寒い寒い今年の冬。植物たちはどのようにして冬を乗り越えているのでしょうか。
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お正月にテレビのスポーツ番組で監督さんが「芽の出ない寒い時には下へ根を張れ」と言っているのを聞きましたが、実は、植物たちは寒い時にはもう春の準備を終えているのです。
葉を落とした木の枝に目を凝らしてみてください。小さな芽が出ているのが分かりますか?これは冬芽(ふゆめ・とうが)と呼ばれるもので、秋にはもうできています。冬芽は硬い皮やふわりとした毛で覆われています。これは、冬の寒さから身を守るため。冬芽の中には葉や花が入っていて、じっと春の訪れを待っているのです。さらに、冬芽の近くには葉の落ちた痕(葉痕=ようこん)があります。よく観察してみると、水や養分を運ぶ細長い細胞が束になった維管束(いかんそく)の痕が不思議な模様を描いています。ほら、もう何か違ったものに見えてきたのではありませんか?
ルーペがあるとより観察が楽しくなります。デジタルカメラで撮影したものをトリミングしてもよいと思います。小さな世界がみなさんの周りに広がっていきます。