南アルプス市上市之瀬のエコパ伊奈ケ湖にある「レストハウス伊奈ケ湖」は、市産カリンを有効活用しようと、冬季限定で「花梨パイ」を提供している。
施設によると、カリンは薬用として全国で栽培されていて秋から冬に実を付ける。市内でも作られているが、実は硬くて酸っぱいことから生で食べることはなく、ハチミツ漬けやジャムなどに加工され、多くなりすぎた実は畑に放置されることもあるという。放置農作物の解消とカリンの新たな活用方法として、花梨パイを考案した。
花梨パイは、市内の農家から提供された実を使用。完熟させた実を煮詰めて作ったジャムのほか、バターやラム酒でソテーした実をパイ生地に包んで焼いてある。食べると程よい酸味と独特の食感があり、カリンの風味が口に広がる。
料理長は「カリンを使った菓子を食べたことがある人は少ないと思う。食べることができることを知ってもらい、カリンを食材に利用するヒントにしてほしい」と話している。カリンを使った別の菓子の開発もするという。
1カット500円、テークアウト300円、1ホール(要予約)1500円で2月末まで販売している。問い合わせはエコパ伊奈ケ湖、電話055(283)8700。
(写真)カリンを使った冬季限定のデザート「花梨パイ」
【山梨日日新聞 1月27日掲載】