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圃場データ

標高
350メートル
栽培
ヴィニュロンズクラブ
栽培品種 メルロー(約900本)
栽培面積
17アール
台木
5BB、3309、101-14
植樹
2008年3月22日
栽培品種 シャルドネ(約900本)
栽培面積
20アール
台木
101-14
クローン
95番、96番、277番
植樹
2012年6月16日
栽培品種  シャルドネ(約490本)
栽培面積
17アール
台木
101-14
植樹
2013年3月31日

ブログ担当 プロフィール

古畑昌利
山日YBSグループ勤務。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート・エクセレンス、SAKE DIPLOMA。米国ワインエデュケーター協会認定ワインスペシャリスト(CSW)

桔梗ケ原のメルロー(3)

最後はテイスティングセミナーの報告です。

1
まず8種類の赤ワインをブラインドテイスティングしました。与えられた情報はヴィンテージ(年代)のみ。1985年、90年、98年、2002年を各2種類ずつ試飲しました。85年、90年はワインの色合いにオレンジエッジがあり、外観からも熟成したワインと分かります。いずれも味わいは複雑で、コメントを求められた著名なソムリエの方々も多様な言葉でワインを表現していました。時間の変化とともに、ワインも著しく変わっていきます。

先入観を持たないという狙いで銘柄は隠されていましたが、一通りのテイスティングが終わってワインが発表されると会場がどよめきました。いずれも年代違いの同じワインで、一つはメルシャンの「桔梗ケ原メルロー」。こちらはうすうす見当がつきますが、もう一つがなんと、「ヴュー・シャトー・セルタン」だったのです。公的な格付けのないポムロール(ボルドー)のワインですが、慣習上の特級「ペトリュス」に次ぐクラスの高級ワイン。同じテーブルに並んでも遜色(そんしょく)なく、桔梗ケ原メルローの品質の高さを見せつけられました。中でも90年の桔梗ケ原メルローは、ブラインド段階のテイスティングでも高い評価を得ていました。

2
メルシャン勝沼ワイナリーの次長、味村興成さんから桔梗ケ原メルローの変遷について説明がありました。中でも98年はシャトー・マルゴー(※)の最高醸造責任者ポール・ポンタリエさんをコンサルタントとして招へいしたり、ブドウ収穫時に「適熟」の概念を取り入れるなど、思い入れの強い年だったそうです。

その後、4種類のワインをテイスティング。同じく最初はブラインドでしたが、すべて2004年。結局、こちらはすべて桔梗ケ原メルローでしたが、棚栽培、棚栽培の粒選り、垣根栽培、棚と垣根のブレンドのワインと、同じ年でも原料によるワインの違いを勉強でき、興味深いセミナーでした。

セミナーでのこぼれ話を2点。

3
珍しいブドウの芽の天ぷらをいただきました。メルロー、シャルドネと赤、白そろえてありました(笑)。

4
醸造免許を持っている長野・塩尻志学館高校でつくったワインをテイスティングする機会がありました。メルロー、マスカット・ベリーA、ナイアガラの3種類すべて試しましたが、なかなかのワインです。ここの生徒さんはフランス・ボルドーなどにも研修に行っているそうです。


※シャトー・マルゴー ボルドーのメドック格付け第1級。

(2008年05月20日更新)

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