雨よけあれこれ
サントリー登美の丘ワイナリー(甲斐市)のブドウ園を6月半ばに見学する機会がありました。
見晴台(標高600メートル)から撮影しました。もしかしたら、双葉農場も写っているかもしれません。
登美の丘での雨よけ対策を紹介したいと思います。ビニールを2.3メートルの高さに張ってトンネルをつくっているのが特徴です。葉や房に雨がかからないようにして、雨が原因で感染、伝播する病気に効果があります。
栽培技師長の渡辺直樹さんによると、この高さのメリットは(1)摘心などの機械化作業に適している(2)木の成長点(最上部)の温度が上がらず、ビニール下部の葉が焼けない―とのことです。ただ「トンネルが高いため、横殴りの雨にはどうしても弱い傾向がある」とも。
2005年から始め、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティヴェルドの赤ワイン用ブドウ3品種で取り組んでいるとの説明でした。
この畑は下草を生やしたままの草生栽培。土から垣根の第1ワイヤーまでが通常よりも高い1メートルあります。渡辺さんは「作業の効率性と風通しの良さを確保している」と話していました。
フランスの国家資格「エノログ(ワイン醸造士)」を持つ渡辺さんの解説で、サントリーが長野で契約栽培しているメルローをテイスティングする機会もありました。面白かったのが、桔梗ケ原地区と松本今井地区の単一畑のメルローの比較。前者がスパイシー、後者は黒い果実の香りと、同じメルローでも地域で違いがあるのが分かります。
(2008年07月03日更新)