芦安山岳館は、山梨日日新聞社とタイアップして「芦安山岳館メール」を発信しています。南アルプスの最新情報や観光情報、山梨日日新聞に掲載された山岳に関係する記事などをサイトに掲載し、さらに会員登録者にはダイジェスト版メールもお届けします。お楽しみください!

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 南アルプス芦安山岳館は、2003年3月21日に開館しました。山岳文化の発掘と研究・継承、自然保護や安全登山の普及、山を仲立ちとしたさまざまな交流の実現を目的としています。氷河時代から数万年を生き続けるキタダケソウやライチョウが住む3000メートルの高山、生活と結びついて文化や産業、技術を育ててきた里山。芦安地域は自然、文化ともに魅力に満ちた地域です。山岳館はその一端を知っていただく施設です。また、この施設は、県産材の利用促進を図ることを目的としたモデル的施設でもあります。多くの方に見学していただき、県産材の良さを知っていただきたいと思います。

お知らせ

 南アルプス市芦安山岳館メールは、2023年3月末をもって配信を終了しました。今後は、南アルプスNetやFacebookなどで、山岳情報や観光情報などを随時発信していきます。

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【山岳館便り】

初めての白根御池小屋

 今回は、7月8日に芦安山岳館の穂坂さんに同行して白根御池小屋まで登った時の様子をご紹介します。私はまだまだ山は初心者で、白根御池小屋がある標高2,200メートルの高さに自分の足で登るのはこれが初めてです。

 この日は私たちの他にも3名同行者がいて、朝の7時に山岳館近くの駐車場で待ち合わせをしました。そこから野呂川広河原インフォメーションセンターまで車で約40分の移動です。センターから少し歩くと「広河原山荘」があり、その脇に登山口がありました。しばらく急な登りが続き、20分ほど登ると最初の分岐点があります。ここを右へ行くと白根御池小屋(草すべり)で、左に進むと大樺沢(二俣)へ向かいます。

 初心者の私に気遣っていただき比較的楽な「大樺沢」を歩くルートへ。この日は天候にも恵まれ心地良いスタートだったのですが、しばらくして私が体調を崩してしまい、かなりゆっくりなペースで歩いてもらうことになりました。石がゴロゴロしている道を登って行くと勢いよく水が流れてきました。

 休憩を多めにとりながらさらに上を目指します。一歩一歩進むことばかりに集中して、せっかくの景色を楽しむ余裕がなかったことに気づき、大樺沢で少し回りを見渡すと、川のように残る雪渓がたくさんありました。良く見ると雪渓の表面は波のようにデコボコしていて、風が波のような形を作るのだと聞きました。雪渓はかなりの厚さがあり、登って来る途中で見た勢い良く流れる水は、すべて雪解け水なのだと改めて実感しました。二俣から右側に入ると白根御池小屋まであと少しです。

【写真】大樺沢の雪渓 【写真】白根御池小屋前(背景に北岳)
大樺沢の雪渓(写真左)、白根御池で同右)右上の一番高い山が北岳

 なんとか小屋に着き、部屋の二段ベッドで少し休ませていただきました。小屋は部屋、食堂、トイレの掃除が行き届き快適に休憩できました。ソフトクリームなど食べたい物がたくさんありましたが、今回は体調が優れないので梅干だけを食べて下山の準備へ。

【写真】白根御池小屋 【写真】白根御池小屋前
白根御池小屋全景(写真左)、玄関前で(同右)

 下りは登りと違い比較的楽で、涼しい風を感じながら景色を楽しむことができました。小屋での休憩といただいた梅干パワーで体力は随分回復し、下りは2回ほどの休憩でなんとか広河原に到着しました。大樺沢を下っている時は「なんてすごい所を登ってきたんだろう」と思いましたが、そこからさらに雪渓を登って行く人がたくさんいるのを見て本当にすごいと思いました。私は、といえば、下りは楽だと感じながらも着いた頃には足がガクガクしてしまい、うまく歩けなくなっていました。

 体調を崩してしまったため、最初は少し嫌な思いが出ていましたが、終わってみるとすべてよい経験だったと思えます。今回の経験で事前の体調管理と普段からの体力づくりが大切だということを学びました。いつかまた、自信を持って歩けると思える日が来たら再び挑戦してみたいと思います。

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