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圃場データ

標高
350メートル
栽培
ヴィニュロンズクラブ
栽培品種 メルロー(約900本)
栽培面積
17アール
台木
5BB、3309、101-14
植樹
2008年3月22日
栽培品種 シャルドネ(約900本)
栽培面積
20アール
台木
101-14
クローン
95番、96番、277番
植樹
2012年6月16日
栽培品種  シャルドネ(約490本)
栽培面積
17アール
台木
101-14
植樹
2013年3月31日

ブログ担当 プロフィール

古畑昌利
山日YBSグループ勤務。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート・エクセレンス、SAKE DIPLOMA。米国ワインエデュケーター協会認定ワインスペシャリスト(CSW)

カーボン・マイレージ

米国ワインエデュケーター協会(SWE)日本支部長の児島速人さんによる「地球温暖化とワイン」をテーマにしたセミナーがこのほど、都内で開かれました。

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今年2月にスペイン・バルセロナで開かれた第2回「地球温暖化とワイン」カンファレンスの内容紹介がメーン。セミナーの中で提唱していました「カーボン・マイレージ」という考え方に興味を持ちました。

ワインはその醸造メカニズムを見ても明らかなように、アルコール発酵は、糖分が酵母の働きでエチルアルコールと炭酸ガス(CO2)に変化する仕組みです。1%のアルコールを醸造するには約1.8%の糖分が必要。ブリックス(糖度)22度(潜在アルコール度数12.2%)の果汁1リットルを発酵させると、107グラムのCO2が発生する計算になるそうです。

さらにワイン輸送時におけるCO2の排出量をみると、船便、船便リーファー(保冷)使用、鉄道輸送(ディーゼル)、トラック輸送、航空便輸送の順に大きくなっていきます。そのほか、樽(たる)製造時のCO2排出を考えると樽不使用、高アルコールよりも低アルコール、コルクも石油化学製品を使わない天然素材など、CO2を中心に考えると飲むべきワインが限られていきます。

面白いのは、これらを踏まえた児島さんによるワイン消費者(東京在住者)への提言。

  • フランスのヌーボー(新酒)=特に空輸もの=ではなく、国産品を飲もう!
  • 国産ワインもカーボン・マイレージでみると、東京に近いのは山梨、長野、山形、北海道の順。東京で飲むには山梨県産ワインがもっともいい!

さらにワイナリーへの提言として、ソーラーシステムの完備や温暖化対策のブランド化などをラベル表示でアピールする仕組みづくりの必要性も指摘していました。

ただ、ワインはあくまで嗜好品。最後は「温暖化対策を意識しつつも、おいしいワインを楽しんでください」とまとめていました。なるほど!!

温暖化問題を考えるスパークリングワインの試飲もありました。

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このうちの1つは、英国産。温暖化の影響で、発泡ワインで知られるフランス・シャンパーニュ地方は最適地が英国南部に移動するとも言われています。英国産の銘柄は「リッジビュー メレ キャヴェンディッシュ 2003」(ピノ・ノワール35%、ピノムニエ27%、シャルドネ38%。瓶内2次発酵)。ワイナリーはサセックス州南部。1994年に創立し、99年産(ヴィンテージ)から生産。ちなみにテイスティングの結果は、4種類のうちシャンパン(モエ)を当てた以外は全滅でした(苦笑)。

(2008年07月24日更新)

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