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安全祈願祭 |
南アルプスの開山まで約1か月となり、今シーズンの登山者の安全と山小屋営業の無事を祈る安全祈願祭が、芦安地区の大石山の神にてとりおこなわれました。この大石山の神は西の山へ入る唯一の玄関口として古くから多くの人に親しまれてきた山の神です。そしてここには、山の神だけでなく、山仕事に従事する者たちの苦しみを救う車地蔵や雨乞いの神として深く信仰されてきた白根大龍権現が祀られており、多くの神仏が私たちの生活と山での安全を守ってくれているのです。
大石山の神 山の神はもともと「山霊の主宰神」であり、山にある動植物をすべて支配しているといわれています。大石山の神は、山に入る人の安全を守護する神として、芦安地域の広大な山林の玄関口であるここに、山の平安を守り続けてほしいとの願いで祀られています。かつて山に入る人々は、手近な常緑樹の枝や野の花を供えて山での安全を祈っていたそうです。
大石の車地蔵 かつてこの地域は、峠を越えて山で働く人が多く、重い荷を背負って歩くので、足を痛める人がとても多かったのです。そこで、霊験あらたかな箱根底倉の車地蔵の分霊をいただいて大石山の神の境内に安置して祀ったのです。
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白根大龍権現 |
白根大龍権現 北岳は、古くから山岳信仰の霊山として多くの修験者たちが登拝していました。直下の岩塊からこんこんと水が湧き出る白根御池の主神は、白根御池大龍王天女といい、五穀豊穣、無病息災、雨乞いを守る神として祀られていました。しかし、登山道は大変困難な道だったので、旧芦安村の熱心な信仰者がその分霊を持ち帰り、大石の上に安置したそうです。