芦安山岳館は、山梨日日新聞社とタイアップして「芦安山岳館メール」を発信しています。南アルプスの最新情報や観光情報、山梨日日新聞に掲載された山岳に関係する記事などをサイトに掲載し、さらに会員登録者にはダイジェスト版メールもお届けします。お楽しみください!

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 南アルプス芦安山岳館は、2003年3月21日に開館しました。山岳文化の発掘と研究・継承、自然保護や安全登山の普及、山を仲立ちとしたさまざまな交流の実現を目的としています。氷河時代から数万年を生き続けるキタダケソウやライチョウが住む3000メートルの高山、生活と結びついて文化や産業、技術を育ててきた里山。芦安地域は自然、文化ともに魅力に満ちた地域です。山岳館はその一端を知っていただく施設です。また、この施設は、県産材の利用促進を図ることを目的としたモデル的施設でもあります。多くの方に見学していただき、県産材の良さを知っていただきたいと思います。

お知らせ

 南アルプス市芦安山岳館メールは、2023年3月末をもって配信を終了しました。今後は、南アルプスNetやFacebookなどで、山岳情報や観光情報などを随時発信していきます。

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【山岳館便り】

鍛冶職人・山内東一郎作 名工のピッケル寄贈

P16_2 ピッケル作りの名工といわれた鍛冶職人山内東一郎さん(1890~1966年)の作品=写真左=が、南アルプス市芦安芦倉の南アルプス芦安山岳館に寄贈された。全国で現存する山内さん作のピッケルは約700本とされ、所有者のほとんどが手放さないといわれる名品。同館は国内登山史の貴重な資料として、常設展示する考えだ。

 寄贈したのは甲府市高畑1丁目の今沢寛さん(81)。今沢さんは甲府一高の山岳部だった当時、父親が所属していた県内の山岳愛好家でつくる「南嶺会」の会員から譲り受け、自宅で保管していた。

 寄贈されたピッケルは、モリブデン鋼製で長さ82.5センチ。ブレード(刃)とシャフト(手に持つ部分)の接合部分には「山内東一郎作 一六八九」と名前と製品番号が刻印され、シャフトは木で覆われている。

P16_1 同館によると、山内さんは青森県出身で、世界で初めてニッケルクロム銅を使ってピッケルを作った。強く美しい形状のピッケルは「山内のピッケル」と呼ばれ、多くの登山家が高く評価した。受注生産で、生涯で手掛けたピッケルは約2千本。そのほとんどに製品番号が入っているという。

 18日に今沢さんが同館を訪れ、塩沢久仙館長に手渡した。塩沢館長は「山岳の世界では非常に有名なピッケルで、価値がある。寄贈してもらい本当にありがたい」と謝意を述べた。

 今沢さんは「もう使うことはなく、家の中に置いておくだけではもったいないので寄贈した。多くの人に見てもらえたらうれしい」と話している。

(写真)ピッケルを手渡す今沢寛さん(左)=南アルプス市芦安芦倉

 

【山梨日日新聞 9月22日掲載】

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