ワインのアロマ
山梨県ワイン酒造組合の「若手醸造家・農家研究会」(武井千周代表)は、山梨大甲府キャンパスで、2回目となる官能評価勉強会を開きました。今回のテーマは「ワインのアロマ」。講師は甲州市勝沼町の丸藤葡萄酒工業、安蔵正子さん(ボルドー大学・ワイン利酒適正資格取得)です。
ワインの香りは、ブドウ由来の「第一アロマ」と、発酵由来の「第二アロマ」、熟成由来の「第三アロマ(ブーケ)」に分けられます。今回は第一、第二について学びました。8種類のサンプルがテーブルに並び、実際に香りを確かめました。
以下は8種類のサンプルです。
▽第一アロマ
・ゲラニオール(バラの香り)
・リナロール(ラベンダーの香り)
・シトロネロール(レモンの香り)
・アントラニル酸メチル(※ラブルスカ種・※フォクシーフレーバー)
・β-イオノン(スミレの香り)
・β-ダマセノン(焼リンゴ、南国のフルーツの香り)
▽第二アロマ
・3MH=3-メルカプトヘキサノール(グレープフルーツ、パッションフルーツの香り)
・IAA(エステル)酢酸イソアミル(バナナの香り)
サンプルを使って特定の香りだけを確認する作業は、とても貴重な経験でした。「β-イオノンは遺伝的にかげない人がいて、その数も結構多い」(安蔵さん)とのことでしたが、記者にとっても非常にかぎ取りにくい香りでした。でも、スミレの香りって赤ワインでよく使っていますが、その根拠は何によっているのでしょう…。
今回は、ワインのテイスティングも充実していました。テーマは3人の醸造家が感動したワイン。その銘柄を紹介いたします。
▽ラシーヌ(ロワール、クロード・クルトワ氏のワイン)=小山田幸紀氏(ルミエール)
▽ニコラス・カテナ・サパータ(アルゼンチン・メンドーサ)=渡辺直樹氏(サントリー登美の丘ワイナリー)
▽ラ・フルール・ペトリュス(ポムロール)=武井千周氏(マンズワイン)
※ラブルスカ種 アメリカ系ブドウ
※フォクシーフレーバー ヨーロッパ人の好まない香り
(2009年02月23日更新)