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圃場データ

標高
350メートル
栽培
ヴィニュロンズクラブ
栽培品種 メルロー(約900本)
栽培面積
17アール
台木
5BB、3309、101-14
植樹
2008年3月22日
栽培品種 シャルドネ(約900本)
栽培面積
20アール
台木
101-14
クローン
95番、96番、277番
植樹
2012年6月16日
栽培品種  シャルドネ(約490本)
栽培面積
17アール
台木
101-14
植樹
2013年3月31日

ブログ担当 プロフィール

古畑昌利
山日YBSグループ勤務。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート・エクセレンス、SAKE DIPLOMA。米国ワインエデュケーター協会認定ワインスペシャリスト(CSW)

お知らせ

2014年1月1日、ヴィンヤード便りのURLアドレスが変わります。ブックマーク(お気に入り)やリンクのURLアドレスの変更をお願い致します。

https://sannichi.lekumo.biz/vineyard/

2008年4月

発芽

 4月20日、全体が集合しての3回目の作業日です。

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ブドウ畑の周りも緑が目立つようになってきました。

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この日の作業の流れです。まず苗木のわきに支柱をたて、バインド線でとめます。そして1本1本、誘引テープで固定しました。その後、全体の草取りをしました。

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ジャジャーン! なんと言っても、この日の感動は木々が芽吹き、順調に成長していることを確認できたことです。やや赤みを帯びていて、かわいらしいです。ブドウは蔓性の多年性植物であり、気候に合わせた生育サイクル(※)を持っています。

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この日は、定点観測する基準木を決めました。現在のブドウの木の様子です。今後、どのように変わっていくのか楽しみです。


※ブドウの生育サイクル 冬季は休眠し、土中温度の上昇とともに根が活動を始め、一般的に気温が10度程度になると地上部の活動が始まる。休眠―萌芽―展葉―花穂―開花―結実―果実肥大―着色―成熟―収穫というサイクルを形成する。

2008年04月22日|個別ページ

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ブドウ畑ができるまで(2)

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植え付け直前、段ボール箱に入ったブドウの苗木。根っこの部分は台木(※)です。フィロキセラ(ブドウネアブラムシ)の被害を回避するための台木は何十種類とありますが、ここでは「5BB」(約500本)と、「3309」(約400本)の2種類を使っています。いずれもワイン産地の県内で広く利用されています。

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3月22日、待ちに待った植樹です。畑にメンバーが初めて勢ぞろいしました。まずは、たい肥まき。1本1本丁寧にメルローを植え付けていきます。植樹密度はワインの品質にも影響しますが、木と木の間の距離は1メートルとりました。縦のラインが曲がらないように注意しながらの作業。苗木には、健やかに育つようにとの思いを込め、たっぷりと水もあげました。

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植樹は一日がかりの作業。農場で弁当を広げました。好天にも恵まれ、体を動かした後の昼食は格別の味がしました。

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植え付けたばかりのメルローの苗木。この日は一日中、富士山が作業を見守ってくれました。

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3月29日、全体が集合して2回目の作業日。土寄せ、マルチかけ、消毒を行いました。晴れてブドウ畑の完成です!


※台木 19世紀半ばにヨーロッパのワイン産業を襲ったフィロキセラ禍から救ったのが台木の使用。アメリカ系の木を台木として接ぎ木する方法で、現在最も有効な対策とされている。病害虫予防にとどまらず、土壌へのブドウ樹の適性や樹勢コントロールにも有効と言われるが、国内では台木試験の実例がまだ少ない。

2008年04月17日|個別ページ

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ブドウ畑ができるまで(1)

 「最良のワインは畑で造られる」と言われますが、今回はその畑ができるまでを2回に分けて紹介します。

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2008年1月中旬の山日YBS双葉農場の一角です。冬枯れの景色の中、更地が広がっています。

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2月15日、ブドウ栽培用の資材設置工事が始まりました。ここでは本格的なワイン造りを目指し、欧州の産地では主流の垣根造りを試み、雨の多い日本の風土にも配慮して木の上に雨よけをつけたマンズ・レインカット方式(※)を採用しています。

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2月下旬には耕うんなど土づくりを行いました。土壌はテロワール(土地固有の個性)を構成する重要な要素です。メルローを主要品種とするフランス・ボルドーのポムロール地区の土質は粘土質で知られています。双葉農場の土も水分を含むと、靴の裏にべったりと張り付き、かなりの粘土質のように感じます。期待度が高まります。

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3月18日、ブドウ苗木を植えるための900個の穴あけ作業です。マンズワインの中山さんから植え付けの指導がありました。苗木の根を四方に伸ばすのはポイントの一つとのことです。さて、いよいよ植樹を待つばかりとなりました。


※マンズ・レインカット方式 マンズワインが考案した垣根栽培の方式。専用の支柱を使い、傘のように全体にビニールの覆いをかける。ブドウが雨に濡れて病気を発生するのを防ぐなどの利点がある。

2008年04月16日|個別ページ

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一滴(ひとしずく)への夢

080409_4 「山日YBS双葉農場ヴィンヤード便り」の記念すべき1回目の配信。取材を通してワイン業界に接してはいたが、まさか自分が生産者側の立場になるとは! 既に3月22日の植樹、29日の畝(うね)づくりとマルチ敷きの2回の作業を終え、筋肉痛の余韻さめやらぬ中、ブログを担当することになった。重労働にもかかわらず、ブドウの木の生育が待ち遠しく感じる不思議さ。これもワインの魅力なのか。まずは計画概要を紹介しよう。

 標高350メートルの小高い丘にあるヴィンヤードは、日当たりのいい南向き斜面。見晴らしも良く、眼下に甲府盆地が広がり、富士山や南アルプスを眺望できる。ブドウの栽培面積は17アール。欧州系の赤ワイン用高級品種メルロー(※)を約900本植え付け、2011年秋に初収穫、13年に1000本のワインを造る計画。栽培にあたっては、日本のワイン業界をリードするマンズワイン株式会社勝沼ワイナリーの武井千周さんと、同小諸ワイナリーの中山正男さんから指導を仰ぎ、醸造も同社に委託する。万全のバックアップ態勢に期待が膨らむが、ワインはブドウがすべて。まずはわれわれが、いいブドウを育てなければいけない。

 栽培スタッフは、野口英一グループ代表をはじめ、ブドウを育てるために新たに立ち上げた同好会のメンバー総勢24人。フランス語でブドウを育てワインを造る人を意味する「ヴィニュロン」にあやかって、同好会はヴィニュロンズクラブと名付けた。素人集団ではあるが、公務同様(またはそれ以上?)に身を砕き、丹誠込めてブドウを育てていきたいと思っている。一滴(ひとしずく)への夢を求めて。

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※メルロー フランス原産の品種。同じくフランス原産のカベルネ・ソーヴィニヨン同様、世界中で広く栽培されている。ボルドーでは、サンテミリオンやポムロールでの主要品種として知られる。収穫期はカベルネよりも早い。

2008年04月09日|個別ページ

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