芦安山岳館は、山梨日日新聞社とタイアップして「芦安山岳館メール」を発信しています。南アルプスの最新情報や観光情報、山梨日日新聞に掲載された山岳に関係する記事などをサイトに掲載し、さらに会員登録者にはダイジェスト版メールもお届けします。お楽しみください!

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プロフィール

 南アルプス芦安山岳館は、2003年3月21日に開館しました。山岳文化の発掘と研究・継承、自然保護や安全登山の普及、山を仲立ちとしたさまざまな交流の実現を目的としています。氷河時代から数万年を生き続けるキタダケソウやライチョウが住む3000メートルの高山、生活と結びついて文化や産業、技術を育ててきた里山。芦安地域は自然、文化ともに魅力に満ちた地域です。山岳館はその一端を知っていただく施設です。また、この施設は、県産材の利用促進を図ることを目的としたモデル的施設でもあります。多くの方に見学していただき、県産材の良さを知っていただきたいと思います。

お知らせ

 南アルプス市芦安山岳館メールは、2023年3月末をもって配信を終了しました。今後は、南アルプスNetやFacebookなどで、山岳情報や観光情報などを随時発信していきます。

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2013年1月

【山岳館便り】

芦安小、中 4月から独自に英会話授業

 南アルプス市の芦安小、芦安中が4月から、「英会話科」の授業を独自に始める。国の制度を活用し、「総合的な学習」などの時間を英会話の授業に振り替え、中学校卒業までに英語で日常的な会話ができるレベルを目指す。児童・生徒数が少ない教育環境を逆手に取り、マンツーマンに近い形で指導を受けられることをアピール。学区外からも入学生を募って児童・生徒数を増やす狙いもある。「過疎の学校」の試みは成功するのか。市教委関係者は期待をかけている。

20130127_001 「少ない人数の中で充実した英語の指導が受けられそうだ」。昨年12月、入学を希望する保護者と市教委の面談会。母親は自宅に近い中学校ではなく、山あいにある芦安中を選択した理由をこう説明した。
 芦安小、中の児童・生徒数は過疎化に伴い減少し続けている。小中合わせて約200人が在籍した時代もあったが、1月現在の児童・生徒数は芦安小が25人、芦安中が10人。1学年の子どもの数が国の学級基準を下回っているため、市独自に教員を配置し、複数の学年を1人の教師が指導する複式学級の解消を図っている。
 児童・生徒数を増やし、往時の活気を取り戻すことができないか。旧芦安村時代の1994年には山村留学施設「南アルプスチロル学園」を開園し、首都圏などから子どもの受け入れを始めた。しかし、厳しい財政状況を踏まえ、3月末で閉園することが決まっている。
 こうした中、南アルプス市教委が着目したのが、学習指導要領で定めた教育範囲とは別に、特別なカリキュラムを組める特例校制度だ。県内では山梨市が認定を受け、市内4小学校で1年生から英語の授業をしている。
 全国では、宇都宮市の山沿いにある城山西小が2005年、「会話科」を導入。英語や日本語での会話力養成に重点を置いたカリキュラムを編成した結果、保護者の関心が集まり、05年度に35人だった児童数は、12年度には3倍近い91人まで増えた。
 南アルプス市教委によると、英会話科の授業では小学1年から、外国語指導助手(ALT)や担任の教諭が指導に当たり、カードや手遊びなどゲーム形式の授業も取り入れ、楽しみながら英語を学ぶ。授業時間は生活科や音楽科などを振り替え、年間15時間を確保。1クラス数人という「少人数学級」の中、担任教諭やALTらが1対1に近い形で指導に当たる。
 市教委が昨年11月に開いた説明会には約20人の子どもの保護者が出席。担当者との面談で、保護者は「英語で歌を歌うなどの取り組みに魅力を感じる」「豊かな自然の中で、充実した英語教育を受けられる」と期待感を示した。
 ただ、市内の中心部から車で片道25分程度はかかるという通学距離がネックだ。市教委はスクールバスを運行せず、保護者に送迎してもらう考えで、説明会に出席した保護者の多くが送迎できないことを理由に入学を見送った。
 4月には、市内の児童・生徒4人程度が学区外から入学する見通し。芦安地区の子どもと合わせた芦安小、中の入学生は10人程度で、いつもより少しにぎやかな入学式になりそうだ。横小路允子教育長は「英会話科の導入をきっかけに、自然体験ができるといった特色も知ってもらい、学区外からの入学生が増えることを期待したい」と話している。

(写真)4月から英会話科の授業を始める芦安中。生徒数が少ない教育環境を逆手に取り、きめ細かい指導が受けられることをアピールして学区外から入学生を募る考えだ=南アルプス・芦安中

【山梨日日新聞社 1月27日掲載】

【山岳館便り】

冬芽の世界をのぞいてみよう

 寒い寒い今年の冬。植物たちはどのようにして冬を乗り越えているのでしょうか。

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 お正月にテレビのスポーツ番組で監督さんが「芽の出ない寒い時には下へ根を張れ」と言っているのを聞きましたが、実は、植物たちは寒い時にはもう春の準備を終えているのです。

 葉を落とした木の枝に目を凝らしてみてください。小さな芽が出ているのが分かりますか?これは冬芽(ふゆめ・とうが)と呼ばれるもので、秋にはもうできています。冬芽は硬い皮やふわりとした毛で覆われています。これは、冬の寒さから身を守るため。冬芽の中には葉や花が入っていて、じっと春の訪れを待っているのです。さらに、冬芽の近くには葉の落ちた痕(葉痕=ようこん)があります。よく観察してみると、水や養分を運ぶ細長い細胞が束になった維管束(いかんそく)の痕が不思議な模様を描いています。ほら、もう何か違ったものに見えてきたのではありませんか?

 ルーペがあるとより観察が楽しくなります。デジタルカメラで撮影したものをトリミングしてもよいと思います。小さな世界がみなさんの周りに広がっていきます。

【山岳館便り】

北沢駒仙小屋リニューアル

 老朽化に伴い建て替え工事が進められていた南アルプス・甲斐駒ケ岳や仙丈ケ岳の登山拠点となる北沢駒仙小屋が完成した。新たに更衣室や登山装備の乾燥コーナーを設けたほか、登山者の安全確保のため、小屋が営業していない時期に利用できる避難小屋も建てた。夏山シーズンに合わせて本格的な運営を始める。

20130108_019 南アルプス市観光商工課によると、小屋は木造2階建て、延べ床面積は約270平方メートルで収容人数は56人。標高1990メートルに位置する。年間約7千人が利用していることから、登山者のニーズに対応しようとシャワールームや登山装備の乾燥コーナーなどを設けた。小屋に隣接した避難小屋は数人が入れるスペースがあり、緊急時に使うことができる。昨年5月に着工し、11月上旬に建て替えが完了した。
 小屋は1930(昭和5)年に北沢峠周辺の開拓者として知られる竹沢長衛が建築し、96年に旧芦安村に譲渡された。合併後は市直営となり、2006年からNPO法人芦安ファンクラブに管理を委託している。
 小屋については、09年に行った木造住宅耐震診断で「倒壊の危険がある」との診断結果が出たため、市は建て替えに向けて建設検討委を発足。具体的な小屋の設備などについて協議してきた。
 小屋は保健所の検査などを経て、6月から本格的に営業する。同課担当者は「南アルプス登山の拠点として、多くの人に利用してもらいたい」と話している。

(写真)建て替えが終わった北沢駒仙小屋=南アルプス・北沢峠

【山梨日日新聞社 1月8日掲載】

【山岳館便り】

謹賀新年

 明けましておめでとうございます。

【写真】北岳山荘からの朝日 昨年の南アルプスは、夏は晴天に恵まれ、秋には紅葉が例年にない鮮やかさを見せ、芦安山岳館にも多くの方に足を運んでいただきました。登山者との出会いや地元の方とのふれあいなど、心温まる出来事がたくさんあった1年だったと思います。この山岳館メールで、そのほんの一部でもお伝えできたでしょうか。

 本年も、芦安地区の四季の魅力や南アルプスの自然の美しさを皆さまにお届けできるよう努力していきますので、山岳館メールの配信を楽しみにしていて下さい。皆様の2013年が素晴らしい1年でありますよう、お祈りしています。

 写真:北岳山荘からの朝日