トップページへ

圃場データ

標高
350メートル
栽培
ヴィニュロンズクラブ
栽培品種 メルロー(約900本)
栽培面積
17アール
台木
5BB、3309、101-14
植樹
2008年3月22日
栽培品種 シャルドネ(約900本)
栽培面積
20アール
台木
101-14
クローン
95番、96番、277番
植樹
2012年6月16日
栽培品種  シャルドネ(約490本)
栽培面積
17アール
台木
101-14
植樹
2013年3月31日

ブログ担当 プロフィール

古畑昌利
山日YBSグループ勤務。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート・エクセレンス、SAKE DIPLOMA。米国ワインエデュケーター協会認定ワインスペシャリスト(CSW)

ブドウの生理

若手醸造家・農家研究会(武井千周代表)のメンバーを対象にした、米国最大のワイン研究機関であるカリフォルニア大デービス校(UCデービス)のマーク・マシューズ教授(植物生理学)による講演を聴講しました。テーマは、ブドウ栽培についてです。

20080715_1

以下、印象に残った部分について備忘録的にメモを残します。

  • カビが原因の病気(うどん粉病など)を初期に防ぐには、カビの生理を知ることが大切。胞子の発芽には水が必要で、感染するにも水が必要。胞子形成するために必要な相対湿度は95%以上。カビの活動する温度は10-29度で、最適なのは18-24度。
  • UCデービスでは、天候のファクターを指数にして農薬の頻度を測る方法を開発している。つぼみがほころんだ後、3日連続で21-29度が6時間続いたら観測を始め、21-29度が6時間続いたら、それぞれの日に20点加算。6時間以下、あるいは35度以上ならば10点引く。指数は0~100までの間に入り、0~30ならばスプレーの間隔を長くとり、40~50は普通にスプレー、60以上は頻繁にスプレーする。
  • 葉面積は、ブドウ1グラム当たり10-12平方センチメートルが基本。
  • ブドウの収量を多くすると、ベレーゾン後、糖度が上がるまでにより日数がかかる。つまり、成熟に時間がかかる。
  • 実の表面温度は光の作用、中でも直射日光によって上昇する。房への微気象、温度、風はブドウの成熟に大きな影響を与える。直射日光は気温プラス12度まで達し、気温が30度ならばブドウは42度にもなる。40度ともなるとブドウがやけどしてしまう。除葉しすぎると、日焼けをしやすい。太陽光の10%あればブドウはよく熟す。
  • ワインの品質向上プログラムとして、レイトハーベスト、暗きょ排水など乾燥状態の促進、着色を増すためにABA(植物ホルモンのアブシジン酸)などの使用を試す-など。

結びとして、甲州種ワインでは、スパークリングワイン生産の推奨と、海外に売るマーケティング戦略が非常に大事だと強調していました。

(2008年07月15日更新)

鳥居平と菱山 / トップページ / 6月の天候

記事・写真・イラストの無断掲載・転用を禁じます。Copyright 2008 山梨日日新聞社 THE YAMANASHI NICHINICHI SHIMBUN.