芦安山岳館は、山梨日日新聞社とタイアップして「芦安山岳館メール」を発信しています。南アルプスの最新情報や観光情報、山梨日日新聞に掲載された山岳に関係する記事などをサイトに掲載し、さらに会員登録者にはダイジェスト版メールもお届けします。お楽しみください!

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プロフィール

 南アルプス芦安山岳館は、2003年3月21日に開館しました。山岳文化の発掘と研究・継承、自然保護や安全登山の普及、山を仲立ちとしたさまざまな交流の実現を目的としています。氷河時代から数万年を生き続けるキタダケソウやライチョウが住む3000メートルの高山、生活と結びついて文化や産業、技術を育ててきた里山。芦安地域は自然、文化ともに魅力に満ちた地域です。山岳館はその一端を知っていただく施設です。また、この施設は、県産材の利用促進を図ることを目的としたモデル的施設でもあります。多くの方に見学していただき、県産材の良さを知っていただきたいと思います。

お知らせ

 南アルプス市芦安山岳館メールは、2023年3月末をもって配信を終了しました。今後は、南アルプスNetやFacebookなどで、山岳情報や観光情報などを随時発信していきます。

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【山岳館便り】

“歴女”になりそうな芦安の秋

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【写真・左】芦安旧道入り口  【写真・右】甲斐ヶ根神社前社跡

 今回は先日訪ねた芦安の夜叉神にある「甲斐ヶ根神社前社跡」の様子をご紹介します。

 芦安に住んで7年目にして初めてその場所を知りました。きっかけは山岳館の館長に撮影を依頼されたことでした。

 場所は山岳館から車で20分ほど登った所にある夜叉神峠・鳳凰三山の登山口の近くです。登山口には「夜叉神の森」という宿泊施設があり、その横から「甲斐ヶ根神社前社跡」への道があります。そこは芦安の旧道で、しばらく下りて行くと芦安のペンション付近に出ます。

 旧道の入り口から5分くらい下りていくと現在は使われていないバンガローやトイレがあり、そのバンガローのすぐ後ろに「甲斐ヶ根神社前社跡」がありました。表示が何もないので最初は気づかず更に5分ほど下ってしまいました。「前社跡」ということで石積みしかありません。

 「甲斐ヶ根神社前社跡」の歴史を山岳館の図書で調べてみると、明治時代に北岳の開山を求める署名が書かれた文書「甲斐ヶ根山開闢(かいびゃく)願書」を役所に提出したことから北岳に神社を設け、登山道を開くこととなりました。甲斐ヶ根山は今の北岳を指します。目的は「明治維新に際し皇政復古と敬神愛国の精神を高揚するため」ということです。2年で登山道は完成し、北岳山頂に甲斐ヶ根神社本宮、白根御池北方に中宮、夜叉神峠付近に前宮を建てました。

 前宮があった所は現在廃社になってしまいましたが、現地に行くと「どんな神社がここにはあったんだろう?」と色々想像させてくれるような広場と石積みがあり、もっと山の歴史を知りたいと思いながら帰ってきました。

 旧道の帰り道にはヤマトリカブトや、秋の野の花の一つであるアキノキリンソウが楽しめました。秋の気持ち良い空気の中、芦安の歴史に触れながらの森林散策にはまってしまいそうです。

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【写真・左】アキノキリンソウ  【写真・右】ヤマトリカブト

[南アルプス芦安山岳館スタッフ]

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