【ミニコラム】シェリー編
久しぶりに農場以外のワインの話題です。
先日、都内で開かれたセミナー「シェリーの世界と、シェリーエデュケーターの重要性」(米国ワインエデュケーター協会=SWE=日本支部主催)に参加する機会がありました。
講師は、明比淑子氏(シェリー委員会日本代表)、児島速人氏(SWE理事・日本支部長)、原雄美子氏(SWE日本支部)。シェリーの歴史やワインスタイル、栽培・醸造などを学び、テイスティングをしました。
シェリーは世界三大酒精強化ワインの一つで、スペイン・アンダルシアのヘレス地域で造られたもの。「フロール」と呼ばれる膜が独特の風味を与えることや、「ソレラ」という特有の熟成法で知られます。フロールによって酸素にあまり触れずに生物学的熟成をした「フィノ」、フロールを介さずに酸化的熟成をした「オロロソ」に大きく分けられます。
シェリーは比較的、幅広い料理に合わせやすいとの話でした。辛口で軽く、デリケートな味わいのフィノは、シェリーの中でも一番の売れ筋。イースト香に特徴があります。フィノの仲間で「アモンティヤード」というスタイルがありますが、児島氏は「シェリーの中でも料理に一番合わせやすい」と話しました。淡い麦わら色のフィノよりもやや色は濃く琥珀(こはく)色から淡いマホガニー色で、ナッツのような香りが確認できます。
ちなみに、あまり認識がありませんでしたが、シェリーはボトル熟成しないそうです。買ってから適切な期間に消費するのが望ましく、未開栓ボトルで、フィノは12~18カ月、オロロソは24~36カ月とされます。
この日は、本年度シェリーエデュケーター日本代表候補2人を決める選考会も開かれました。2人(東京、長野)は、10月にヘレスで3日間にわたって英語で行われる、シェリー委員会主催の講習会を受講し認定試験を受けて、正式に認定されます。現在、世界で約100人、日本から6人が認定されているそうです。
以下、選考会のサンプル問題を紹介します(解答はリリースされませんでした)。
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During the domination of Arabs, “Jerez” was called:
- Xerez
- Ceret
- Sherish
- Xera
- Wind which brings freshness and humidity to Jerez from the west is called:
- Mistral
- Levante
- Poniente
- Zonda
- Which of the following statements regarding Palomino grape is incorrect?
- It is a white vinifera grape with large bunches, medium sized fruit and pale green color.
- It has a very low total acidity.
- The average sugar content is very high of about 14 degrees Baumé or 26 degrees Brix.
- It has a synonym of « Palomino Fino«.
- What is « Mosto de Yema« in Sherry winemaking?
- Alcohol for fortification.
- The best must used for Sherry making with light pressing.
- Sweetening agent for Sherry making.
- Fining agent for Sherry making.
- Which of the following statements regarding “Flor” of Sherry is incorrect?
- It is caused by the yeast strains group called “Saccharomyces”
- It protects the wine from oxidation.
- It produces acetaldehydes and CO2.
- It protects the dissolving of alcohol into wine
(2011年07月24日更新)