南アルプス・芦安小中は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の理念に基づいた教育を推進する「ユネスコスクール」に加盟申請する。加盟承認されれば県内初。世界にある加盟校のネットワークを通して、両校の活動内容のPRや国際的な情報交換が可能になる。両校は、南アルプスの麓の自然を生かして取り組んでいる環境教育などをさらに充実させていく考えだ。
同スクールは世界各国に8500校以上あり、国内では幼稚園や小中学校、高校、大学など昨年12月現在で237校が加盟。国際理解教育や環境教育、人権、民主主義の理解と促進などが研究テーマで、加盟校間で情報交換などを行っている。教材の提供や助成金を受けることもできるほか、国際交流面でのメリットもある。
両校はこれまで、豊かな自然や小規模校の特性を生かしたさまざまな取り組みを展開。芦安小は農作物の栽培や植林活動など、芦安中は南アルプスの山々の登山などを行っている。ユネスコスクール加盟のメリットを生かし、こうした活動をさらに充実させていく。
また、南アルプスにかかわる県内外の市町村が目指すのがユネスコの世界自然遺産登録。両校は、スクール加盟で、南アルプスの魅力や地元での活動の様子などを、積極的に発信できる効果にも期待している。
両校は加盟に向け、学校概要などをまとめた申請書を市教委へ提出。今後、関係機関を経てユネスコ本部へ送られ、加盟承認される見通しだ。
【山梨日日新聞社 1月21日掲載】