芦安山岳館は、山梨日日新聞社とタイアップして「芦安山岳館メール」を発信しています。南アルプスの最新情報や観光情報、山梨日日新聞に掲載された山岳に関係する記事などをサイトに掲載し、さらに会員登録者にはダイジェスト版メールもお届けします。お楽しみください!

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プロフィール

 南アルプス芦安山岳館は、2003年3月21日に開館しました。山岳文化の発掘と研究・継承、自然保護や安全登山の普及、山を仲立ちとしたさまざまな交流の実現を目的としています。氷河時代から数万年を生き続けるキタダケソウやライチョウが住む3000メートルの高山、生活と結びついて文化や産業、技術を育ててきた里山。芦安地域は自然、文化ともに魅力に満ちた地域です。山岳館はその一端を知っていただく施設です。また、この施設は、県産材の利用促進を図ることを目的としたモデル的施設でもあります。多くの方に見学していただき、県産材の良さを知っていただきたいと思います。

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2017年12月

【山岳関連ニュース】

初日の出登山、厳戒

県警 富士山、南アで「検問」 山岳遭難最多、死者も多数

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 山梨県内で今年発生した山岳遭難は161件、遭難者は180人でいずれも過去最多となり、県警は初日の出を目当てに入山者が増える年末年始の山岳指導を強化している。5年連続で年末年始に死者が出ている富士山では、29日から装備品の点検など山岳指導の時間を延長。今年の山岳遭難による死者は30人と平成に入って最多となり、26日は上野原市で高齢の登山者3人が遺体で見つかっている。県警は「冬山は滑落の危険が増す。関係機関と連携した啓発などで遭難を防ぐ」と警戒する。

 29日午前7時すぎ、富士山の吉田口登山道の「馬返し」を訪れた埼玉県熊谷市の男性会社員(40)に、富士吉田署員が声を掛けた。男性は単独で、冬季の富士山は初めてという。アイゼンは持っていたが、登山届は出していなかった。署員は記入を促して「危ないと思ったら引き返す勇気が必要」と強調した。

 県警によると、27日現在、県内は山岳遭難が161件発生し、遭難者は180人。いずれも統計を取り始めた1965年以降で最多。死者は30人で平成に入って最多、過去2番目に多い。

 同署は、馬返しでの冬季山岳指導を11月18日から毎日実施。通常は午前6時~8時半だが、29日から1月3日の6日間は正午までに延長した。登山届の提出、滑り止めのアイゼンなど装備品を確認し、軽装の場合は出直しを求めることもあるという。

 年末年始に富士山で遭難、死亡した人は2012~13年は1人、13~14年は1人、14~15年は2人、15~16年は1人、16~17年は2人。同署は初日の出を拝もうと入山者が増えることが要因の一つとみる。この時季は雪が固まったアイスバーン状態で、強風も吹き付けるため「技術がある人も滑落する可能性が高くなる」(同署担当者)という。

 南アルプス山系がある南アルプス署管内では、過去5年の年末年始に遭難が4件発生し、3人が死亡している。南アルプス署は28日から31日の毎朝、南アルプス市芦安芦倉の夜叉神登山口で署員らが安全指導を行っている。

 甲府地方気象台によると、年末年始の県内の天候はおおむね晴れるが、31日は曇りの予報になっている。

 県警地域課の担当者は「天候を見ながら必要な準備を行い、無理のない登山を心掛けてほしい」と話している。

 【写真】装備品や登山届の提出状況を確認する富士吉田署員=富士山1合目下の馬返し

【山梨日日新聞 12月30日掲載】

【山岳関連ニュース】

山岳遭難多発で指導強化、県警

 山梨県警の鶴田孝一生活安全部長は28日の定例会見で、冬山への入山者が増える年末年始は「軽装や準備不足の登山者に厳しい姿勢で臨む」との考えを示した。今年の遭難件数と遭難者数がすでに過去最多を更新した現状を踏まえ、未然防止に力を入れるとした。

 県警地域課によると、27日現在、山岳遭難は161件発生し、遭難者数は180人に上る。いずれも統計を取り始めた1965年以降で最多、死者は30人に上る。鶴田生活安全部長は「危機感を持っている」として、駅や登山口での指導を強化するとした。

【山梨日日新聞 12月29日掲載】

【季節の便り】

「良い年に」願い込め 甲州だるま

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 甲府市国玉町の大沼富士夫さん(65)の工房で、県内の春祭りに並ぶ縁起物「甲州だるま」の制作がピークを迎えている。

 甲州だるまは、武田信玄がモチーフとされ、彫りが深く勇壮な顔つきが特徴で、張り子作りや色付けなどが手作業で行われている。9月から作り始め、来年1月末までに千個の完成を目指している。

 今年は10月の長雨から、木型に貼り付けた張り子紙が乾燥するのに時間がかかり、作業は例年より1週間から10日遅れているという。

 だるまは大小15種類で高さ約12~35センチ、価格は1200~1万円。2月の南アルプス市の十日市や甲府市の厄除地蔵尊大祭などで販売する。

 大沼さんは「手に取ってくれる人が健康で幸せな1年を過ごせるように思いを込めて作っている。何とか千個作り上げたい」と話している。
 
(写真)ピークを迎えている甲州だるま作り=甲府市国玉町

【山梨日日新聞 12月29日掲載】

【山岳関連ニュース】

山岳遭難防止へ夜叉神登山口に指導所

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 南アルプス署などは28日、南アルプス市芦安芦倉の夜叉神登山口に山岳遭難事故防止指導所を開設し、登山者に安全登山の指導を行った。

 署員と南アルプスの山岳遭難防止に向けて活動する「大久保基金の会」のメンバー計8人が参加。午前6時半から約1時間半、訪れた登山者の装備品を確認したほか、登山計画書の提出指導、山岳遭難事故防止を呼び掛けるチラシを配った。

 同署の飯島哲也地域課長は「冬山は危険が多い。計画的な登山を心掛け、無理をせずに下山する勇気を持ってもらいたい」と話している。

 同署などは、長期休暇を利用した冬山登山の事故防止に向けて31日まで同様に指導をする。
 
 【写真】登山者の装備品などをチェックする署員ら=南アルプス市芦安芦倉

【山梨日日新聞 12月29日掲載】

【山岳館便り】

南アルプス芦安山岳館 新企画展始まる!!

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 今年度企画展第一弾「雷鳥 小さな愛おしい命」は10月24日に終了しました。大好評で大勢の方にご来館いただきました。ありがとうございました。 

 そして、第二弾!!「野鳥たちの暮らす風景写真展」を開催しています。廣瀬和弘氏撮影による写真53点を展示しました。雷鳥をはじめ、野鳥たちの生き生きとした姿、さえずりや、羽ばたきの音までもが聞こえてきそうです。そんな写真展になりました。

期 間平成29年12月1日(金)~ 平成30年5月31日(木)
時 間午前 9 時 ~
午後 5 時
入館料大人 500円 小人 250円(小学生)
休館日毎週水曜日 年末年始12月29日(金)~1月3日(水)

<問い合せ>南アルプス芦安山岳館
(電話)055-288-2125

  皆さんのお越しをお待ちしています

[南アルプス芦安山岳館]
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【山岳館便り】

アマゴ復活へ稚魚放流

南アの住民ら 御勅使川に500匹

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 地元の御勅使川にアマゴを復活させる取り組みをしている南アルプス市芦安地区の住民有志は27日、同市野牛島の双田橋付近の御勅使川にアマゴの稚魚を放流した。

 芦安地区の住民や市職員ら6人が参加。同地区の温泉旅館「白雲荘」に置いた木箱で試験飼育をした稚魚約500匹を、バケツなどを使って川に放した。稚魚は集まるなどして元気に泳いでいた。

 住民有志は、過疎が進む地区の活性化を図ろうと、アマゴのふ化や放流に向けた取り組みを始めた。来年の本格的な活動を前に、放流場所や川の水温、手順も確認した。

 白雲荘の店主伊東隆雅さんは「元気に育ってほしいと願いながら放流した」と話した。

 【写真】アマゴの稚魚を放流する伊東隆雅さん(中央)ら=南アルプス市野牛島

【山梨日日新聞 12月28日掲載】

【山岳関連ニュース】

登山口の啓発活動 在り方を意見交換

 県は26日、甲府・県防災新館で、市町村や警察署、山岳団体の代表者による「安全登山推進会議」の第2回の会合を開いた。

 今年10月に施行された「県登山の安全確保に関する条例」で、2019年10月までに厳冬期の登山届提出が義務化される富士山、南アルプス、八ケ岳について啓発活動や安全対策の取り組み状況を報告。今後の登山口での指導や勧告体制の在り方について意見を交わした。

 事務局を務める県観光資源課が「富士山で実施されている県警や地元市町村などによる啓発活動の取り組みを参考に、南アルプスや八ケ岳で指導体制を構築したい」と提案。出席者からは「人手に限りがあり、富士山と同じ指導体制の実現は難しい」などの意見が出た。

【山梨日日新聞 12月27日掲載】

【山梨県内のニュース】

大規模災害時、発電機を提供 南ア市とアクティオが協定

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 南アルプス市は21日、建機レンタルの「アクティオ」(東京)と災害時の機材提供に関する協定を結んだ。

 協定では、地震や風水害などの大規模な災害が発生した際、市の要請に応じて同社が発電機や照明、仮設トイレなどのレンタル機材を提供する。

 市役所で締結式を行い、金丸一元市長と小沼直人社長が協定書に調印した=写真。金丸市長は「多くの機材を持つ会社と協定を結べるのはありがたい」と話し、小沼社長は「災害が起きた時には地域住民のために迅速に機材を届けたい」と述べた。

【山梨日日新聞 12月26日掲載】

【山岳館便り】

アマゴの里よみがえれ 芦安の有志が計画

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 南アルプス市芦安地区の住民有志は、地元の御勅使川にアマゴを復活させようと、自宅でふ化させた稚魚を放流する取り組みを始める。過疎化が進む同地区は住民が300人台で、ふ化という共通の目的で連帯感を強め、成長したアマゴを使った活性化を目指す。富士川流域から駿河湾へ下ったアマゴは、遡上するとサツキマスとして希少価値が高まるため、堰堤に魚道の設置を行政に働き掛けることも検討している。

 20日、同市芦安芦倉の温泉旅館「白雲荘」に住民や市職員ら6人が集まり、試験放流するためのアマゴの稚魚を受け取った。体長2センチほどの約500匹が飼育用の木箱を泳ぎ回る様子を観察。御勅使川の水質が生育環境に合うかなどを調べることを確認した。

 木箱を管理するのは同旅館の店主伊東隆雅さん(65)。昭和40年代ごろまで御勅使川に多く生息し、ほかの川魚とともに住民の貴重なタンパク源だったアマゴを復活させ、地域を盛り上げようと発案。来年、小中学生を含めて希望者を募り、それぞれが自宅でふ化に挑む計画を立てた。

 同市によると、南アルプス山系の玄関口に当たる芦安地区は2015年の人口が328人で、ピーク時(1960年)の1161人の3割に満たない。伊東さんは「コミュニティーを維持するためには若い人が住み続けたい、戻ってきたいと思える環境が大切」と話す。

 サポートするのは、富士川町平林でアマゴなどの養殖場を営む秋山富一さん(65)。稚魚の提供のほかにふ化や飼育の方法を助言する。富士川にサツキマスを増やす活動をするグループのメンバーで、将来は芦安地区との連携もしていく。

 同市芦安窓口サービスセンターによると、アマゴは治水事業による堰堤の建設などで激減。復活すれば釣り客の増加が見込め、郷土料理の食材としても期待できるという。

 伊東さんらはサツキマスとしての遡上も期待する。秋山さんによると、海で小魚などを捕食し、体長はアマゴの成魚の2倍近い30センチ以上になるという。芦安地区まで戻れるように、魚が移動できる魚道の設置も専門家と模索する。

 伊東さんは「放流活動を通して、年齢にかかわらず住民の連帯感を強めたい。お客さんにアマゴ復活のストーリーを話しながら、旅館で料理を提供できる日が楽しみ」と夢を膨らませている。

 【写真】木箱にアマゴの稚魚を移す伊東隆雅さん(左)ら=南アルプス市芦安芦倉

【山梨日日新聞 12月25日掲載】

【山岳館便り】

【この道 追悼】固有植物保護に尽力

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 北岳など南アルプス山岳観光の拠点となる南アルプス市芦安芦倉の「南アルプス芦安山岳館」の館長、塩沢久仙さん=南アルプス市上今井、写真=が亡くなった。75歳だった。北岳固有の高山植物の保護、山岳遭難者の救助活動、山岳文化の発信などに力を注いだ。

 中学生のころから登山に魅力を感じてのめり込んだ塩沢さんが、本格的に南アルプスに関わることになったのは、1965年に夜叉神峠小屋の管理人になってから。毎日のように登山者らの食料などの荷揚げを繰り返し、多くの時間を山で過ごしてきた。85年には広河原山荘の管理人となり、2003年からは芦安山岳館の初代館長を務めていた。

 北岳の固有種・キタダケソウなど高山植物の保護に尽力。全国に先駆けて高山植物の譲渡禁止を柱とする、山梨県の保護条例制定(1985年)に携わった。

 30年以上の親交があり、南アルプスの山岳遭難防止に向けて活動する「大久保基金の会」の清水准一会長(67)は「謙虚で、多様な人脈を生かして幅広い活動をしていた」と振り返り、「南アルプスの魅力を世に発信し、価値を高めた人」と功績を挙げる。

 塩沢さんが30~40代のころには、警察から依頼を受けて山岳救助に力を尽くした。清水さんは塩沢さんの遭難者対応について「山に来てくれた人に対する感謝の気持ちを感じた」と振り返る。

 75歳の誕生日だった今年9月24日、南アルプス・栗沢山(2714メートル)の山頂付近でガイド中に意識を失い、甲府市内の病院で死亡が確認された。病死とみられる。

 広河原山荘の運営を引き継ぐ次男・顕慈さんは父の「嫌な仕事を一番にしろ」との言葉が印象に残り、今も大切にし、山小屋では誰よりも早く起床するなどしている。「父の担っていた仕事の一部でしかないが、時代や山に来る人の要望の変化を捉え、柔軟に山と共生したい」と語る。

 取材で山岳館を訪れると、塩沢さんは毎回、穏やかな笑顔で館内を気さくに案内してくれた。まだまだ聞きたいことがたくさんあったのに残念でならない。

【山梨日日新聞 12月23日掲載】