県埋蔵文化財センターは4月12日まで、甲府・県立考古博物館で「山梨の遺跡展2010」を開いている。本年度調査した12カ所の遺跡の出土品約430点や出土状況を写真やパネルで紹介している。
美通遺跡(都留)の出土品では、県内での出土が4例目となる猿型土製品や、人骨とともに出土した、副葬品とみられる江戸時代の短刀を公開。滝沢遺跡や西川遺跡(いずれも富士河口湖)で見つかった墨書土器や刻書土器なども並んでいる。
中部横断自動車道の建設に伴って大規模な調査が行われた原間遺跡(南部)や方形柱穴列が見つかった板橋遺跡(北杜)などから出土した、遺物や調査の結果を報告している。
原間遺跡では縄文後期の土器片のほか、平安期の竪穴住居跡が1カ所見つかっている。今回は、打製石斧や磨製石斧、石錘などを展示している。
このほか、同センターが本年度から始めた山岳信仰遺跡の分布調査から、山梨県側から富士山頂に至る吉田口登山道の起点となる北口本宮冨士浅間神社などの調査結果を紹介している。
同センターの小沢美和子さんは「どの遺跡も貴重な成果が得られている。最新の調査成果を見てほしい」と話している。
入場無料。問い合わせは同センター、電話055(266)3016。
【山梨日日新聞社 3月17日掲載】