事や藁細工などもしました。

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【写真】=木炭を運ぶ女性(木炭は1表5貫あったそうです)

 夜叉神峠から鳳凰三山へ向かう途中に杖立峠という場所があります。登山者の多くはここで腰を下ろして休憩をします。ここは、前述のように杖を背負子の下にあてがって休んだため、いつからか杖立峠と言われるようになったと伝わっています。
 昔の女性たちは、今の私たちでは想像できないような苦労をしてきました。
 50~60kgの荷物がどれだけ重いのか、みなさん身近にあるもので試してみてはいかがでしょうか。

 

【南アルプス市教育委員会文化財課】

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