今回は、6月25日に広河原インフォメーションセンターで行われた「南アルプス開山祭」の様子をご紹介します。
開山祭は、南アルプスの登山先駆者の偉業に感謝するとともに入山者の安全登山、山岳観光の活性化を祈念して、モニュメント前の広場で行われました。
中込市長の挨拶をはじめ、多くの来賓の方々による祝辞があり、関係者と山岳愛好者によるセレモニーや、山で亡くなった登山者のご冥福をお祈りする黙とうが行われました。続いて芦安中学校の生徒による「北岳の歌」と「雪山讃歌」の合唱があり、夜叉神太鼓保存会の方々による力強い太鼓演奏も行われ、遠くの山々まで響き渡るような音色を披露しました。
式典の後半にはモニュメントへの献花が行われ、クライマックスには百年前のスタイルを再現した山の案内人による「蔓(つる)払い」が行われました。蔓払いには大天狗、小天狗という役があり3名の芦安ファンクラブの方々がそれぞれ務めました。この蔓払いは山々の神に開山の祈願をした後、大天狗によって振り下ろされた斧が束ねた蔓を切り開くことで案内人の使命感を表現し、切った蔓の飛び跳ねる動きにより悪霊に対する威嚇と排除、山の清めを意味しています。その切り開かれた蔓の門を参加者や登山者が通り抜けることで安全登山を願う行事です。
式典終了後には地元の方々によるそばが振る舞われました。冷たいそばがとてもおいしく、デザートの桃までいただいて、参加者からは「こんなすてきな景色の中でおそばをいただけるなんて最高だね」という声が聞かれました。
開山祭の後には芦安ファンクラブ主催の恒例の「キタダケソウ観察会」が行われ、切り開かれた蔓の門を通った観察会参加者の皆さんが次々とキタダケソウの繁殖地を目指して登って行きました。この日はとても涼しくて雨に降られることもなく、広河原からは大樺沢の雪渓を見ることができたので思わず写真を撮りました。観察会ではかわいらしいキタダケソウの花を見ることができたようで、ファンクラブのガイドの方から送っていただいたキタダケソウの画像もご紹介します。