芦安山岳館は、山梨日日新聞社とタイアップして「芦安山岳館メール」を発信しています。南アルプスの最新情報や観光情報、山梨日日新聞に掲載された山岳に関係する記事などをサイトに掲載し、さらに会員登録者にはダイジェスト版メールもお届けします。お楽しみください!

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 南アルプス芦安山岳館は、2003年3月21日に開館しました。山岳文化の発掘と研究・継承、自然保護や安全登山の普及、山を仲立ちとしたさまざまな交流の実現を目的としています。氷河時代から数万年を生き続けるキタダケソウやライチョウが住む3000メートルの高山、生活と結びついて文化や産業、技術を育ててきた里山。芦安地域は自然、文化ともに魅力に満ちた地域です。山岳館はその一端を知っていただく施設です。また、この施設は、県産材の利用促進を図ることを目的としたモデル的施設でもあります。多くの方に見学していただき、県産材の良さを知っていただきたいと思います。

お知らせ

 南アルプス市芦安山岳館メールは、2023年3月末をもって配信を終了しました。今後は、南アルプスNetやFacebookなどで、山岳情報や観光情報などを随時発信していきます。

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【山岳館便り】

生物圏保存登録で活性化を 南アルプスシンポ

 南アルプスの自然保全について考える「南アルプスシンポジウム」(南アルプス世界自然遺産登録山梨県連絡協議会主催)が14日、南アルプス市櫛形生涯学習センターで開かれた。ユネスコの生物圏保存地域(BR)登録に向けて講演やパネルディスカッションを行い、地域の設定を標高ではなく流域圏で行うことや、BR登録を地域活性化につなげることが提案された。

20100215_017-2  シンポジウムには文科省、環境省、県の関係者や協議会を構成する南アルプス、北杜、韮崎、早川の3市1町から約150人が参加。パネルディスカッションで、静岡大の増沢武弘教授はBRの3地域を流域圏で設定することを提案。「流域で考えると、上流の豊かな自然の恵みを下流で受けているという、自然と人間とのつながりが明確になる」と話した。
 国立環境研究所の名取俊樹主任研究員は「南アルプスはキタダケソウなど高山植物の種類が多い」と解説。県環境科学研究所の北原正彦自然環境・富士山火山研究部長は昆虫に南アルプスにしか生存しない固有種が多い点や、ライチョウなどの分布南限地である点を紹介。山梨総合研究所の依田真司主任研究員は、BR登録を地域づくりのチャンスととらえ「地域住民が南アルプスの価値を再認識し、イメージアップにつなげられる」と話した。
 横浜国立大の松田裕之教授の基調講演もあり、BRは世界自然遺産に比べて登録が容易で、保全以外にも利用や教育の考えを含む点を解説。「BRは日本の里山の考え方に近い。商品にプレミアムを付けるなど地域経済に貢献できる仕組みを作ることが必要」などと語った。
 BRは、自然保護と持続可能な開発を考慮して人間と自然の相互関係構築を目指す地域を指し(1)核心地域(2)緩衝地帯(3)移行地帯-で構成。昨年5月現在、107カ国553地域が登録し、国内は志賀高原や屋久島など4地域が登録されている。

(写真)南アルプスの自然の価値などについてのパネルディスカッション=南アルプス市櫛形生涯学習センター

【山梨日日新聞社 2月15日掲載】

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