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蔓払い |
南アルプスの開山祭が行われた6月30日~7月1日、芦安ファンクラブ主催のキタダケソウ観察会に同行しました。
開山祭当日は見事な晴天。見上げた北岳の荘厳な姿に圧倒されました。開山祭では、芦安中学校の生徒による合唱や夜叉神太鼓の演奏に続き、「蔓(つる)払い」の儀式が行われました。払われた蔓の間をくぐって安全登山を祈願し、地元のおいしいおそばをいただいて、いよいよ出発です。
1日目は白根御池小屋までの約3時間の道のり。急な登り坂の連続でしたが、時折あらわれるツバメオモトやツクバネソウ、サンカヨウといった高山植物に目を奪われ、コマドリやヒガラなどの鳥の楽しげな鳴き声に励まされて、爽快な気分で登ることができました。
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ツクバネソウ | サンカヨウ |
2日目は残念ながら雨模様。それでもキタダケソウに会えると思うと、心はもう3000メートルへ。アイゼンをつけて急な雪渓を登ります。足どりは重くても、確実に近づいてくる出会いにドキドキしていました。登ること約3時間。岩場を乗り越えたその先に見えたのは、一面の白い小さな花たちでした。一瞬時間が止まったように思えました。雨に濡れながら岩陰で咲く愛らしい花を見ていると、ここでしか出会えないこの花が、毎年多くの登山者をひきつけてやまない理由も分かるような気がしました。キタダケソウ観察会の参加者も「キタダケソウが見られて幸せだ」と異口同音。群生地を後にする私の中にも「来年また来よう」という思いがすでに湧いていました。そして最後のサプライズはキタダケソウのお花畑に現れたオスのライチョウ。「雨の中、よくここまで来たね」と言ってくれているようでした。
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キタダケソウ | ライチョウ |
日本第2位の高山、さすがに楽な登山はさせてくれませんでしたが、そのぶん、大きな感動を与えてくれました。無事に、そして大きな満足感を得て帰ってこられたことに感謝です!