芦安山岳館は、山梨日日新聞社とタイアップして「芦安山岳館メール」を発信しています。南アルプスの最新情報や観光情報、山梨日日新聞に掲載された山岳に関係する記事などをサイトに掲載し、さらに会員登録者にはダイジェスト版メールもお届けします。お楽しみください!

南アルプスNETホームページへ

山岳関連ニュース

季節の便り

山梨県内のニュース

プロフィール

 南アルプス芦安山岳館は、2003年3月21日に開館しました。山岳文化の発掘と研究・継承、自然保護や安全登山の普及、山を仲立ちとしたさまざまな交流の実現を目的としています。氷河時代から数万年を生き続けるキタダケソウやライチョウが住む3000メートルの高山、生活と結びついて文化や産業、技術を育ててきた里山。芦安地域は自然、文化ともに魅力に満ちた地域です。山岳館はその一端を知っていただく施設です。また、この施設は、県産材の利用促進を図ることを目的としたモデル的施設でもあります。多くの方に見学していただき、県産材の良さを知っていただきたいと思います。

お知らせ

南アルプス芦安山岳館メール閲覧ページのURLアドレスが変わりました。ブックマーク(お気に入り)やリンクのURLアドレスの変更をお願い致します。

https://sannichi.lekumo.biz/ashiyasu/

【山岳館便り】

芦安「瀬戸千段の滝」ツアー記者同行 冬の遊歩道、魅力発見

300_p22_0

 昨年再整備された南アルプス市芦安地区の遊歩道を歩き、御勅使川上流部にある「瀬戸千段の滝」を目指す冬のツアーが行われた。地域の隠れた見どころを掘り起こし、観光資源として活用する試み。近隣の集落も散策し地域の歴史を学んだ。山梨日日新聞記者も同行して魅力を探った。

 ツアーはNPO法人「芦安ファンクラブ」(清水准一会長)が実施した。遊歩道は御勅使川に架かる瀬戸大橋付近から始まる。20年ほど前の旧芦安村時代に整備されたが、荒廃が進んでいた。同法人が昨年8~10月、階段を造り直すなどして利用できるようになった。
 雪がちらつく1月26日の午後、芦安山岳館に県内外の約20人が集合した。車で遊歩道入り口まで移動し、滝の歴史について模型で説明を受けた後、アイゼンなどを装備して2グループに分かれて登り始めた。

201902084

 遊歩道は落ち葉に覆い尽くされていて、滑らないように慎重に足を運ぶのだが、再整備で設置された手すりや鎖は欠かせない。「ここから狭くなるから気を付けて」。同法人メンバーが時折声を掛けてくれた。「のぞき見の滝」「三段の滝」を経て、入り口から20分ほどで瀬戸千段の滝展望台に到着した。
 落差が約300メートルあるという滝のうち、目線は下から100メートルほどの高さ。所々氷に覆われ、切れ目からは水がさらさらと流れ落ちる。自然がつくり出す景観に、しばらく目を奪われる。「凍った滝も風情があるね」。参加者は記念撮影を楽しんだ。約10分の滞在後、Uターン。下りは特に慎重に足を運び、登り以上に力が入った。
 遊歩道入り口まで戻り、車で数分の距離にある大曽利、沓沢の集落へ。道祖神の特徴といった地区の民俗や歴史、早川町奈良田地区との交流などについて解説を受けた。沓沢地区の集会場では、参加者に温かい紅茶と干し柿を振る舞ってくれた。冷えて疲れた体に染み、心も解きほぐしてくれるような甘さだった。

201902085

 東京都江戸川区西葛西の主婦は友人2人と参加。「巨大なつららのような滝の姿や、地元の方の温かいもてなしに感動した。芦安が多くの人に愛されていることが伝わってきた」
 同法人メンバーで芦安地区を拠点にしている地域おこし協力隊の中島さんは「遊歩道を観光資源として活用していきたい。地元の方にガイドを依頼するなど地域と連携できるツアーもできれば」と話す。2時間半ほどの「小旅行」だったが、芦安地区の自然と人々の温かさに触れることができた。
 同法人は「冬季は雪が降り、凍結している場所もある。滑り止めなどをしっかり準備してほしい」としている。

【写真上】瀬戸千段の滝へと続く遊歩道を歩く参加者=南アルプス市芦安安通
【写真下】一部が凍結した滝。次々とカメラに収める姿が目立った=南アルプス市芦安安通

【山梨日日新聞 2月8日掲載】

[南アルプス芦安山岳館]
「南アルプスNET」はこちらから

≪ 前の記事 | トップページ | 次の記事 ≫