本年度で閉園する南アルプス市芦安芦倉の山村留学施設「南アルプスチロル学園」(深沢秀学園長)の閉園式が26日、行われた。在園生や保護者、地域住民ら約50人が参加し、19年の歩みに別れを告げた。
式では、深沢学園長が「閉園は残念だが、胸を張ってみんなで再会できるように頑張りましょう」とあいさつ。在園生を代表して岩崎未歩さんが「1年間の共同生活で家族や仲間の大切さを感じることができた。地元に戻っても芦安での経験を生かして努力していきたい」と感謝の気持ちや決意を述べた。
式後、卒園生らも駆け付けて「感謝の会」が開かれた。在園生が南アルプスの登山や誕生日会、芦安地区のイベントに参加したときの思い出などをスライドショーで発表。在園生と卒園生が協力して作った歌なども披露された。
同学園は、都会の小中学生の受け入れを目的に1994年に旧芦安村が開園。これまでに首都圏を中心に約200人を受け入れ、子どもたちが親元を離れて施設で寝泊まりしながら、芦安小・中に通学。地域との交流を深めてきた。しかし、入園者数の減少や厳しい財政状況などを踏まえ、市教委が留学生受け入れ制度の廃止を決めた。
(写真)スライドショーで思い出を紹介する在園生=南アルプス市芦安芦倉
【山梨日日新聞 3月27日掲載】