プティ・ヴェルド
まだごく一部ですが、山梨で注目されつつある赤ワイン用品種を紹介したいと思います。
その名が「プティ・ヴェルド(PETIT VERDOT)」。フランス・ボルドーの伝統的な品種で、主に左岸の補助品種。近年はボルドーでも見直されているそうです。一般的には、左岸のメドックやグラーブで主品種のカベルネ・ソーヴィニヨンよりも晩熟とされています。
山梨の赤ワインは色が出にくいと言われますが、丸藤葡萄酒工業(甲州市勝沼町、大村春夫社長)ではプティ・ヴェルドの可能性に手応えを感じ、生産量を増やす傾向にあります。このワイナリーでは、本場でも珍しいプティ・ヴェルド100%のワインも造っています。
写真は、同社の試験園で棚栽培しているプティ・ヴェルド。棚の中でも、一文字短梢という規則性を持たせた方式を導入しています。このブドウ畑では、このほかソーヴィニヨン・ブラン、メルローなども育てています。
試験園のプティ・ヴェルドは今年、10月上旬が収穫日。ブドウはその場で未熟果などを取り除く選果を行い、醸造場へと運ばれます。
写真は、同社の北畑で栽培しているプティ・ヴェルド。こちらは垣根造りで、今年の収穫は10月中旬でした。このほか、この品種の契約栽培もしているそうです。ブドウに笠がかかっているのは晩腐病という病気に弱いため、降雨による感染を防ぐためとのこと。
この日は、北畑でカベルネ・ソーヴィニヨンとプティ・ヴェルドの収穫がありました。スタッフ総出で作業に汗を流していました。今年はどんなワインになるのでしょうか、楽しみが膨らみます!
(2008年10月29日更新)