桔梗ケ原のメルロー(2)
次に、メルシャンが自社栽培している垣根式によるメルローの畑を見学しました。
写真左は、1999年に塩尻分場の一角で最初に始めた自社畑です。2000年から自社畑での本格的な垣根栽培を始め、現在は3カ所で合わせて約0.8ヘクタール。垣根栽培の中でもギュヨー式のシングル(※)を主に採用しているとの説明でした。
この日のメーンイベントの一つは、芽かき体験。ブドウの木の樹齢が8年目になる畑に入って、不要な芽を取り除きました。今年は、例年よりも芽の伸びが遅いそうです。確かに小さな新芽も目立ちました。
垣根の一番下のワイヤに近い新梢は来年の結果母枝になります。この芽はとても大事です。とらずに、きちんと残しておきます。それにしても、木の周りのいろんなところから芽が出ていて、面白いです。
現在、桔梗ケ原地区内に点在する同社の契約栽培畑は約9ヘクタールとのことですが、これらのほとんどが棚栽培。その一方、棚式とは異なる個性を持ったブドウを求めて、自社畑で垣根栽培への挑戦を続けてきたそうです。その試みが実を結び、今年6月、垣根栽培のメルローを発売以来初めてブレンドした「シャトー・メルシャン 桔梗ケ原メルロー2004 シグナチャー」が発売されるとのことです。
1999年に垣根栽培を始めて、2004年に仕込み、その後樽で寝かして2008年に発売ですから、分かってはいるつもりですが、ワインづくりは時間がかかりますね。
※ギュヨー式 垣根仕立ての一つで、ボルドーやブルゴーニュで見られる方式。長梢1本と短梢1本を残すのがシングル。それぞれ2本ずつ残すのがダブル。
(2008年05月18日更新)