山梨、静岡両県と環境省は14日、静岡・富士宮市役所で富士山における適正利用推進協議会を開いた。夏山期間以外の遭難事故が相次いでいることを受け、新年度に都内で冬山登山の危険性を訴えるキャンペーンを展開することを決めた。登山用品店で冬山の状況を知らせるパネル展示やリーフレットの配布などをする。
富士山では冬山での遭難事故が相次ぎ、昨年9月富士北麓の首長らが後藤斎知事に対し、遭難防止の対策を講じるよう要望。同11月の協議会で、夏山期間以外の富士登山の危険性を訴える「ネガティブキャンペーン」をホームページ(HP)などで展開することを決めていた。
14日の協議会では、山梨県の担当者が、キャンペーンの実例としてHP「富士登山オフィシャルサイト」に今冬の遭難事故の発生状況や遭難の危険性について掲載したことを報告。新たな取り組みとして、登山者増加が見込まれるゴールデンウイーク(GW)や、秋に都内の登山用品店でネガティブキャンペーンを実施することを決めた。遭難者を救助している映像の上映や、凍結で滑落しやすい斜面状況などを伝えるパネル展示をする。
GW期間に、日本山岳協会など山岳関連団体に、夏山期間以外の登山の自粛を求める要請文を送ることも決めた。山梨県の担当者は「富士登山の前に危険性を知ってもらえるよう取り組みをしていく」と話している。
(写真)冬山登山の危険性を訴えるキャンペーンの実施などを決めた協議会=静岡県富士宮市役所
【山梨日日新聞 3月15日掲載】