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 山梨県の西側、南アルプス山麓に位置する八田村、白根町、芦安村、若草町、櫛形町、甲西町の4町2村が、2003(平成15)年4月1日に合併して南アルプス市となりました。市の名前の由来となった南アルプスは、日本第2位の高峰である北岳をはじめ、間ノ岳、農鳥岳、仙丈ケ岳、鳳凰三山、甲斐駒ケ岳など3000メートル級の山々が連ります。そのふもとをながれる御勅使川、滝沢川、坪川の3つの水系沿いに市街地が広がっています。サクランボ、桃、スモモ、ぶどう、なし、柿、キウイフルーツ、リンゴといった果樹栽培など、これまでこの地に根づいてきた豊かな風土は、そのまま南アルプス市を印象づけるもうひとつの顔となっています。

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【連載 今、南アルプスが面白い】

まちの宝箱
~「ふるさと文化伝承館」リニューアルオープン~

 元号が変わり、今月より令和元年がスタートしましたね。市内には同じく今月18日に新たに生まれ変わりスタートする施設があります。文化財課が運営する「ふるさと文化伝承館」です。
 今回は、新しく生まれ変わる「ふるさと文化伝承館」の見所や、開館後には観ることのできない会館準備の様子などをご紹介します。

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【写真】ポスター

 

はじめに
 「ふるさと文化伝承館」は八田地区野牛島の「湧暇李の里」内にあり、昨年夏より改修工事のために休館していました。エアコンや照明などといった故障した設備を改修するだけの目的で行われた工事ですので、リニューアルというよりは単純に改修工事終了に伴う開館と言った方がふさわしいかもしれません。よって、建物自体は休館前の状態とほとんど変わってなく、変化に気付かない方が多いと思います。面積も変わらなければ間取りも変わっていません。

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【写真】工事中の様子と、工事終了直後の展示室

 

 しかしながら、1年近く休館していましたので、せっかくであれば展示内容も新しくして皆さまと再会したいと、館内の引越し作業の合間を見ては、手作りに近い状態で展示を準備してきました。完璧と言う状態ではなく、これから皆さまと共に作り上げていく発展途上の展示公開となりますが、ふるさと文化伝承館は、そのように共に育むコミュニティの場を兼ねた展示館なのです。

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【写真】作業中の風景

 

どんな施設?
 「ふるさと文化伝承館」は、南アルプス市の郷土の歴史や文化の歩みについて、①調査し、②史資料を収集・保管したり、③展示公開する小さな施設ですが、狭くても、本物にさわったり五感で学んでいただこうと、「体験すること」も大切にしています。そこでイベントも豊富に開催してきました。
 市外からお越しの方には「南アルプス市ってこんなに素敵なところなんだ」と発見していただきファンになっていただくこと、そして市民のみなさまには、南アルプス市を再発見していただき、誇りに思っていただくこと。そんな風に誘える施設になれば良いと考えています。
 また、さまざまな市民のみなさまと関わりを大切にしながら育てていくと言う点もこれまでどおり継続する予定です。再開にあたり、コンセプトを変えることはなく、より深めいく予定です。展示内容にも反映させ、これまで以上に市民の皆さまが主役になれる展示館、博物館をめざします。

 

「ふるさと〇〇博物館」の拠点
 では、どんなところに変化があるのか。
 まず、玄関横のバナーを一新し、メッセージをこめてみました。バナーには鋳物師屋遺跡の土器から南アルプス市の歴史を語るさまざまなモノが飛び出してます。有名なものばかりではありません。個人の方が持っていたものなども飛び出していますが、どれも地域のストーリーを雄弁意語るものばかりです。あたかも南アルプス市の宝物が箱から飛び出しているようです。ふるさと文化伝承館にもそのような地域を物語る宝物で一杯です。

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【写真】ふるさと文化伝承館の外観

 

 新しくなったバナーを横目に玄関に入っていただくと、先ず最初に床面に張り出された大きな航空写真がみなさんをお迎えします。南アルプス市の市街地全体を映し出したもので、その奥には並んで昭和22年の航空写真も床面に貼ってあり、移り変わりをご覧いただくことができます。まずは導入として市内全体をご覧いただこうというものですが、自分の家を探したり、今ある道がかつては無かったり、昔の川幅に驚いたりと、ここを眺めるだけでも楽しい時間をお過ごしいただけそうです。

 

 この航空写真もそうですが、リニューアルのひとつの大きな特徴は、文化財課が取り組んでいる「ふるさと〇〇博物館」の拠点としての部分を前面に打ち出すことで、市民の皆さまが主体的に感じ取れるような展示を増やすよう心がけています。これまでの取組みで蓄積してきたデータや収蔵した民具などの史資料などは期間ごとにテーマを決めた「テーマ展示」として公開していきます。
 これまで1階にあった民具の常設展示は主にこのテーマ展示へと変わり、収蔵庫に保管してある膨大な量の民具を、入れ替わりご紹介しようというものです。第1回となるオープン記念のテーマ展示は「ふるさと〇〇博物館‐南アルプスのたべもの風物誌」と題して開催いたします。
 きっと、あれ、「うちが寄贈したやつじゃん!」とか、「うちにも似たようなものがあるね」と会話がはずむことと思います。これを機にさらに収蔵量や情報提供量が増えていくものと期待しています。
 また、ふるさと〇〇博物館の一つのウリでもあり、全国から注目を得たウェブサイト「〇博アーカイブ」を大きなスクリーンに映し出して、皆さんが自由に操作することができるコーナーを常設します。自宅のPCでは動作が重いと言う方も伝承館で体感することができます。南アルプス市の何気ない風景の中にある魅力や人々の記憶を直感的に感じていただけると思います。

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【写真】〇博アーカイブ

 

オープン記念テーマ展示
「ふるさと〇〇博物館‐南アルプスのたべもの風物誌」
 これまでにもここでご紹介してきたように、南アルプス市の独特な環境が独特な食文化や生業を培ってきました。それらを物語るモノやエピソードが各地域の各家庭にあります。ふるさと〇〇博物館では、それらのファミリーヒストリーを紡いでいく取組みを行っていますが、その中で「たべもの」に関するモノやコトをご紹介します。実際に道具類に触れたり体験できるコーナーもあります。
 また、展示期間中、郷土食である薄焼きについて、皆さんのお宅のレシピを紹介していただくコーナー「知ってますか?お隣の薄焼き(仮称)」もあります。「薄焼き」と一言で言いましても、地域によって実に様々な具材や食べ物であることが分かりましたので、皆さんにご紹介すると同時に、この機会に皆さんのお宅のレシピを教えてもらおうという作戦です。

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【写真】テーマ展示の展示作業中の様子

 

ミニテーマ展「調理の器」
 また、これまで特別なときにだけ公開していた第2収蔵庫の一部を常時公開することとしました。土器などの考古資料を収蔵している部屋ですが、このスペースもミニテーマ展として期間限定で内容を入れ替え、膨大な量の考古資料を順次ご紹介しようというものです。今回は、テーマ展示に連動して、「調理の器」と題した特集展示としています。

 

常設コーナーも大きく様変わり!
 ここからは常設コーナーのご紹介です
 これまでにも、子どもたちが体験できるメニューを用意していましたが、リニューアル後は、階段下のトンネルのような空間を利用して、子どもたちに楽しんでいただこうと考えています。トンネルの壁や天井にはマグネットで遊べたり、黒板があって、いろんな遊びも楽しめます。もちろんこれまでにも大人気だった土器パズルなどは健在です。土偶つくりや火起こし体験も基本的には予約無しでできます(混雑時などは対応できない場合もあります)。
 常設展示は、「足元に眠る」と題し、各遺跡から出土した土器や石器などの資料を展示するコーナーに加え、「水との闘い」と題して、独特の地形ゆえに知恵と工夫で困難を乗り越え、命をつなげてきた足跡をたどります。現在の果樹産業の礎が見えてきます。
 2階の縄文時代の展示室は、昨年パリで紹介された鋳物師屋遺跡の縄文土器や土偶も帰国後の初公開となりますし、膨大な量の土器に囲まれる展示となっています。

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【写真】「足元に眠る」の展示作業中の様子

 

みなさまと育んでゆきたい
 全ての展示をこの場でご紹介することは難しいので、ぜひ、直接ご覧いただきたいと思います。ふるさと文化伝承館は膨大な量の資料やデータを蓄積しています。もちろん今も現在進行形で蓄積し続けています。伝承館はまるでまちの宝箱なんです。そのようなお宝をご覧いただくだけでなく、さまざまな調査活動や宝を育てるワークショップも展開していく予定ですので、そのような活動にもぜひご参加ください。また、ふるさと〇〇博物館の活動拠点でもありますので、やはり皆さまの何気ない思い出話も沢山募集しています。みんな宝物です。それらが集まると南アルプス市の魅力はより深まっていくものと思っています。

 皆さまの参加により、より誇りとなる南アルプス市を築いていけたら良いなと願っております。今後とも「ふるさと文化伝承館」をよろしくお願いいたします。
 いよいよ5月18日、みなさまの「ふるさと文化伝承館」が始まります。

【南アルプス市教育委員会文化財課】

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